サプライズでファンムービーの最速試写会に!ヨコオタロウ氏、アオキタクト氏、藤本善也氏、前田翔悟氏による“『シノアリス』サービス終了記念座談会”リポート

2024-01-24 18:49 投稿

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SINoALICE(シノアリス)

『シノアリス』6年半の歴史に幕。しかしただでは終わらない?

2024年1月24日、“『シノアリス』サービス終了記念座談会”が東京・新宿バルト9にて行われた。

 
シノアリス0

イベントに参加した後のいま、振り返ってみると、“なぜ座談会の会場が映画館で行われるのか? 座談会に適した会場はいくらでもほかにあるではないか”という違和感に気づけなかったのが悔しい。

この会場選びにすでに布石が打たれていたこと、そこに本座談会の本質が隠れていたことに気づかず、イベント中にいい意味で「してやられた!」と感じた方も多かったのではないだろうか。

そんなサプライズ満載で贈られた本イベントの様子をお届けしていく。

ヨコオタロウ氏も登壇! 完結後の心持ちや墓の演出裏話も

会場には、抽選で選ばれた140人の『シノアリス』のユーザーが集まり、その周りには、多くの『シノアリス』スタッフが詰めかけ会場を見守る。ステージではポケラボのプロデューサー前田翔悟氏が司会進行を務め、スクウェア・エニックスのプロデューサー藤本善也氏、ILCAの映像ディレクター・アオキタクト氏、そして原作・クリエイティブディレクターのヨコオタロウ氏が登壇。

おなじみのエミールの頭を被り登場したヨコオ氏だったが、エミールのせいでマイクに声が通らず、「何言ってるかわからないから!」と登壇者たちからのクレームを受け、早々とエミールの頭だけを残しステージを降り、会場を沸かせてくれた。(以降は声の出演に)

2017年6月6日からサービスを開始した『シノアリス』は、今年2024年1月15日、惜しまれながら6年半の歴史に幕を閉じた人気作。そんな長篇大作を無事完結させたいまの気持ちについて前田氏が口火を切った。

まずは、本作でエンディングを迎えると“お墓に名が刻まれる”というSNSでも話題になった演出についての話題。

「お墓に入った人、手あげて〜!」という呼びかけに、会場のほとんどの人が手を挙げていた。

前田氏は「最終的には31800人くらいの方がお墓に入っていただいて、皆さん最後までプレイしていただき本当にありがとうございました」と感謝の意を述べ、「ヨコオさんがゲーム構想時に書き殴ったような、excelの内容をそのままやりました。お墓に名前が刻まれるというのはユーザーさんからは好評でメディアでも取り上げられててよかったです」と喜びの表情を見せた。

続けて話題はエンディングへ到達する裏技の話へ。本作でエンディングに到達するには、なかなかハードルが高い内容となっていたが、そのための救済措置として、最終章“ヨクボウ編”までスキップができる裏技が用意されていた。前田氏は「クリアするのが大変だったのでスキップ機能を入れました。ただ、最初から出してもなんか変じゃないですか」と語り、藤本氏は「一生懸命やってくださったお客様のヘイトを見たら、怖かったよ!」とコメント。

ちなみに、その場で裏技を使った人のアンケートをとったところ、スキップを使った人は会場にはほとんどいなかった。

『シノアリス』でやり残したこと、『シノアリス』として残るもの

藤本氏は『シノアリス』が終了したいまの心境が聞かれると、「終わったときの心境は非常に複雑なものがありましたね。やっと終わったっていう気持ちと、 終わっちゃったのかっていう気持ちと」と答え、コンサートの2回目ができなかったことへの後悔も語られた。

「6年サービスやっててやり残したことがあるならそれはもう一生できないよ!」とヨコオ氏に突っ込まれながら「あとはサーカスのテントを借りようとしたんだけど、現実的ではなかった」と実現できなかった企画の一部が語られた。

続いて前田氏にやり残したことに対する質問が投げかけられると「シノアリス婚! 全国をツアーで回った時に“シノアリス婚をしました”とか、“シノアリスで付き合いました”みたいな人がいてびっくりしたんですけど……僕は幸せを掴めませんでした」と答えた。その話に対しても、ヨコオ氏から「すごく腹立たしい!」と鋭い突っ込みが飛び、会場は笑いに包まれた。

アオキ氏は同じ質問に対し、「もうやり残したことなんか一つもない! 全然! なんだったら早く終わってほしいと思いながらやってた」と答え、オープニングを作ってる時期にヨコオ氏からエンディングの構想を聞かされたことを明らかにした。「ぜひエンディングも僕に作らせてください、そのエンディング作る時期が来るのを待ちますって返事したんですけど。1年か2年で来ると思うじゃないですか。まさかそこからから7年待つとは 」と心中を語り、この度念願のエンディングに辿り着けたことを喜んだ。

続いてアプリが『シノアリスだったナニカ』として残ることについての話題に。

ヨコオ氏は「ソーシャルゲームを長いあいだやってくれてくださったお客さまの中には、“課金が無意味だった”みたいな考えもあって。やったことの意味が形として残るのがいいんじゃないか、シアリスはどういう形がふさわしいのか考えました」と、ユーザーのゲームへの思いを残すために“お墓”に行きついたことを語った。

サービス終了記念として作られた“PV”が会場で流れるが……

『シノアリス』終了の裏話で盛り上がっていたところ、なんと今回“サービス終了記念PV”がアオキ氏らの手によって作られていたということが明らかとなった。

PVについてアオキ氏は「作れって言われたから作りましたけど。冷静に考えてみると、終了記念PVって何をプロモーションすんだよって。終わりましたよってこと?(笑)」とコメントしつつ、「ちょっとしたものなんですけど、もしよろしかったら、今から見ていただけたらと思っております」とかなり謙虚な姿勢でPVの紹介が行われた。

そして、その“ちょっとした”、“サービス終了記念PV”が会場で流れるのだが……。

気づいたらそのまま約1時間が経過していたのだ!

