『Ingress』新機能・ヘックスクエストとは!? これからの10年をプロデューサーら開発陣に聞いてきた

2022-12-15 20:00 投稿

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Ingress Prime(イングレス プライム)

横浜でブライアンらに直撃インタビュー

2022年12月10~11日、横浜を舞台にNianticの位置情報ゲーム『Ingress』を使った大規模リアルイベント・XMアノマリーとミッションディが開催された。

これに合わせて開発チームも来日するということで、プロデューサーであるブライアン・ローズ、エンジニアチームのマイケル・ロメロ、コミュニティーマネージャーのティア・ハイタワーの3人に、“これまでの10年とこれからの10年”というテーマで話しを聞くことができた。

さらに、みんながもっとも気にしている新機能”ヘックスクエスト”についても後半で触れているので、ぜひ最後までチェックしてもらいたい。

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▲左からブライアン、マイケル、ティア。真ん中にいるのは我らAGのマスコットになったトーストだ。

■XMアノマリー横浜リポート

全AGがヒーローになるための体験

――『Ingress』が10周年を迎えました。エージェント(以下、AG)たちにどんな想いを持っていますか?

ブライアン なによりも感謝を伝えたい。そしてこれから10年、20年、その先もいっしょに過ごせることを楽しみにしています。本来、ゲームが10年続くということ自体が難しいわけですが、それを成しえたのはほかでもないAGみなさんの支えがあってこそです。

マイケル AGたちのクリエイティビティや情熱。今回のXMアノマリー横浜を含め組織だってイベントに参加していただけること。そして、メディアのみなさんが我々の声を広く伝え続けてくれていることに感謝しています。

――この10年を振り返って印象的だったことは??

ブライアン コミコンというイベント会場に参加したときのことです。小さな女の子が駆け寄ってきて、私といっしょにいたメンバーに「パスワードはカサンドラだ」と囁いたんです。そこでデッドドロップを女の子に手渡すと、とても手を震わせながら再び『Ingress』のイベントに戻っていったんです。その後、そばにいた父親から彼女が『Ingress』、そして宝探しのような体験が大好きなんだと聞きました。おそらく、デッドドロップを手に入れた彼女はその日、陣営にとってヒーローになれたのだと思います。私は彼女が感じたような体験を、いまこうして『Ingress』をプレイしているAGのみなさんにも味わってもらいたい。それを実現するためにここまで歩んできました。

マイケル ブライアンよりいい話は難しいねっ。そうですね、私はコミュニティのみなさんが大好きで、今回のイベントも楽しみにしていました。私たちは日本語を話せませんが、それは大きな問題ではないと考えています。『Ingress』という共通言語、同じ陣営であれば仲間ですし、ミッションディやそれ以外の場であれば陣営の垣根を越えて楽しめますからね。

――日本のAGとはよくTwitterでも話をしていますよね?

ブライアン 日本のAGたちはもっとも情熱的でつながりの強さを感じています。たとえば、みなさんのBIOカードや頒布会で販売されるオリジナルのグッズもそうですし、Twitter上でも活発に『Ingress』の話題を取りあげてくれています。ときどき本当は『Ingress』って日本のゲームなんじゃないかと思うくらいです。先だって行われたロサンゼルスのXMアノマリーでは、日本のAGたちが“ぜひ横浜にも来てください”と呼びかけていたんです。そうやって積極的に盛り上げてくれてたおかげで、日本のXMアノマリーに参加することを決めた各国のAGも多いはずです。

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▲ブライアンとマイケルに直接会うのはこれが初めて。ブライアンから「Twitterよく見ているよ、AGたちを導いてくれてありがとう」とひと言。こちらこそ、運営を続けてくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。

『Ingress』とは3つの理念が集約された存在

――Nianticにとって『Ingress』とは?

