【大塚角満のFLOプレイ日記 かど散歩】第10回:たつじん、逃亡す

2018-08-08 19:04 投稿

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ファンタジーライフ オンライン

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たつじん、逃亡す

『ファンタジーライフ オンライン』では、ライフの強さの目安として“ライセンスランク”というものがある。いわゆる“格付け”で、各ライフともに“みならい”から始まり、“かけだし”→“いっぱし”→“うできき”ときて、現時点では“たつじん”までが実装されている。落語家の、見習い→前座→二つ目→真打という階級や、大相撲の、序の口→序二段→三段目→幕下→十両→幕内という番付と同じようなもの。格が上がるごとに目に見えて強くなるし、自己顕示欲を満たすための格好の要素でもあるので、まずは皆、たつじんを目指して、修行に明け暮れていると思う。

かく言うワタクシめも順調にクエストを消化し、ランクが上がっていった。『ファンタジーライフ オンライン』にもスタミナ(神さまパワー)の要素があるので、行きたければ行きたいだけフィールドに……というわけにはいかないのだが、一度フィールドに出ると連続してミッションが発生するという遊び応え満点のシステムのおかげで、思っていたよりもずっと早く、レベルもランクも上がっていった印象だ。

プレイを始めて5日後には、最初に選んだ狩人のランクが“うできき”になった。現時点では、上から2番目の高ランクである。これ、どれくらいエラいのかというと、大相撲で言うところの大関、学校で言うところの教頭、会社で言うところの副社長、銀英伝で言うところの上級大将というポジションにあたる。要するに、ものすごくエラい。

そして前述の通り、一度フィールドに出るといい感じにミッションがつながって連続してモンスターと戦えるので、レベルもバンバンと上がっていった。

このとき、レベル32

パーテル大平原あたりでは、完全にカーストのトップ(イネムリさんは除く)。かの“わるものリーダー”も、俺に出会った瞬間に改心して仏門に入る……ってくらい、強さは際立っていた。

こうなると、打って出たいのはやはり“マルチクエスト”である。この強さをもってすれば、推奨レベルが40以上のものでもなんとかなる気がしてならない。ていうか、余裕でイケる気がした。

そこでさっそく、たっちーに連絡する。

 「ようよう、マルチいこうぜ! オメーもそこそこ強くなっただろ??」

この1日前にも俺たちはマルチクエストで遊んでいて、そのときは初心者のたっちーが俺の後を付いて歩くような立ち回りだった。

しかし、それからわずか1日しか経っていないのに、彼女の態度はガラリと変わっていた。ナゼか、猛烈に居丈高になっているのである。たっちーが「ふんっ」と、鼻から息を吐き出しながらほざいた。

 「ふん。貴様、我と対等のつもりか?」

あまりの変わり様に、度肝を抜かれる俺。「へ????」。そのあとの、SMSでのやり取り。

角満:なんだなんだ! いきなり上からやんけ!
たっちー:我と簡単にマルチできると思うなよ?
たっちー:愚民めが
角満:な、何が始まったんだ……?
たっちー:頭が高いで、一介の狩人よ
角満:!!?
たっちー我は……たつじんの王国兵士なるぞ!!!!

つまり……たっちーはいつの間にか俺をブチ抜き、王国兵士でたつじんの称号を得たということか!!

 「え!!? もうたつじんになったんか!!?」

驚く俺に、たっちーは再びブルジュ・ハリファのてっぺんから言葉を浴びせた。

 「ふっ。我はもう、貴様とは違うステージにおるのだ。気安く話しかけるでない!!」

もとより、ステータスというものに弱い俺。途端に「へへぇ~~~!!」と平身低頭になって、たつじん王国兵士に懇願した。

 「て、天上のたつじん兵士よ、お願いがございます。マルチの討伐クエスト“木の葉ではなく”に行きたいのですが、推奨Lvが33以上でして……。愚かなワタクシめのレベルは、まだ32。若干不安なため、どうかボディーガードについてきてくださいませんでしょうか……」

するとたっちー、親方声でエラそうに言う。

 「ふん。確かに貴様ごときには、手に余るクエストのようじゃな。たつじんともなるとヒマではないのだが、特別に同行してやるとしよう。ありがたく思えよ、一介の狩人よ」

俺、「へへぇ~~~!」と土下座をしながら確認した。

 「で、大丈夫なんですかね? クリアーのほうは……」

バカにされたと思ったのか、たつじん王国兵士が雷を落とす。

 「痴れ者が!!! 我はたつじんぞ!!! フクロウの1匹や2匹、物の数ではないわ!!!!!」

俺は安心し、たつじんのボディーガード付きで討伐クエスト“木の葉ではなく”に出発した。

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しかし。

flo10-2

 今度は俺が、大雷を落とした。

 「うおい!!!!! 余裕じゃなかったのかよ!!!! なんで俺より先に全滅してクエストから逃亡してんだよ!!! たつじんなんだろ!!!!」

するとたっちー、

 |;・`ω・)…………

↑こんな顔になって、信じられない言い訳を放つ。

 「さすがの天上人も……回復アイテムを持っていき忘れると、こんなものであったか……wwwww」

“『ファンタジーライフ オンライン』あるある”のひとつ、“回復アイテム補充し忘れ”をぶちかましたらしい。もう、泣くしかないわ。

 「俺のスタミナ返せこのやろおおおお!!!(泣)」

いかにランクが上がろうと、レベルが高かろうと、キチンと準備をしていかないと返り討ちに遭うことがある……。

それを実践して証明してくれた、たつじん王国兵士だった……。

おしまい。

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大塚角満

大塚角満(おおつか・かどまん)…… 週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モ ンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズな ど。ファミ通Appでは、“熱血パズドラ部!”を始めとするスマホゲームの執筆活動も行っている。

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ファンタジーライフ オンライン

対応機種iOS/Android
価格無料(アプリ内課金あり)
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ジャンルRPG
メーカーレベルファイブ
公式サイトhttp://www.fantasylife.jp/flo/
公式Twitterhttps://twitter.com/l5_fantasylife
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