THE DETECTIVE SECRET SCHOOLの概要

つねに手探り状態で立ち向かう恐怖

小さな町に見知らぬ人物が現れたと告げる1本の電話。

その相手さえわからない状態のまま、指定された現場を訪れることになった主人公は、廃墟で想像を絶する事態に巻き込まれていく。

本記事で紹介する『THE DETECTIVE SECRET SCHOOL』は、逃れることのできない恐怖に立ち向かい、電話で呼びかけてきた男の正体を暴き、行方不明者の痕跡を追うホラーゲーム。

2018年4月27日段階では少々ワケありの作りなのだが、それでも皆さんに伝えておきたい可能性を秘めた作品なのだ。

死によってリセットされる恐怖の校内探索

どこの誰だかもわからない電話の相手は、突然姿を消した地元住民たちの行方を突き止めてほしいと矢継ぎ早に語りかけてくる。

快適な眠りを強引に冷ましたこの男が何を言っているのか、自分が何者なのかも理解できないまま、プレイヤーはタクシーと飛行機を乗り継いで問題の町に到着。霧に包まれた不気味な光景の中でひときわ目立つ建造物を発見するのだ。

本作は全編英語で少々間口が狭く感じるが、いま何をすべきなのかが画面左側に簡単な単語で提示されているので、ストーリーはともかくゲームは理解することができる。

条件を満たせば対象の項目は消えるかチェックが入るので、それを参考に訪れた場所を隅々まで探索していこう。

ゲームの本番は不気味な建造物に閉じ込められ、複数のアイテムを探し出せと提示されてからだ。

簡単に言えばパソコンのパーツを掻き集めていくのだが、そこにはナイフを持って徘徊する血まみれの看護師がいて、1発でも攻撃を受ければ即ゲームオーバー。ひとつでもパーツが不足していると、すべてが建物のどこかにランダムで再配置されてしまうのだ。

しかし、不幸中の幸いなのが看護師を足止めできるショック銃だけは、（プレイした限りでは）死んだ場所に落ちていることと、思いのほか鈍足で簡単にすれ違うことができる点だ。

教室や図書室といった学校を連想させる空間から大量の遺体が安置されている霊安室まで、不可解な点が多すぎる内部を、不気味に鳴り響くサイレンとともにどこまでも血まみれの看護師が追いかけてくる。

ショック銃で足止めできても数秒で立ちあがり何度でも襲ってくる絶望的な光景に、どこまで耐えることができるかはプレイヤーの精神力にかかっているのだ!!

指示に反した行動が最悪の事態を招く世界

すでにお伝えしている通り、本作は画面左に提示される項目を達成していくことで物語の真相へと1歩ずつ確実に近づいていく。

しかし、ここで注意しなければいけないのが、そこから反する行為をするとゲームが進行不能になってしまう場面が多いことだ。

その中でも致命的だったのがゲーム冒頭で鳴り出す電話を無視、外に出ると2度と部屋に戻ることができず、“電話を取れ”という目標がずっと提示されたままになることだろう。

そのほかにも、飛行機が離陸した直後に発生するローディングが猛烈に長く、フリーズでもしてるんじゃないかと物理的な恐怖心を煽り、なんなら本当に固まってましたなんてことも数回発生。

チェックポイントからのリスタートはあってもゲームをシャットダウンすると、運が悪ければ最初まで戻されてしまうのだ。

正直、この状態で360円という買い切り価格は悩ましいところだが、基本的には提示された行動から反れさえしなければ、取り返しのつかない事態を招くことはほとんどない。

ゲームを中断orシャットダウンすることをあきらめ、“クリアーするまで帰れません”的な感覚でプレイすれば、最初まで巻き戻される恐怖ともおさらば（100％ではない）ってわけだ。

本作を手掛けるデベロッパーはぜひ、早急に致命的なバグの修正に着手してもらいたい!!

P.N.深津庵
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