“ちょっとした”、“サービス終了記念PV”は、すでに発表でもあったとおり、2024年2月23日より上映予定のファンムービー『シノアリス 一番最後のモノガタリ』のことで、我々は完全に騙されていたのだ。

そう、本イベントは“『シノアリス』サービス終了記念座談会”

ではなく、

“ファンムービー完成披露試写会”であり、これが冒頭で呟いたイベントの本当の狙いだったのだ。

 
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本ファンムービーの内容についてはネタバレになってしまうため割愛させていただくが……。

60分ほどの尺ではあるが、『シノアリス』の世界観がギュッと凝縮されており、もちろんアリス、スノウホワイトなど『シノアリス』おなじみのキャラクターたちも登場。美しい3DCGとなって躍動する。

相変わらずのヨコオタロウワールド全開の内容となっていて、残酷で過激な描写、不気味すぎる登場キャラクターたち、胸を切り裂き、目を覆いたくなるような絶望感と一筋の希望の光を独自の感性で美しく描いた作品となっていた。

もちろんこれまで『シノアリス』をプレイしてきたプレイヤーには必ず刺さるであろうシーンが多々あるが、これを見たら未プレイの方でも『シノアリス』やっておけばよかった! と後悔すること間違いなし。そのくらい見応えのある内容となっていた。

これを見て『シノアリス』をやりたいと思ってもすでにサービス終了となってしまっているのが悔やまれるところだ。

ファンムービー上映後、アオキ氏は「すいません。騙し打ちでこんなにしちゃって」と謝りながらも、「やっと俺の『シノアリス』が終わった。皆さんは1週間前に終わってたと思いますが、俺は全然終わってなかったんです。やっとお披露目することができました」とようやく公開できたことへの感慨を語った。

タイミング的には当初はゲーム終了前の公開を予定していたものの、間に合わずこのタイミングになったことや、ファンムービーはインゲームと同じスタッフで作っていたため、ふだんの作業の合間にコツコツと内職するように作っていたことなどを明らかにし、長期の構想を経てようやくの完成であったことが明らかになった。まさに『シノアリス』の集大成にふさわしい内容であったのは違いない。

前田氏は映画に関して、この上映を通じて元ギルドメンバーなどでつながったファン同士の交流の場にしてほしい、との願いも語った。

なお本上映については、すでに前売りチケット販売開始となっており、あわせて新グッズやオリジナルドリンクの販売、マルイコラボの開催などが発表されている。

 
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▶ファンムービー「シノアリス 一番最後のモノガタリ」公式サイトはこちら
▶ファンムービー「シノアリス 一番最後のモノガタリ」予告編

イベントの最後にアオキ氏は「本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本日皆さんの周りの席にいる人たちは関係者で、『シノアリス』を作った人たちです。ここにいる4人だけで作ってるわけではなくて、1番拍手をしてほしいのはその人たちだと思っているので、最後に皆さん大きく拍手をしてくれませんか」とお願い。会場は割れんばかりの拍手が巻き起こり、本イベントは穏やかな雰囲気の中で終了した。

 
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最後にもビッグなサプライズも

じつは一般参加席には、大きな紙袋が各席に置かれていたのだが、なんとクリエイター陣の私物や、『シノアリス』グッズの詰め合わせが入っていたようだ。ファンムービーの台本や非売品のレアなグッズも入っていたようなので、手に入れた方はぜひ大事にしてほしい。

 
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さらに、本ファンムービーのサイン入りのチラシも来場者全員にプレゼント。本イベントに参加できた方は、きっと多くのサプライズに満足したことだろう。

サービス終了後もまだまだ盛り上がる『シノアリス』。イベントでは各人が「続編の制作はない」と断言していたが、『シノアリス』ムーブメントはもう少し続きそう。

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▲上映後は劇場外のポスターが一時的に『シノアリス』仕様に。

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▲イベント終了後には入場時にはなかったポスターの掲示も!

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▲来場者特典としてジノさん描き下ろし非売品チラシのプレゼントも。一般来場者に渡されたものは今回登壇した4名の直筆サイン入りの特別仕様に。

▶ファンムービー「シノアリス 一番最後のモノガタリ」公式サイトはこちら
▶ファンムービー「シノアリス 一番最後のモノガタリ」予告編

SINoALICE(シノアリス)

対応機種iOS/Android/ブラウザ
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG
メーカースクウェア・エニックス/ポケラボ
公式サイトhttp://sinoalice.jp/
公式Twitterhttps://twitter.com/sinoalice_jp
配信日配信終了
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