レビュー
投稿日2020.02.22
急募!! 強くて賢い赤ずきん
古くはスウェーデンの民話“黒い森の乙女”や11世紀のベルギーで書かれた詞が原型という説。
その後、1697年にフランスで出版されたシャルル・ペローの童話集、1800年にはドイツでルートヴィヒ・ティークが戯曲として手掛けるなど、時代を超え長く語り継がれている童話を題材にしたアプリ『脱出ゲーム 赤ずきん』がリリースされた。
近年では大幅に表現を改変したものも多く、世代によってその解釈も異なる童話を本作ではどう描くのか。
さぁ、オオカミの魔の手からおばあちゃんを救い出そう。
ゲームの見どころ
●現代を彷彿とさせる新解釈の赤ずきん
●後日談を追体験するボーナスステージ
現代を彷彿とさせる新解釈の赤ずきん
もっとも多く知られているであろう“赤ずきん”はグリム兄弟がまとめた“グリム童話”だろう。
正式タイトルは“子どもと家庭のメルヒェン集”といい、初版第1巻を1812年に、第2巻を1815年に刊行。多くの言語に翻訳されたことで世界でもっとも知られる作品になったと言われている。
本アプリではオオカミの魔の手がおばあちゃんに迫る中、届け物と撃退するための斧を求め、いくつもの謎を解き明かしていく。
謎解きはわらしべ長者に似た展開で、入手したアイテムと動物たちの持つアイテムと交換。それを足がかりに次に進んでいくことが多い。
行動範囲もスタート地点から見渡せる4つの方面とおばあちゃん宅のみ。
調べられるポイントはもちろん、必要になる対のアイテムも紐付けしやすいだろう。
また、本作には車やアーケードゲーム筐体など、記憶にある“赤ずきん”とは異なる時代の産物が多いのだが、それらがしっかり謎解きに関わってくる。
とくにアーケードゲーム筐体は実際にプレイしてクリアーする必要があり、これが単純ながらも夢中になってしまう。
外で落書きをしていたはずのオオカミは童話の通りおばあちゃんのベッドへ。
その光景を目の当たりにしたとき、驚きつつも突っ込みたくなる事態が発生する。
子どもにも安心して託せるやさしい世界。機転を利かせてオオカミをギャフンと言わせてやろう!!
後日談を追体験するボーナスステージ
本作にはオオカミを撃退した後、ベッドで休んでいるおばあちゃんに8個のアイテムを届けるボーナスステージが登場。解いた謎はそのまま、クリアー後の世界を引き継ぐカタチでゲームが始まる。
集めるアイテムの数は多いが謎解き自体はシンプルで30分もかからず終わる程度。最後の演出に思わず笑ってしまったが、“それ”にどんな意味があったのかは謎のまま。
赤ずきんとおばあちゃん、オオカミのちょっと不思議な童話の世界を楽しんでほしい。
P.N.深津庵
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