『アイドルマスター』アイドルたちのフィールドが『vα-liv』でさらに広がる!765プロダクションゼネラルマネージャー・波多野公士氏インタビュー
2023-02-15 19:00 投稿
『PROJECT IM@S 3.0 VISION』に至った経緯と最新コンテンツ『vα-liv(ヴイアライヴ)』を中心にインタビュー!
『アイドルマスター』シリーズでは、昨年12月26日より新たなステップとなる『PROJECT IM@S 3.0 VISION』が展開中だ。なぜこのタイミングでのステップアップだったのか、また、新プロジェクト『vα-liv』に関することなど、プロジェクトを統括する765プロダクションゼネラルマネージャーの波多野公士氏にインタビューを行った。
ーー再来年には2025年には20周年を迎える『アイドルマスター』ですが、このタイミングで『PROJECT IM@S 3.0 VISION』を発表した経緯をお伺いできますか?
波多野公士氏(以下、波多野):これについてはふたつ理由がありまして、まずひとつは時代性への対応ですね。昨今、言われて久しいですが、多様性が受け入れられる世の中になってきて、エンターテイメントに関しても本当に好きなものに対してダイレクトに繋がっていく時代になっていますよね。それを実現するために概念だったり価値観をアップデートしなきゃいけないと思ったんです。
もうひとつは技術的な面です。私たちはゲームを通してだったり、コロナ禍におけるオンライン配信のような機会を通して、技術検証を本当にたくさんやってノウハウを積み上げていきました。それによっていままでできなかったことができるようになってきたんですね。例えば、MRを使った形での配信ですね。
ーー少し前になりますが、2020年の”星井美希”の特別生配信も拝見させていただいて、あの瞬間は感動しました。直近では『アイドルマスター シャイニーカラーズ』のアイドル“大崎甜花”のゲーム実況『てーにんぐるーむ』も配信されました。“大崎甜花”以外の『アイドルマスター』要素を排しているにも関わらず、コンテンツとして成立していましたよね。
波多野:ありがとうございます。振り返ってみると、“星井美希”の生配信では当時としてはほとんど経験がないことをやっていたため、かなり大掛かりにやっていたんです。そのときに比べると、例えば稼働するスタッフの数であったりと事前の準備期間であったりとか、いろいろなものを圧縮しても問題なくできるようになりました。正しくコンテンツ供給できる体制が整いつつあるというところで、つぎのステップに進めようと思ったわけです。
ーーMRに関しては先ほど挙げた“星井美希”や“大崎甜花”だったり、『SideM』の『315パッションアワー!!!』など、さまざまなアイドルのモデルが登場していますよね。さらに、『765 MILLIONSTARS MRフェスティバル(仮称) 』の企画も進んでいるかと思います。また、先日発表された『アイドルマスター TOURS』のPVでは”島村卯月”の3Dモデルも見られました。MRに関しては全ブランドで展開していくイメージが見られますが、将来的には全アイドルのモデルが制作されるような構想はありますか?
波多野:例えばですけど、いまアニメーションの中でもモデルを作っていたり、あとは当然各ブランドが展開するゲームでいままで作ったモデルもありますよね。どのモデルといっしょに歩みを進めていくか、というところはカッチリと決める必要もないのかなと思っているんです。ある意味それぞれのモデルがブランドのカラーみたいなところもありますからね。さまざまな場面において、適切なモデルのアイドルを実在させるためにどうしたらいいかを逆算して考えながら進めていくつもりです。もちろん必要に応じてアイドルたちの姿は制作していくつもりです。ただ人数が人数だけに、ここで全員とは断言できませんが(笑)。
ーーいちばんの目玉だと思ったのは、やはりストリーミングプラットホームでの展開を予定している『vα-liv(ヴイアライヴ)』です。いわゆる、VTuber的な事業展開だと思いますが、これはどういった経緯で企画がスタートしたのでしょうか。
波多野:昨今のいわゆるライバーの市場の盛り上がりっていうところは、キャッチアップしていました。
ーー『アイドルマスター』の各ブランのアプリタイトルで大手のVTuberタレントさんともコラボされていましたよね。
波多野:はい。具体的な企画のフェーズに入ったのは、おそらく12月のカンファレンスの発表から半年前ぐらいだったと思います。
ーー半年ですか! けっこうスピーディーに進んだんですね。
波多野:ただ、この企画の大元はどこかっていうと、“DMM VR THEATER”で行われたライブ(『THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE』)の延長なんですよね。それこそ、先ほど挙げていただいた“星井美希”の特別生配信については元々計画されたものではなかったわけです。コロナ過となり2回目の“DMM VR THEATER”でのライブが彼女だけで中止になってしまって、なんとかフォローしたいとイレギュラー的に起きた企画だったんですね。その後もいろいろなMRを使った試みを行ってくる中でオリジナルのアイドルが生まれてくるっていうのは自然なことだったのかなと思います。
ーー既存のブランドのMR運用もお聞きしましたが、この『vα-liv』と他のアイドルたちがクロス展開するようなことはありますか?
波多野:そうですね、既存の『アイドルマスター』と『vα-liv』の関係値については、研修生制度のようなものになれば理想だなと思ってます。例えば、いま『アイドルマスター』には複数のブランドがあるわけですが、それに対して『vα-liv』の活動を通して、さまざまなアイドルを生んでいくような展開になれば熱いですよね。
ーーVTuber的な運用としては、いわゆるコンテンツのプロモーションという形も考えられます。例えば、先ほど挙げた“大崎甜花”の生配信のように『アイドルマスター』以外の自社コンテンツへのアプローチについてはどうでしょうか。
波多野:具体的な内容に関しては、いまのところはお話しできないんですが、これについてはやるつもりでいます。
ーー既存の他社のライバー事業を考えると、例えば『アイドルマスター』の公式チャンネルではなくてそれぞれの個人のチャンネル運用のようなことも考えられたりしていますか?
波多野:『vα-liv』の活躍の場はYouTubeとアソビステージ(バンダイナムコエンターテインメントのeコマース、アソビストアの配信プラットフォーム)を中心に構成していく予定です。その中でチャンネル運用の実態を考えていくと、おそらくその形に着地するんじゃないのかなっていう風には思っています。ただ、現段階ではハッキリと断言できないので、もう少しお待ちください。
ーーお話、ありがとうございました。
波多野:ありがとうございました。『PROJECT IM@S 3.0 VISION』については、今後も順次さまざまな発表が行われるかと思います。『vα-liv』についても、正式に発表する機会を準備しておりますので、続報にご期待ください。
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