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『モバスト』、『キャンディークラッシュ』など外資系ゲーム企業の日本攻略法とは?【Next Marketing Summit】

2017-04-26 22:02 投稿

外資ならではのアプローチに迫る

Next Marketing Summit_バナー

2017年4月26日、東京のベルサール六本木にて開催された“Next Marketing Summit”。

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そこで行われたセッション“黒船襲来!外資系ゲーム会社が考える日本市場攻略の戦略とは”の様子を紹介する。

まずは、ウィキッズの西谷麗氏、King Japanの枝廣憲氏、MZ.Inc.のアルカナ萌永氏が登壇。モデレーターはAppLovinの坂本達夫氏が務めた。

登壇者1
▲左から、坂本氏、西谷氏。
登壇者2
▲同じく左から、枝廣氏、萌永氏。

まず坂本氏が「黒船=日本を蹂躙するわけではないですよ(笑)。黒船が日本にもたらしたものもあるので。そのあたりも加味していだければ」と笑いを誘いつつ、セッションが開始。

内容はおもに、King Japanの『キャンディークラッシュ』、MZ.Inc.の『Mobile Strike』を軸に進んだ。

マーケティングへの比重

萌永氏

MZ.Inc.の萌永氏は「『Mobile Strike』はバイラル(口コミ)が仕掛けにくいタイトル」とし、「だからこそ、マーケティングは非常に大事」と語る。

氏によれば、同社のデータアナリストは200人以上。実際のところ、100人以上がマーケティングに従事する企業は非常に稀だ。この数字からだけでも、同社がマーケティングにいかに比重を置いているかわかるエピソードとなった。

対して、『キャンディークラッシュ』を手掛けるKing Japanの枝廣氏は、「要員は、マーケティングだけではなく、さまざまな業務をクロスして行っている。従事しているのはだいたい3~4人。要員のことを考えれば、いろいろな経験をしてもらったほうがいい」と語る。

いずれもビッグタイトルかつ、データ分析の重要さは共通認識としてありながらも、その実行方法は異なっていることが浮き彫りとなった。

具体的なマーケティング手法は?

まず萌永氏は、「MZ.Inc.の集客は日本にかぎらず、全世界的にシームレスに行っている。集客したユーザーは8割がデジタル(ネット)、2割はテレビからの流入になります」と述べた。

およそ2年半前、デジタルからの集客が鈍化した時期があり、テレビCMに力を入れ始めたのだという。国ごとの投資金額は、アメリカが1位、日本が2位とのこと。

ここで、“テレビCMを買うには日本国籍の企業が必要”、“日本に会社がないとカスタマーサポートが満足にできない”といった、日本での子会社設立の重要性も話題に上った。

枝廣氏は「(宣伝には)3~5億円ほどかかるときもある」と具体的な数字を示しつつ、「ひとつのタイトルにどれだけ力を入れるのかの判断基準は、“思い込み系”と“理論系”のふたつ」と独自の考えを披露。

これによれば、“思い込み系”は“このゲームは売れる! みんが愛してくれる”と確信した場合、“理論系”は“事前の数字を見て徹底的に吟味”した場合とのこと。

これに対し萌永氏は「うちは完全に“理論系”ですね」と、分析に力を注ぐ企業ならではの答えを返した。

日本と外資のマーケティングはどこが違う?

まず萌永氏は「私たちは、マーケティング=投資として考えている。データの捉えかたそのものが違うのではないか」と指摘。

「もう少し(お金をかければ)よいデータが取れるというときもある。しかし、組織的な問題や、予算的な都合から、実施できないケースも多い」といった話も飛び出した。

これに対して登壇者たちは「外資系は、意志決定のロジックに説得力がある」という意見で一致を見せた。

外資にとっての代理店とは?

枝廣氏

「外資の代理店離れは始まりかけている」と萌永氏は切り出す。「代理店そのものの価値は変わらない。日本での展開時にはお世話になった」としつつも、「投資額が増えれば増えるほど、そのマージンを削りたい」との考えを示した。

対して枝廣氏は、萌永氏とはやや異なる視点から「代理店は必要」との考えを語る。

「メディアとの接点を持っているのは代理店。最新の情報をもらえるのは大事」、また「マーケティングチームは必要以上にサイズアップができない」ことを理由とし、「これらの対価としてフィーやコミッションは必要だ」と述べた。

しかし両者ともに、「実際のところ、(代理店が)どれくらい有能な要員をアサインしてくれるか」という点が非常に重要という考えは共通。要員によって、得られる成果が大きく異なる点にも言及した。

外資企業マーケッターの必要条件とは

続いて、モデレーターの坂本氏が「外資企業のマーケッターになるには、どういったスキルが必要か?」という問いを投げかけた。

これに対し枝廣氏は、「いちばん勘違いしてほしくないのは、英語はいらない、ということ」と断言。

「最終的には努力する必要はある」としつつも、「(応募の時点では)マーケティングスキルやエンジニアスキルに比べ、英語スキルの優先度は非常に低い」、「英語のできるできないを最大障壁としてほしくはない」と述べた。

また、日本のことを説明できても、海外との対比ができなければ意味はないとし、海外マーケットに精通していることも、条件として掲げた。

萌永氏は英語について、「必須ではないし、できない人は大勢いる」としつつも、「カントリーマネージャーになりたいなどの野心がある場合には必須」と語った。

同氏は、「何よりも、エキスパートであることを重視したい」と続ける。

「プロフェッショナリティに自信がなければ、海外では評価されない」とし、「チームの舵取りに従うことは大事。でも、それを乱してでも成功させようとする意志が必要」と述べた。

日本で勝つための戦略

萌永氏は「広告のローカライズとカルチャライズされたコミュニケーションにもっとも力を注いでいる」と発言。また、ターゲットは全世界を視野に入れているとのこと。

対して枝廣氏は「徹底ローカル、徹底ネイティブ」と切り出し、同社の『キャンディークラッシュ』を例に挙げ、日本ならではのイベントを盛り込むなど具体例を示した。

また、「ローカルな人間がグローバルな視点を入れる、変えられるところは徹底的にローカライズする」と、各国の市場に寄りそう姿勢を見せた。

今後、外資はどのような結果を残すのか?

本セッションでは、King Japan、MZ.Inc.ともに数字を非常に重視していることが強調されつつも、注力する箇所は両社ともに大きく異なることが明らかになった。

国内メーカーがユーザー間のスモールコミュニティを重視する傾向にある中で、より俯瞰的な視線と数字により、別ベクトルの戦略を示す外資メーカー。

スマホゲームの日本国内でのシェアがどのように変化していくのか、今後も注目していきたい。

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