『ニノクロ』の開発・運営を影で支える存在“マーケティングチーム”にクローズアップ!ユーザーや市場の動向はどうチェックしてる?

2021-12-09 16:00 投稿

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二ノ国:CROSS WORLDS

縁の下の力持ち、マーケターにインタビュー!

2021年12月10日にハーフアニバーサリーを迎える『二ノ国:Cross Worlds』(以下、『ニノクロ』)。リリース前からゲーム愛好者という枠を越えて話題になり、そしていまも多くのファンから愛されるファンタジーRPGだ。

 
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こうした成功の背景には、開発チームの努力はもちろん、ユーザーや市場を分析し、開発チームにそのデータを伝えるマーケターの存在がいることも忘れてはならない。

そこで今回は『ニノクロ』マーケティングチームの村上氏(文中:村上)にインタビューを実施し、『ニノクロ』チームがどのように日本市場、そしてユーザーの動向をチェックしているのかに迫ってみた。

ユーザー目線で動向を分析

――『ニノクロ』はリリース後からTwitterトレンドランキングに乗るなど、従来のゲーマーというユーザー層を超えて多くの人に愛されている作品だと思います。リリース前からリリースに向けて、どのような施策を取ったのでしょうか? また、それぞれどのようなターゲット設定をされていたのか、差し支えない範囲でお教えください。

村上 リリース前においては『ニノクロ』の特徴である“壮大で幻想的な世界観”を表現することに注力しました。オンラインRPGというジャンルは日本では「ゲームプレイが難しそう」、「プレイヤー同士の戦いがあって殺伐としてそう」などのイメージがあるので、これらのネガティブイメージを喚起させないよう、世界観にとくに焦点を当てたPR戦略を立てていました。

――たしかに、とくにモバイルゲーム市場ではオンラインRPGに対してネガティブイメージを持っている人は一定数存在しますね。

村上 事前登録時に行った久石譲さんのTVCMでは、私たちの想いを感じ取っていただけるかと思います。クリエイティブをご覧いただくとご理解いただけると思いますが、このTVCMでは従来のオンラインRPGが持つイメージとは真逆の、優しく、壮大で、幻想的なイメージを感じられるかと思います。

村上 原作である二ノ国シリーズのイメージを踏襲しつつ、一貫してよくあるオンラインRPGではなく本格的なファンタジーRPGとして展開したことが、数々の反響を呼ぶ結果に繋がったと分析しています。

――これは失敗した、これは成功した、という施策がありましたらお教えください。

村上 成功した施策は、やはりTVCMですね。原作『二ノ国』で楽曲制作を務めた久石譲さんを起用したCMクリエイティブは、多くのゲームユーザーの心を掴み、事前登録初期における登録者数のスタートダッシュに大きく貢献しました。

――さきほど村上さんがおっしゃっていた通り、オンラインRPGは日本ではそこまで高い人気を得ているジャンルではありません。その上で『ニノクロ』でユーザーのつなぎとめを図るためにどのような施策を実施、もしくは計画されていますか?

村上 『ニノクロ』に関しては、オンラインRPG独自の楽しさを堅苦しい雰囲気ではなく、できるだけ優しく馴染みやすい雰囲気で発信することを意識しています。

『ニノクロ』はゲーム性もさることながら、間口を広げたマーケティングアプローチにより、オンラインRPGをプレイしたことがない方々にも楽しんで頂いている状態です。なので今後もより多くのユーザーの皆様に、仲間たちと楽しみ、喜んでもらえるような施策を展開していこうと思っています。

――ネットマーブル様が運営展開しているタイトルは、濃いゲーム性を持ちつつ女性からの支持も厚く得ているものが多いと感じます。これは何か意識をして、同ターゲット層にアプローチを行っている結果なのでしょうか?

村上 マーケティングのアプローチとして女性ユーザー様だけを特別視した取り組みはしていません。ネットマーブルは会社全体をあげて「面白いゲームで世界中を楽しませる」というミッションを掲げており、女性男性区切ることなく多くの方々に楽しい体験をお届けすることを重視しております。

『ニノクロ』については、事前登録期から一貫して「優しく、壮大で、幻想的な世界やキャラクターデザイン」を強調してきました。その点で、男性だけではなく、女性からも好印象を持っていただいたという部分はあると思います。

――ユーザーの動向・傾向を分析するにあたって、満足度など目に見えにくい部分を見ていく必要も出てくるかと思いますが、そういった点はどのようにチェックをしているのでしょうか?

