『デスティニーチャイルド』ボイス収録現場へ無計画に突っ込んだファミ通App編集者の末路

ボイス収録現場への極秘潜入！

2017年11月XX日都内某所。

配信を間近に控えたステアーズの新作スマホアプリ『デスティニーチャイルド』のキャラクターボイス収録が行われているとの情報を入手した新人編集者のおこめちんは、ゲームキャラクターに魂を吹き込む現場とはどういったものなのか……という好奇心から極秘潜入を決意。

『デスティニーチャイルド』配信日が11/24に決定！ テレビCMやエリアジャックなどの大型プロモーションも実施

善は急げと先人の残した言葉が脳裏を過る。……そして気づいたら電車に揺られ、撮影現場と思しきビルの前へ。

──意を決して突入する。もちろん、無許可で。

何の変哲もないビルの一室にレコーディングスタジオは設けられていた。扉を開けて目の前に広がる光景は、ちょっと小洒落た喫茶店のよう。

あたりを見渡していると……。

“RECORDING”が光ってる！　もしや、すでに収録の最中なのでは？

関係者以外立ち入り禁止という立札はないが、そのオーラぷんぷんの扉を開けてみることにした。もちろん無許可で。

声優さん??と思しき人が、めっちゃええ声で「うぉりゃぁーー！」だとか、必殺技の名前っぽいのを叫んでいる最中であった。

発声法がしっかりしている人が出す声は、綺麗で聞きやすいなぁーなんてことを思っていると、めっちゃええ声を出す必殺技の名前らしきものを叫んでいた人が扉を開けて出てきた……！

どこかで聞いたことあるようなセリフなのは気のせい。

水戸黄門様の紋所よろしく、自身の身に着けている漆黒の鎧を高らかに指差す。

「LINEバイト……だとッ!?」

そう、この収録をしていたお方は、“『デスティニーチャイルド』ゲーム声優体験バイト”という企画で応募した人のひとり。オーディション形式で合否が問われ、見事採用されると実際にゲーム内で自身の声が使われるという夢のある企画！

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おこめちんは思った。

「俺もやりたい」

彼を動かすには、その短絡的かつ直情的な動機だけで十分であった。善は急げと先人の残した言葉が……。

しかし、束の間の幸せは不意に終わりを告げるというのが世の常なのか。

スタジオスタッフの怒鳴り声が聞こえてきた。空耳だと思いたいが、このボリュームは明らかに私自身に向けられた確かなもの。

（5秒）

この状況を解決するには……必至に思考を巡らせる。

韓国ドラマって幸せパートと不幸パート分かれてるもの多いですよね。

（4秒）

あーお昼ご飯に食べた家系ラーメン美味しかったなぁ。

（3秒）

あれ??昨日残した仕事終わらせてたっけ？

（2秒）

何も解決策は出てこない。

（1秒）

生を終える時に見えるという走馬灯の如く、さまざまなことが脳裏を駆け巡る。まだだ！　まだこの状況を打開する何かが…。

何かが…。あっちょっと…。

あっ…。

──Fin