ブライアン 『Ingress』とは原水であり、『ポケモンGO』や『ピクミン ブルーム』はその先にあるものです。これらに共通しているのがエクササイズ探索。そして現実世界での交流という3つの要素ですが、そのすべてが色濃く出ているのが『Ingress』だと思っています。技術面で言えば先日発表したLightshipを使ってローンチされた最初のタイトルが『Ingress』であり、さまざまな成果が他の開発チームにも活かされています。

マイケル 私はGoogleからスピンアウトする以前からNianticのプロジェクトに関わっています。『ポケモンGO』や『ピクミン ブルーム』、そして現在開発中のさまざまなタイトルにも共通しているのが、“みなさんが外の世界に出ていくきっかけ”を作り応援すること。その基盤を作ることができたのは『Ingress』が、そしてAGのみなさんあってこそだと感じています。たとえば『Ingress』のフラッカーと『ポケモンGO』のルアー、『ピクミン ブルーム』の花植えと世界中にあるXMなど、技術的なものの多くには共通点があります。また、これからローンチされるタイトルを含め、すべてのPOIを持っているのが『Ingress』でもあるんです。

ブライアン ポータルスキャンによって2Dだったマップを3DのARマップに換えていく試みも進んでいます。さきほどもお話した通り、AGのみなさんにはヒーローになってもらいたい。提供していただいたデータをベースにもっとおもしろい世界を提供していく、そういったサイクルを築いていけていると感じています。

――これから先の10年はどんな体験が?

ブライアン まずは今回のXMアノマリーシリーズのようなイベントを今後も続けていこうと考えています。そのためにも引き続き、みなさんとは近い存在でいたいとも思っています。そして、ポータルスキャンしていただいたものがまもなくLightshipのVPS(ビジュアルポジショニングシステム)にデータとして搭載。『Ingress』ではVPSのPOIを利用した新たな仕様を取り入れていく予定です。さらに、新規のエージェントを獲得していくための機能も検討中です。それをきっかけに次回のXMアノマリーや各種イベントに参加してもらえることを期待しています。

ティア ブライアンのいう通り、たくさんのイベントをやりたいと考えています。NL-1331のツアーやミッションディなど、弊社だけでなくAGが主催するものであっても変わらずサポートを続け、少しでもみなさんが外に出るきっかけに結び付くものをめざしていきます。

マイケル イベントがより円滑に進めていくための準備を進めています。また、2023年は最成長の年になると考えていますのでぜひご期待ください。

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▲マイケルは取材の中で“2023年の夏が楽しみだ”というコメントを残している。アフターパーティーでブライアンが言っていた来春という話とは別に何か大きなイベントが待っているのかもしれない。

新機能の実装と撤廃されるアイテムの行方

――新機能ヘックスクエストについて教えてください

ブライアン フィールドテスト“ヘキサスロン”から得られた研究結果をもとにHexQuest(ヘックスクエスト)という機能を搭載することが決まりました。

マイケル エンジニアとしては細かな仕様はお話できませんが、IQテックの技術として提供されるものだということ。現在、我々はとても楽しく開発を進めているとことなのでご期待ください。

【ヘックスクエストについて】

後日開発チームに伺ったところ、“ヘックスクエスト”とはヘキサスロンと似た考えだということ。指定された時間内に6つのタスク(例:指定時間内に8km歩くなど)を行うものになるいうヒントをもらうことができた。

――クァンタムカプセル撤廃の経緯を教えてください

ブライアン もともとはMUFGとのパートナーシップで生まれた銀行の預金口座をイメージした機能を持つアイテムでした。しかし、立ち返ってみると先述したエクササイズ、探索、交流という3つの要素にそぐわないものだと感じたのです。また、レアなアイテムを複数のアカウントで増やすエージェントが出てきてしまうことを我々は望んでいない。そしてもうひとつ、ビジネスの観点から見ると、全世界のAGが持つアイテムの利息分を計算するのに膨大なコストがかかっています。そういった面からも撤廃を計画し、みなさんにはキネティックカプセルの利用を推進したいと考えています。

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▲撤廃にも技術的な問題が多く時間がかかっていたが、まもなく実施する予定だとブライアン。突然消えてしまうようなことがないよう、日程が決まったら事前に教えてほしいとお願いしておいた。

このインタビュー中、メディアサイドから新規ユーザーを取り入れるつもりが本当にあるのか。そのための仕掛けがあまりにもなさすぎるという意見が出た。

これに対する彼らの回答は若干的外れというべきか、明るい未来を望むには難しいと感じる内容だった。

それでも新しいチャレンジを考えているのは事実。

2023年が最成長の年になると見込んでいるのであれば、少なくとも彼らなりに未来を見ているのだとは思う。

ぜひ、みんなも新規ユーザー開拓のためのヒントを彼らに投げかけてもらいたい。

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▲AGにとってはもはやおなじみ、トーストを連れて現れたティア。開発中の凡ミスから生まれたトーストがまさか商品化されるとは思いもしなかったね。

P.N.深津庵
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Ingress Prime(イングレス プライム)

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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メーカーナイアンティック
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