村上 定量的な観点と定性的な観点を総合的にチェックしています。その中でも、カスタマーサポートへのお問い合わせ内容やSNS、公式フォーラムなどもチェックしています。

また上記に加え、事業・マーケティングそれぞれの担当全員がしっかりゲームをやり込み、プレイヤーとしての意見やサーバー内で行われている会話、そしてそこにある雰囲気も参考にしています。自分自身がプレイヤーでないと、目に見えない点が多々ありますので、自分たち自身もひとりプレイヤーとなってゲームをプレイし、楽しむことが重要です。

――予算や世相(コロナ禍)など、さまざまな問題をすべて無視できたとして、『ニノクロ』でやってみたい施策はありますか?

村上 やはり、オフラインイベントですね。非常にありがたいことに多くの皆様にプレイいただいているので、日頃の感謝を込めたお返しの場を用意したいです。

またオフラインイベントでは、仲間と共にプレイするというゲームジャンルの特性にも合致した、仲間同士の絆を繋ぐような催しも可能なので、コロナ禍が収束した際には、さまざまなオフライン施策の実施を希望しています。実際に実施するときには予算は考えなくてはいけませんが(笑)。

――現時点で、ユーザーは『ニノクロ』にどんなことを求めていると感じていますか?

村上 コンテンツの方向性については、開発や運営チームの意向もあるので言及は控えさせていただきますが、大きな枠組みでお伝えすると、快適さと公平さだと思います。ここで言う【快適さ】とは[よりストレスなくプレイができる]ことで、【公平さ】は[一部のプレイヤー層に偏らない]ことですね。

ユーザーの『ニノクロ』への向き合いかたはさまざまですが、この2点は共通していると感じています。

――ハーフアニバーサリーを迎え、これから1stアニバーサリーに向けて出発していくことになりますが、それを踏まえての今後の目標をお教えください。

村上 まず第一に、ユーザーの皆様の満足度を向上させることです。たとえば公式Twitterの運営などを通じて、ユーザーの皆様とのコミュニケーションを強化していきたいと考えています。第二に、今後予定している新しい施策において、タイトルの話題化&新規ユーザーの獲得を目標にしていきたいです。

マーケターが考えるインフルエンサーの重要性とは?

――ネットマーブルジャパン様は、日本のスマートフォンゲーム市場をどのように捉えていらっしゃいますか?

村上 日本のスマートフォンゲーム市場は世界的に見ても市場規模が大きいため、今後も注力していくべき市場であると考えています。しかし、国内外の企業との競争も激しく、プロダクトとしてもマーケティングとしてもハードな市場であるとも感じています。

――海外メーカーからは「難しい市場」という言葉をよく耳にしますが、国内に拠点を置くメーカーとしても難しさという部分は変わらないのですね。

村上 マーケティングそのものの難しさもありますが、私たちが感じる難しさは「日本のゲームユーザーは日本人独自の価値観や感性を持ち、そしてそれを大切にしている」という点を海外本社に理解してもらうことですね(笑)。

ネットマーブルジャパンとしては、これら日本市場の特徴を最大限に尊重しながら、業界をリードするゲームを数多く展開することができればと考えています。

――ネットマーブルジャパン様のマーケターはゲーム開発、ゲーム運営に、どのような形で関わりをもっていらっしゃるのかをお教えください。

村上 プロジェクトによる部分もありますが……。ほとんどのタイトルで、週次で運営チームと定例会を開き意見交換を行っています。そして、そこで話し合われた内容をベースに開発を含む関係各所と連携し、相談や要望などを伝えていますね。運営チームとは、ざっくばらんに日々の動向や近況などを話し合うぐらい近い距離感となっているので、フランクにいろいろな相談ができています。

――ネットマーブルジャパン様の運営スタイルは、理論やデータ重視のロジカルドリブンと、数値には出にくい感情を重視するハートドリブンのどちらになりますか?

村上 ゲーム運営に関して言えばロジカルドリブンになるかと思います。タイトル担当の各人がひとりのユーザーとしてしっかりゲームをプレイし、プレイヤーの思いを社内で共有しながらも、総合的にはロジカルに判断していく方針ではあります。

ただ、自分もプレイヤーなのでそこにある感情がどれだけ重要なのかというのもわかっています。なので、決してユーザーの心情を無視してデータ偏重にならないよう、ハートの部分も大切にしています。

――『ニノクロ』はグローバル展開もされているタイトルですが、このように世界市場を見据えて開発されたタイトルの戦略を組み立てる上で困難な部分はあると感じますか?

