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世界的ヒットメーカーが語るハイパーカジュアルアプリ開発の秘訣

2019-05-04 15:00 投稿

MadboxとKolibri Gamesが考える今後の業界

スマートフォンアプリを代表するジャンルのひとつとしてここ数年でいっきに浸透したハイパーカジュアルというワード。その中でも世界的なヒットを記録したMadboxの『Stickman Hook』やKolibri Gamesの『ざくざくキング:採掘王国』は、国内でも多くのユーザーに愛され、いまなお上位ランクをキープしている。

本記事ではヨーロッパから世界へと成功を成し遂げたデベロッパーであるMadboxのマキシム・デゥムール氏とKolibri Gamesのダニエル・スタムラー氏が考える大きな収益を生み出すチャンスを秘めたハイパーカジュアルアプリの魅力とヒット作を生み出す秘訣。さらに、類似品が乱立するハイパーカジュアルの現状をライターの深津庵が聞いてきた。

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▲左からMadboxのマキシム・デゥムール氏とKolibri Gamesのダニエル・スタムラー氏。

玩具に触れてるような手触りを感じるアプリ開発

――ハイパーカジュアルアプリの開発で心得ていることは?

マキシム・デゥムール氏(以下、マキシム) ゲームの根底にあるコアなプレイ要素ですね。例えるなら物理的な手触りであり玩具で遊んでいるような感覚を意識しています。

――ターゲット層はお子さんなど若い世代なのでしょうか?

ダニエル・スタムラー氏(以下、ダニエル) メインターゲットは男性で平均年齢は20才ぐらいを想定しています。

マキシム 我が社はすべてのユーザーをターゲットとしていますが、年齢層とすると13~25才を優先的に考えています。

――『ざくざくキング:採掘王国』はどのようなコンセプトから生まれたものですか?

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ダニエル 市場で話題になっている多くのゲームをプレイして、個々のおもしろい要素を組み合わせていこうと考えていました。その中から最終的に3タイトルのアイデアを取り入れ、『クラッシュ・オブ・クラン』のようにプレイヤーが1から構築していく要素を基軸にすることで開発が進んでいきました。

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▲子どもたちを中心にいまなお支持される『マインクラフト』について、1からモノを作り出す行為は人間の自然な考えに基づくもの。そうした仕掛けは今後も続いていくだろうとダニエル氏は語る。

――差し支えなければリリースからの収益を教えてください。

ダニエル 『ざくざくキング:採掘王国』は7000万ダウンロードを超えていまして少なくとも50億円以上ですね。

マキシム 我が社の場合は『Stickman Hook』に限らず多くのアプリを日々リリースしています。具体的な収益は開かせませんが、おかげさまで十分な成果を上げることができました。

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――世界で成功するためには何が必要だと考えていますか?

ダニエル 大切なことはプレイヤーの視点に立つこと。何が求められているのかをみなさんから得るフィードバックをもとに開発することです。それはリリースしてからも同じで、必要に応じてコンテンツを追加。さらに不明瞭な点は柔軟に改善をしていくことが重要です。

――ユーザーからの意見すべてに対応するのは困難です。その中からどう精査していくのでしょうか?

ダニエル 日々たくさんの声が届き、スタッフといっしょに確認しています。我が社の場合はユーザーとメッセージのやり取りをしたり、実際オフィスに招いて直接聞いたりもする。そこから大切なことをたくさん学び、開発のヒントとして反映しているのです。

――ハイパーカジュアルゲーム開発に興味を持つ若いクリエイターが増える一方、類似のものが多く個性が感じられないのも現状です。

マキシム コアなゲームプレイにフォーカスすることを大切にしてほしい。リテンションが高くないと成功は難しいし、そうなれば当然収益を上げることもできない。ひとつのゲームにこだわり続けるのではなく、1タイトルでも多くの作品をリリースしてその後もテストをくり返してください。そこから得るデータを見れば必ず収益につながってくはずです。

ダニエル マキシムの言う通りだね。完成度を高めるよりもできるだけ早くリリースすること。ユーザーの反応はリアルだし、そこにこそ成功の秘訣があるのです。

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▲今後もアップデートを続けて既存のゲームを大きくしていきたいとダニエル氏。マキシム氏は毎月10タイトル程度を開発中で、今月中にも新たなタイトルをリリースできるだろうとスピード重視の開発方針を明かしてくれた。

類似アプリを開発しないガイドライン

――ハイパーカジュアルゲームについて、コアゲーマーの中にはマイナスなイメージを抱く人も多い。そのひとつに先ほど挙げた類似品、いわゆる広告を大量にぶら下げたまったくゲームにならない作品が乱立している背景も影響している。おふたりはこの現状をどうお考えでしょうか?

ダニエル (黙ってマキシムにバトンタッチ)

マキシム 突き詰めていけばユーザーごとに求めているゲームが違う。ハイパーカジュアルというジャンルは、少しの時間でプレイが成立するゲームであり、そもそもコアゲーマーのプレイスタイルを想定していない。また、このジャンルについて類似品が多いことには同意です。我が社ではチームメンバーに他社のマネをしないようガイドラインを徹底させています。しかし、100%新しいコンセプトのハイパーカジュアルのゲームを作るのは困難。これはチャレンジだと考えていて、冒頭でお話した通り、物理的な手触りを大切にしながら新しいものを模索しています。

――先日Googleがクラウドゲームサービス“ステイディア”を発表しました。Steamを筆頭にコンソール機に依存しないゲーム市場が今後加速していくと思います。おふたりはこれらのサービスへの参入は考えているのでしょうか?

ダニエル いまはモバイルにフォーカスしていますが数年後、新しいクラウドプラットフォームが生まれるようであれば徐々に合わせていこうとは考えています。

マキシム Googleの参入はゲーム業界にとってとてもいい傾向です。『SnapChat』や『TikTok』もこの業界に参入してくると私は考えています。そこから生まれる新たなプラットフォームを追いながら、我が社も柔軟に対応していくでしょう。

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▲余談だか両氏とも好きなゲームは『クラッシュ・オブ・クラン』。さらに、マキシム氏は『ゼルダ』シリーズが大好きで、とくに『時のオカリナ』がお気に入りだと明かしてくれた。

Amplify Tokyo 2019で開発陣と交流

今回のインタビューが行われた当日の夜、AppLovin主催のAmplify Tokyo 2019に両氏が登壇。“MadboxとKolibri Gamesから学ぶヒットを生むゲーム開発”と題したパネルディスカッションが100名以上の開発者らを集めて開催された。

そこでは“いいゲームを作るコツ”“今後のカジュアルゲーム業界”といったテーマを中心に、インタビューで回答してもらった開発事情や収益を生み出すコツが語られた。

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▲個人開発者を中心に100名を超える関係者集まったイベント。少しでもノウハウを吸収しようと多くの参加者が熱心にメモを取っている光景が印象的だった。

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▲参加者から『モンスターストライク』が国内でのみヒットしている訳を聞かれ、それは開発者が日本のユーザーを前提に開発しているからだとマキシムが回答。さらに、それで成果を生み出しているのだからすばらしいことだと続けた。

今回のパネルディスカッションを企画したAppLovinは、今後もこうしたイベントを開催する予定。個人開発をしているが収益につながらず悩んでいる方はぜひ、次回の開催に期待してもらいたい!!

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▲パネルディスカッション終了後は、ダニエル氏とマキシム氏に直接話を聞くことができる交流会を実施。主催者が用意してくれていた通訳の方といっしょに気兼ねなく質問する光景が見られた。

P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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