半身を失いさまよう亡霊!! 有名な都市伝説の呪いを解く短編ホラー『テケテケ』 【Steamハック:第2回】
2021-01-27 19:10 投稿
Chilla’s Artが関わるコラボタイトル
古くより語り継がれてきた都市伝説のひとつに、不慮の事故で半身を失い命を落とした亡霊がさまよう話がある。
その奇妙な歩く音が名前の由来にもなっているのが、本記事で紹介する最新ホラーゲーム『テケテケ』だ。
本作はSteamのインディーズホラーを代表するChilla’s ArtとNyxTalesによるコラボタイトル。
待ちに待った新作の手応えはいかに!?
Steamホラーゲーム紹介企画第2回となる今回は、クリアー後の率直な感想を交えて紹介していく。
ゲームの見どころ
●異世界それとも!? 闇に落ちた男女の恐怖体験
●好奇心を奪うじれったい操作感と妥協点
異世界それとも!? 闇に落ちた男女の恐怖体験
テケテケに関する噂話に怯える彼と連絡が取れなくなって3日。心配になった彼女(主人公)は地下鉄に乗って家に向かうのだが、そのホームで飛び込み自殺の瞬間を目撃してしまう。
衝撃的な光景に意識を失った直後、車内で目覚める彼女。
現実か幻か、違和感を覚えながらも彼の家にたどり着くのだが……。
自宅の片隅で怯える彼はここが現実ではないと訴え、目の前の彼女に対して“テケテケ”かもしれないと錯乱状態。
“昔の恋人が連れ去りに来る”
そんな言葉を残して失踪した彼の祖父にも大きな理由があるようだ。
点在する“文献”にはテケテケの基礎情報から本作に関連するバックストーリーを知ることができる。
ゲームの進行になんら影響はないが必ず読んでおきたいポイントだ。
序盤、彼の家を探索するパートはさほど怖くもなく単調な展開だが、祖父の屋敷を舞台にした中盤以降はいっきにホラーテイストが増していく。
下半身を失いさまよう男性の亡霊は探知役。扇状の赤いサーチライトに振れるとテケテケを呼び寄せる。
宙に浮かぶ亡霊が上段、地を這うテケテケが下段。プレイヤーの視点を揺さぶる両者の存在はとてもよかった。
ただし、恐怖度の最大値を100とするなら本作は30程度、雰囲気はいいけど身の毛がよだつような体験はあまりない。
テケテケに追われるよりも、彼や祖父の家で遭遇した不意打ちに近い“アレら”のほうが驚いてしまった気もする。
謎解き要素も低難度、ホラーゲームの入門編だと考えれば満足できる内容だろう。
好奇心を奪うじれったい操作感と妥協点
最初にひとつ、本作は純粋なChilla’s Art作品ではない。
開発元はNyxTalesというパブリッシャーであり、ビジュアルこそChilla’s Artらしい世界観だがシステム面でいえばけっして良作とは言い難い内容だ。
拾えるアイテムにカーソルを合わせてEキーを入力。詳細画面に切り換わったあとIキー(インベントリ)で入手する。
さらに、手に持ちたいアイテムをインベントリから選び、それを使うときはEキーを使うといった統一性のない操作性は最後まで慣れなかった。
せめてキー配置をカスタマイズできればよかったのだがそれもできない。
そのため、“Steam Link”を使って操作する場合、キーボードを画面上に出すという苦肉の策を絞り出すことになってしまった。
また、セーブ機能がないだけでなく、チェックポイントもごくわずか。やるなら中断せずいっきにクリアーする覚悟が必要だ。
ちなみに本作はマルチエンディング。
彼を救い、テケテケの願いを叶えることができるのか。
呪いを解く儀式を成功させてトゥルーエンドを目指してほしい。
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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