村上 もちろん、ございます。とくに困難な点は情報統制とスケジュールですね。

――情報統制というのは?

村上 世界同時リリースとなった場合、たとえば発信する情報の内容や公開タイミングに不平等がないように全ての国や地域で足並みを揃える必要があるのですが、これがなかなかの難題です。その国や地域特有の文化、習慣、ルールがありますし、時差も存在するので、発信する情報の調整や発信タイミングの調整は本当に難しいです。

ただ、他国の動向を同時にキャッチできるのは非常にいい参考になりますし、なにより刺激になりますね!

――マーケティングにおいて、海外に本社があるというゲーム会社ならではの考えかたや特徴がありましたら、お教え下さい。

村上 まず、意思決定から施策実施までのスピードが非常に早い点が特徴です。本社経営層からの指示やフィードバックがすぐに現場に共有され、全社的によりスピーディーに動く事ができています。

また、実施が決定した施策に関しては、とにかくベストを尽くそうとする前向きなマインドも特徴的ですね。モバイルゲームアプリは市場の変化が激しいので、スピード感を持った行動力を大事にしています。

こういった風潮なので、まずはベストに向けて動き、その後トライ&エラーを繰り返しながら完成させていくという挑戦的な取り組みを短期スパンで複数取り組めます。新しいことへの挑戦にもしっかりと耳を傾けてくれるので、挑戦が好きな人にはいい職場環境だと思います。

――認知度向上にも関わってくるゲーム実況を始めとするファンマーケティングについて、どのような考えをもっていらっしゃいますか? またゲーム実況者に求めていることがありましたらお教えください。

村上 個人的には、タイトルの爆発的な成功や継続的なタイトルの盛り上げには必要不可欠だと考えています。認知度向上の観点で言うと、例えば他社さんになりますが、昨年だとmiHoYoさんの『原神』、今年だとCygamesさんの『ウマ娘 プリティーダービー』が非常にいい例だと思います。

いずれのタイトルもローンチ直後からインフルエンサーの皆様が爆発的に反応したことで、ゲームユーザーのあいだで大きな話題を呼び、圧倒的な流行感が形成されていきました。

――たしかに、両タイトルはその風潮を強く感じた作品でした。

村上 話題性や流行感の創出は、広告出稿だけではなかなか作り出すことができません。そんな状況下なので、自然発生的にこれらのポイントを形成し、広く伝播するアンテナとなるインフルエンサーの存在はタイトルを成功に導くひとつの鍵になっていると考えています。

また、例として挙げた大ヒットタイトルの傾向を見ると、一過性の現象で留まらずに常に一定数以上のインフルエンサーが継続的にプレイしたり、自身のチャンネルで放送したりと、中長期に渡って活動しているのもポイントですね。

それが結果的にファンマーケティングのひとつとなってくれているので、理想を言うとファンマーケティングのためにインフルエンサーを起用するのではなく、インフルエンサーが各々主体的に活動した結果、それらがファンマーケティングに繋がっていくというストーリーがベストなのかなと思います。

なのでマーケティング的な観点で言えば、インフルエンサーが興味関心・愛着を持ちやすい環境作りや話題をシェアしやすい仕掛けをどう整備していくのかがポイントだと思っています。

――最後に、ユーザーにむけて一言メッセージをお願いします。

村上 ユーザーの皆様の支えがあり、『ニノクロ』は12月にハーフアニバーサリーを迎える事になりました。本当にありがとうございます。今後は1周年に向けて『ニノクロ』初となる大型企画も検討しておりますので、引き続きユーザーの皆様と共ににニノクロを盛り上げていけたらと思います。



現在ファミ通Appでは、アプリ市場分析サービス『AppApe』に協力をいただき、スマートフォンアプリ市場に注目した企画連載を実施中。毎週月曜更新で、先週のスマホゲーム市場のトレンドを振り返っています。

⇒企画連載はこちら!

二ノ国:CROSS WORLDS

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルMMORPG
メーカーネットマーブル
公式サイトhttps://2worlds.netmarble.com/ja
配信日配信中
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