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ゲーム運営専門会社が目指す“長く愛されるゲーム運営”とは? “ファンプレックス×DeNA Games Tokyo”トークイベントをリポート

2017-09-29 21:43 投稿

ゲーム開発会社ならぬ、運営会社とは?

2017年9月28日、六本木ヒルズグリー社内にて“ファンプレックス×DeNA Games Tokyoが描くゲーム運営の今と未来 ~お客さまに長く愛されるゲーム運営とは?~”と題されたパネルトークイベントが開催された。

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今回開催されたトークセッションは、運営型ゲームが増え続けている現状から生まれた新たな事業、ゲーム運営会社に関するもの。まだその存在を知らない人も多いと思うが、現在、ゲーム開発会社とはまた別に、運営のみを専門とする会社が存在し、その市場を大きくしているのだ。

ゲーム運営会社が市場を大きく広げている背景について、セッションの進行役を務めたソーシャルゲームインフォの木村英彦氏は、以下のようにコメント。

“新規開発のためにリソースを確保したい”、“収益の出ているうちにタイトルを売却して撤退したい”という開発会社サイドのニーズと、“一定の顧客や収益が保証されているタイトルの獲得”、“受託によって安定した収益が確保できる”という運営会社サイドが得られるメリットが見事に合致している。

つまり、Win-Win関係が自然と構築された形となり、ゲーム運営会社という事業が誕生し、その勢力を伸ばしているのだという。

そんなセッションに登壇したのはファンプレックスより、代表取締役社長の下村直仁氏と部長の佐藤洋祐氏、DeNA Games Tokyoより代表取締役社長の井口徹也氏と取締役の山口恭平氏の4名。

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▲ファンプレックス・佐藤洋佑氏(写真左)、代表取締役社長 下村直仁氏(写真右)
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▲DeNA Games Tokyo・代表取締役社長 井口徹也氏(写真左)、取締役 山口恭平氏(写真右)

なお、こちらの記事では、イベントで語られた各社の実績紹介を触りに、パネルトークの部分をまとめていく。

【講演のポイント】
●ゲーム運営会社とは? 各社の実績をチェック!
●ユーザーファーストはどのようにして達成するのか
●ゲーム運営会社が求める人材とは
●ゲーム運営会社には大きな可能性が

ゲーム運営会社とは? 各社の実績をチェック!

まずはセッションに登壇した各社がどのような経緯で生まれ、どのような実績を持っているのかが確認された。

DeNA Games Tokyoは、その名前からもわかる通り、DeNAを母体とするゲーム運営会社。

“あらゆるゲームの可能性を引き出し、最高のユーザー体験を実現する”というビジョンの元に運営事業を展開しており、その事業範囲はスマホゲームだけでなく、フィーチャーフォンのソーシャルゲームにも及ぶ。

『怪盗ロワイヤル』、『農園ホッコリーナ』、『戦魂』など、おもにDeNA製のタイトル運営を行っており、最終的にはDeNA製タイトルのすべてを運営することを目標にしているという。

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社の代表を務める井口氏は「粛々と運営を行うのではなく、どのようにしたらユーザーにおもしろいと思ってもらえるかを考え、ゲームが持つポテンシャルを引き出していくかが重要です」とコメント。

ユーザーファーストを達成するのは大前提として、そのための手段として、ゲームが持つ可能性を引き出すことを是としていることを語ってくれた。

登壇したもうひとつの企業、ファンプレックスは、グリーを母体とする事業者。

こちらは過去グリーにて長期運営を経験した者を中核に作られた企業で、長期運営に関するノウハウを有しており、それを活かしたビジネス展開を行っているという。

なお、取り扱っているタイトルはグリー製のものだけでなく、取り扱っているものの半数は外部製タイトル。現在運営しているタイトルの総合計は13にも及ぶという。

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こちらの社の代表を務める下村氏は、ゲーム運営という事業について以下のように語ってくれた。

現在のゲーム業界でのキャリアイメージは、新作タイトルの開発こそが花形と思われていますが、我々は運営というプロセスを通じて、お客様の未来を作っていくということに誇りを持っています。

運営型ゲームにおいて、ゲームそのものの質よりも運営の質によってその人気が増減することはよくあること。そういった観点からしてみると、ゲーム運営というのは、開発以上の花形職であるとも言えるだろう。

ユーザーファーストはどのようにして達成するのか

まず掲げられたお題は“ゲーム運営におけるユーザーファーストとは?”というもの。

そこでまず提示された話題は、“そもそも、両者にとってユーザーファーストとは?”というもの。運営という事業形態である以上、ユーザーファーストを掲げるのは前提とも言える条件。では、両社は何を以てユーザーファーストとしているのだろうか?

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井口氏は「僕らの定義するユーザーファーストというのは、ユーザーの皆様に期待をしてもらえるような運営をすることです。売上を積むというのも事業としては大事なことですが、そのタイトルの将来性、発展性をユーザーの皆様にも感じ取ってもらえるかどうかのほうが重要です」と自身の考えを述べた。

現在市場で幅を利かせているスマートフォンゲームのほとんどが基本無料であるがため、ユーザーの誰しもが、タイトルをちょっとつまみ食いして肌に合わなそうならつぎを探すという行為を行ったことがあるだろう。

「流行るゲームを遊びたい」、「流行っているものを遊びたい」。人と人との繋がりが重要な要素を占めるソーシャルゲームというジャンルにおいて、人はゲームを選ぶのに“それが流行りそうかどうか”というのを重要視するケースがある。

そして、その流行りそうかどうかという判断基準は、イコール“そのタイトルに将来性を感じられるかどうか”という点に帰結するだろう。

ユーザーはゲームに対して時間やお金といった資産を投資する。投資において将来性が重要なのは語るべくもないことだ。

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一方ファンプレックスの下村氏はユーザーファーストについて、以下のような持論を展開。

ユーザー目線で見たとき、いちばん悲しいのは自分が好きだったタイトルそのものがなくなること。それらが起こらないようにすること、そしてそれを想起させるような事象を引き起こさないことが重要です」(下村氏)

そうした考えを前提に“ユーザーが安心してワクワクできる環境を提供し続けること”こそがユーザーファーストだと語ってくれた。

運営型ゲームではとくにそうだが、人の流動というものがユーザーでも肌で感じられるものとなっている。そして“人と人とが繋がっているからこそ得られるおもしろさ”をベースとしているソーシャルゲームにおいては、ユーザーの流出というのはユーザーにとっても大きな不安要素にもなる。

自分が楽しんでいるコンテンツなのに、人の流出によって、その楽しさがどんどん薄れていってしまったら。そう考えるだけでも寂しいものがある。人によっては、それを感じ取った瞬間に、みずからその場から去ろうとするかもしれない。

下村氏はこういった不安を与えないように配慮することがユーザーファーストだと考えているのだろう。

また、佐藤氏はこれに対して「重要なことは、変化を続けることです。ワクワクし続けてもらえるような環境を作るには、時流によって起こる変化に合わせ、我々も正しく変化することなのです」と語る。

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つまり、時流によって変化するユーザーのニーズに合わせ、またはユーザーを飽きさせないように、つねに新しいものを提供し続けることこそがそのコンテンツを安定させ、“人がいなくなるかも”というユーザーの潜在的不安材料を解消する術になるという。

この意見にはほかの登壇者も同意しており「運営はつねに変化をし続けないといけない」という旨を、皆が各々の言葉で語ってくれた。

なお、各社はユーザーファーストでい続けるために、各社はユーザーを自社に招いて直接話を聞くユーザーインタビューを行ったり、自社の社員にもその意識を浸透させるために、さまざまな施策を取っていることも明らかにしてくれた。

ゲーム運営会社が求める人材とは

続いてのテーマは“運営のプロフェッショナルのキャリアとは?”というもの。ここでは、ゲーム運営会社で活躍できる人の条件や特徴などが語られた。

まず語られたのは、先にも少し触れた“ゲーム運営業界で活躍できる人の特徴”という話。これについてまず口を開いたのはファンプレックスの下村氏。

ゲームを好きでいることは大前提ですが、そのつぎに私たちが重要視しているのは誠実さです。私たちは、お客様にいいものを届けるという点において誠実でい続けることが求められます」と、その思いを述べてくれた。またそれ以上に自分自身に対しても誠実であってほしいと語る。

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どれだけおもしろいゲームがあって、どれだけ素晴らしい人脈を築けても、自分の成長、キャリアについても誠実であり続けないと、お客様が望む“新しいもの”を作り続けることは難しいという考えからの想いだそうだ。

ゲーム作りに限らず、物作りというのは過酷な現場だ。つねに新しいものを生み出していかなければならず、修羅場というのも頻繁に発生する。

こういった環境下で、自分に対してもお客様に対しても誠実であり続けられる心がない人には、修羅場で自分の背中を預けることはできないし、そういった人の背中もまた誰にも守ってもらえない。

仕事がチームプレイである以上、誠実さというのは非常に重要なポイントなのだろう。

では一方、DeNA Games Tokyoは、どのような人材がこの業界に適した人だと考えているのだろう?

私たちが重視しているのは、工夫が好きかどうかです」(山口氏)

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山口氏曰く、変化をし続けなければいけないという環境において、工夫というのは大事な要素。もちろん、工夫の中には失敗もあるだろうが、その失敗もバネにして、また新たに工夫をし続けられるポジティブさが重要だという。

これに関してはファンプレックスも同意しており、佐藤氏は「失敗を楽しめるという要素は大事ですね。ゲーム運営をするというのは、ふつうの事業体ではありえないほどの頻度、スピードでトライ&エラーが求められます」と同意を述べている。

この話を“トライ&エラーをしなければならない”と捉えるのか、“トライ&エラーを楽しめる”と捉えるのかが素養としての分かれ目になるのだろう。

ソーシャルゲーム運営は、膨大なデータを管轄する事業でもある。当然、何か施策を打ったことに対してのデータも収集されており、それがデジタルであるが故にその施策が成功であったか、失敗であったか、またその要因は何であったかがすぐに見えるようになっている。

そういった環境下であるからして、失敗を楽しめるというのは大事ということなのだろう。事実を受け止めるだけでなく、受け止めた上で先に進めるのかどうか。これは非常に重要な要素だと言える。

ゲーム運営会社には大きな可能性が

ゲーム運営会社という新たな事業形態が生まれ、ゲーム運営会社の市場は着々と拡大している。ユーザーというある種の矢面に立ち、なおかつユーザーにもっとも親身になって対応をする業種だ。

しかし、だからこそユーザーの喜びの声もいちばん近くで聞き取れる、やりがいのある仕事とも言える。

またこういった会社の存在は、開発会社にとってありがたいだけでなく、ユーザーにとってもメリットのあるものと考える。

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日本のゲーム開発会社の多くは、コンシューマーゲームをベースに発展してきた企業群だ。しかし近年では、スマートフォンゲーム市場にも進出しており、そこで運営のノウハウも十分に蓄積している。

しかし、ここがめまぐるしいスピードで変化し続ける市場である以上、そのノウハウもつねに最新のものを取り入れていかなければならないのだが、そのノウハウを手に入れるまでのコストは安くない。

そんな状況下で、ゲーム運営専門の会社が台頭してきてくれれば、開発、運営としっかりとした棲み分けができ、それぞれがそれぞれのノウハウ研鑽に集中できるようになり、コンテンツとサービスのクオリティがさらに上がっていく可能性があるだろう。

はたしてこうした未来が訪れるのかどうかは未知数だが、運営のプロフェッショナルという存在は、これから新たな市場を築き上げていくに違いない。これからもその動向には注目していきたい。

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