【ノベルゲーム】【短編】Eternalのレビュー・評価情報まとめ

【新作】地球帰還まで30日!!その裏に隠された世界の謎を解く短編ノベル『Eternal』

投稿日 2020.02.08

約1時間で完結する少女と人工知能の旅路

史上最年少の17才で有人惑星探査を達成した宇宙飛行士のハル。

彼女を乗せた宇宙船アムリッタは人工知能テラによる制御のもと、第17植民惑星ロールドで秘匿指定されたサンプルを回収し地球に戻るための航行を開始する。

本記事で紹介する『Eternal』は、任務を終えたハルとそれをサポートするテラを中心に、地球への30日間に渡る帰路を描く短編ノベルゲーム。

ハルは任務に関するリポートを淡々とまとめる日々の中でとある違和感を覚える。

退屈な船内活動を一変させる思わぬ事態、その真相を解き明かそう。

平穏な船内活動をひっくり返す最悪のシナリオ

2102年3月12日、惑星ロールドで秘匿指定されたサンプルを回収した宇宙飛行士のハル。

2085年2月3日生まれ、17才の彼女はこの瞬間、史上最年少で天体に着陸した人類となる。

本作はサンプル回収後からスタート。帰路までの30日間、今回のミッションに関するレポートをまとめるハルと人工知能テラの会話を中心に展開する。

彼女の説明によれば1969年に人類が月に到達して以降、天体に着陸した人類の数は1万人程度であり、いまだ惑星へのテラフォーミングは実現できていない。

また、植民惑星と命名されている通り、ロールドには各国の領土、国境が決められ、その中で国々がロールドに存在する資源を採掘する権益を管理していることがわかる。

船内活動はハルが感じるようにプレイヤーも退屈。特に序盤は淡々として展開だが、こうした設定はとても読んでいておもしろい。

平穏がいちばん、無事かえることが最大も願いだが、船内活動を続けるハルが1つの違和感を覚えたことをきっかけに物語は急転。ちょっと退屈だったストーリーがいっきに動き出す。

地球に帰還するまで30日、ハルを待ち受ける最悪の事態に注目してもらいたい。

ハルの運命を決める3つのマルチエンディング

本作にはわずかだが選択肢があり、それによって3つのエンディングへと分岐していく。

それらをカバーするのに便利なのがマニュアルのセーブ機能だ。

ハルが宇宙飛行士になった最大の理由は死別した両親にある。

彼女が心に秘めた想いはくり返す夢の中で語られ、それが次第に大きな葛藤へと変化していく。

それと並行して発生する最悪の事態と対処法を決める選択肢。その1つ1つが物語を大きく左右するので、必ず事前にセーブをして進むべき道を選びたい。

これは余談だが、冒頭で彼女は現在の宇宙座標を33471.09643ポイントだと報告。

これを天球上の位置を示す“銀河座標”に置き換えるなら、2つの数値は銀偉と銀経に該当すると想うのだが、本作での正しい意味合いは不明のまま。どういった設定なのかとても気になる。

唯一わかっているのはロールドから地球まで30日ということ。

アポロ11号が約4日で月についたことと、有名な天体との距離を考えれば圧倒的に近い惑星か、宇宙船アムリッタがそれだけ高性能な宇宙船であり、ロールドもまたはるか遠くの惑星なのかも知れない。

なお、本作は2019年4月26日にWindows、Androidでリリースされたフリーゲーム。

その影響でユーザーインターフェイスがとても小さく、とくにiOS版ではセーブやロードなど画面下の項目が“アクセスガイドバー”に隠れて見えない。

どうしても邪魔だという場合は、iPhoneの設定→一般→アクセシビリティの順に進み、“アクセスガイド”をONにすることをオススメするぞ!!

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら