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「映画『シン・ゴジラ』は本物を積み重ねて作った作品」 撮影秘話も語られたPSVR用スペシャルデモ体験会

2016-08-04 00:13 投稿

特別先行体験会に突撃!

2016年8月3日、”『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR”の特別先行体験会&記念トークショー”が行われた。

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このイベントは、その名の通り映画『シン・ゴジラ』を題材としたVR映像コンテンツの紹介と、その先行体験ができるというもの。

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▲会場には、歴代ゴジラのポスターがズラリ!
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▲また、『シン・ゴジラ』で登場するゴジラと同デザインの模型やグッズの展示もされていた

トークショーには、映画『シン・ゴジラ』で監督・特技監督を務めた樋口真嗣氏と、同作プロデューサー佐藤善宏氏が登壇。映画作品の撮影秘話なども披露してくれた。

樋口氏と佐藤氏は、登壇の際にそれぞれ

「僕はプレイステーションを初代から買っているくらいゲームが好きなのですが、ここ最近は忙しくなってゲームからはフェードアウトしてしまっていました。今回このオファーを受けたのは、ぜんぜん予約できないプレイステーションVRを、大人の力でゲットできないかという思惑からです(笑)」(樋口談)

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▲映画『シン・ゴジラ』監督・特技監督 樋口真嗣氏

「今日はここで映画『シン・ゴジラ』の制作中に起きたあることないことをしゃべろうと思ってきたのですが、まだ公開から1週間でネタバレをするとヒンシュクを買うかもしれないので、ちょっと気をつけて話をしていきます(笑)」(佐藤談)

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▲映画『シン・ゴジラ』プロデューサー 佐藤善宏氏

と、ショーが始まる前から笑いをとっていった。

また、その後の雑談の中でも「『シン・ゴジラ』見た人いる? あれ、見てない人も意外といるね」(佐藤)、「お前らは何しにきたんだ! VRか! そうか、そうだな!」(樋口)と度々会場の笑いを誘うトークをくり広げていた。

笑いに始まり、笑いに終わったトークショー

トークショーはおおむね与えられたテーマごとに行われた。トークテーマは、“キャスティング”、“撮影現場”、“ゴジラのデザイン”、“本作へのこだわり”、“公開後の反響”の5つ。

ここでは、各テーマごとに行われたトークをかいつまんで概略をお届けしていこう。

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【キャスティング】

キャスティングに関するトークは、ちょっとした身内ネタからスタート。

樋口 『シン・ゴジラ』の作中に御用学者という肩書きを持った人が3人出てくるんですけど、この人たち、じつは全員映画監督なんですよ。ほかにもいろいろな映画監督の方に出演していただいたんですが。

佐藤 そうなんですよ。気付いた人は少ないと思うんですけど。

樋口 でもね、これがたいへんで。3人の中だと原一男さん(代表作:『ゆきゆきて、神軍』ほか)が最後にセリフを言うんだけど、どうしても言葉に詰まっちゃう。最後で詰まると、また頭から撮り直しなんですよ。この御用学者を撮るシーンだけで、38テイクも撮ったんですよね(笑)。それで途中から、ほかのふたりもちょっと不機嫌になっちゃって。でも大先輩だから逆らえないっていう(笑)。

佐藤 映画監督は、映画を撮ることには慣れているけど、撮られるのはダメなんだなって。当たり前なんですけど、それが分かりましたね(笑)。

樋口 あのシーンを撮った後にみんなで飲みに行ったんだけど、それはもうディスりあいだったもの。

佐藤 あぁ、フィルム時代ではあり得ないくらいのリテイク数だって言い合ってましたね(笑)。

樋口 あとキャスティングで言うと、セリフの部分でプロのスゴさを実感しましたね。劇中のセリフは専門用語がいろいろ飛び交うし、感情の抑揚も少ないからかなりセリフが覚えにくかったらしいんです。でも、皆さんバッチリ覚えていて。

佐藤 皆さんほとんど一発オーケーでしたからね。

樋口 役者さんがなんであんなにセリフを覚えられるかっていうと、終わったシーンのセリフを忘れられるからなんです。一度全部忘れるから、また新しいセリフを覚えられるんですよ。

佐藤 逆にキャストの皆さんがセリフを忘れてしまったことで、一大事になったこともありましたね。

樋口 あった、あった。ある日、朝から晩まで撮影して、無事そのセットでの撮影が終了したんです。そうしたら(庵野秀明)総監督が、翌日になって「前のシーンの引き画が欲しい」って言い出して。

佐藤 ふつう引き画はいちばん最初に撮るんですけどね(笑)。

樋口 前日にそのセットでの撮影は終わりってなっていたものだから、キャストの皆さんもセリフを忘れているんですよ。それで後日撮り直すってなったときに、役者さんたちがみんな控え室にダッシュして台本を読み返すという。

佐藤 でも、そのあと庵野さんが「いいよ、音は録らないから」って言い出して、サーッと血の気が引くみたいな。そんなこともありましたね(笑)。

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そして、トークはニュースにもなった野村萬斎氏の話題へ。

司会 野村萬斎さんをゴジラのモーションアクターとして使ったことが公開日に明かされて話題になりましたが、そこに関する秘話はありますか?

樋口 CGに動きを付ける方法にはふた通りあって。ひとつはCGにアニメーションを付ける方法で、もうひとつはモーションキャプチャーを使う方法。今回はモーションキャプチャーを使ってみようかなと思ったんですが、そこで問題になったのが誰にお願いするかってことですね。

司会 どうして野村萬斎さんに白羽の矢が立ったのでしょうか?

樋口 日本で作るものなので、日本の感じを出したいというのはありました。あと、私が以前監督した『のぼうの城』という映画で(野村萬斎さんと)ごいっしょさせていただいてから、狂言だったり舞台だったりに招待していただく機会が何度かありまして。たまたま狂言を見に行ったら、これが意外とおもしろいんですよ!

佐藤 意外っていうのもアレな話ですけどね(笑)。

樋口 で、よくよく調べてみたら、狂言って、自然であったり霊的な存在であったりと掛け合いをする表現が多いんですよ。それで「人間でない自然的なものも表現できるのなら、ゴジラの動きも、野村萬斎さんにやってもらいたいな」って思って(笑)。

佐藤 ビックリですよ。いつの間にか野村さんと連絡を取っていたんですもの(笑)。

樋口 でも、快く受けていただいて嬉しかったですね。萬斎さんと電話で話をしたときに、「僕の小学生のころのあだ名はレッドキングだったので、ゴジラをうまくできるか分かりませんが」って冗談も飛ばしてくれたし(笑)。

【撮影現場】

トークテーマが、撮影現場についての話しに移っても、話題はまた野村萬斎氏に。

樋口 また野村萬斎さんの話ですけど、モーションキャプチャーをしているときに、ふと萬斎さんから「お面ありませんか?」って言われて。

司会 お面ですか?

樋口 そうそう。モーションキャプチャーをする上では必要ないんですが、お面があると、お面の先に自分の顔の意識を持っていきやすいみたいで。人間とゴジラだと顔の前面への出方が違うので、お面があるとそこを顔とした動きがしやすいみたいです。

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▲狂言師、野村萬斎氏によるモーションキャプチャーの様子(公式Twitterより)

佐藤 すごい発想ですよね! その後、尻尾の重さも動きで表現するために、尻尾も用意してほしいと言われたり。動きで表現するということに関して、本当に前向きにいろいろと考えてくださって。スゴかったです。

樋口 今回のゴジラは歴代最大級のサイズという以上に、尻尾が特徴的に長いというところもあったので、そこまで意識してくださったんですよ。

佐藤 ただ、そこまで尽力してくれたのに発表は最後になっちゃいましたね(笑)。

樋口 モーションキャプチャーという特質上、誰よりも早くクランクインして、誰よりも早くオールアップしたのにね(笑)。でも、萬斎さんのお陰で、ゴジラは日本っぽいゴジラになりました。日本の伝統芸能をゴジラに組み込めたと言いますか。萬斎さんは、日本でいちばん魔物に近い本物でした。

その後撮影現場の話は、監督、プロデューサーそれぞれの視点での話へと移行。

佐藤 今回の撮影は、プロデューサー視点で見ると、かなりたいへんでした。

司会 そんなにたいへんだったんですか?

佐藤 本来ならば、手厚く出迎えなければならない大御所の方々を、ちゃんとおもてなしできないほどの規模でしたからね。

樋口 でも、みなさん理解があるプロの役者さんたちでありがたかったですね。

佐藤 とりあえず長机の前に座って、適当に待っていてくださいみたいな現場でしたからね(笑)。あの大人数を集めるのは、二度とやりたくないなと(笑)。皆さんのスケジュールを合わせるのもたいへんでしたし(笑)。あと庵野総監督から、撮り直しや別アングルから撮りたいなどのオーダーも結構ありまして……。

樋口 アニメだと簡単ですけどね。

佐藤 自分は「違う画を撮るのかなぁ」と思っていたら、「ちょっと2センチ違う!」(庵野総監督)とかでしたね。

司会 監督としては、今作はいかがでしたか?

樋口 やっぱり、役者さんって見られる仕事じゃないですか? だから、見落とされることに神経質になるんですよね。

司会 なるほど。

樋口 だから「さっきのシーン、私の(演技)どうでしたか?」って聞かれたりするんですけど、一画面に何十人も映っているから、その人だけを見てるなんてことはできないんです……。でも、「いやぁ、見てなかったです」なんて言えないじゃないですか(笑)。

司会 それは絶対に言えませんね。

樋口 だから、大人数であることはすごくたいへんでした。本来ならば、カメラと1対1で向き合って十二分にお芝居ができる方たちですから。なんか申し訳なさもあってね。

佐藤 あと現場で「セリフを早くしゃべれないと、自分の出演シーンが使われなくなる」という変な噂が流れたこともありましたね。

樋口 あったねぇ! 撮影中だからカットもへったくれもないんだけど(笑)。

佐藤 ただ、この噂が流れていることは撮影上都合がよかったので、噂のまま濁して進めてましたよね(笑)。

樋口 映画を観た人は分かってくれると思うのですが、まぁあれはそういうことです。

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【ゴジラのデザイン】

司会 今作のゴジラは、全長118.5メートルというシリーズ最大のサイズとなっていましたが、これに関する秘話などはありますか?

佐藤 ゴジラのデザインについては、守っていただかないといけない○箇条というものがありまして。庵野さんはそれを守りつつ、「「人がゴジラの中に入って演技するようなデザインをやめましょう」という提案をしてくださったんですよ。

樋口 初代のゴジラに近づけたかったんです。初代以降のゴジラは、徐々に怪獣と戦うためのデザインに変わっていってしまったんですね。

司会 どういうことでしょうか?

樋口 戦うための形にするには、殴ったり取っ組み合いをするために、ある意味人間的なフォルムに近づけなければならないんですよ。でも、初代のゴジラはただ東京をめちゃくちゃにするための存在だったので、フォルムが平成シリーズとはけっこう違うんです。

佐藤 そうですね。目の作りや腕の太さ、長さを見るとよく分かりますね。

樋口 今回の映画を観た人から「なんであんなに腕が小さいの?」とよく言われますけど。「だって、一作目のゴジラがそうなんだもん」としか言えません。あと一作目では、二足歩行の恐竜が核実験の影響で怪獣になりましたが、二足歩行だと腕は小さくなるんですよ。それと腕が大きくなってしまうと、着ぐるみに入っている人間っぽく見えてしまうので、それを避けたかったんです。

佐藤 平成ゴジラシリーズは、どこか人間的なかわいらしさがちょっと残っていたりするのですが、今回はそこを忘れて、ある恐怖の象徴のデザインとして、初代ゴジラを意識した形になりますね。

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【本作のこだわり】

樋口 やっぱり、本物。ゴジラ以外は、基本的に本物が存在するものしか出していないし表現していません。たとえば、自衛隊が攻撃するときに実際には「撃てー!」なんて言いません。そういったところをちゃんと調べて、嘘にならないように、本物を積み重ねて作りました

司会 映画としての演出で「本物らしければいいや」というある種の曖昧さを省いたんですね。

樋口 佐藤さんの伝手を使って、総理官邸の見学もさせてもらいましたし。

佐藤 「これは映画として用意できません」、「これはまったく嘘のものを用意することになります」となると、庵野さんはそれを「それじゃいらないや」とシーンごとカットするんです。それくらい強いこだわりが基本ベースにあったので、とにかく頑張りました。

司会 官邸の中まで入ったというのはスゴイですね。

佐藤 3回行きましたね。ただ、中の写真撮影はNGだったので、美術チームが廊下の幅を歩測したり、扉の厚みを鞄の幅で計ったりして、セットを本物に近づける努力をしました。

樋口 ただこれで唯一残念なこともあって。

司会 どういうことでしょう?

樋口 作中の官邸がほぼほぼ本物だと気付ける人は、官邸の中に入ったことのある人だけなんですよ。つまり、ほとんどの人はそれが本物に近しい物なのか分からない(笑)。

佐藤 でも、官邸の地下にある危機管理センターは、やっぱり見せてもらえませんでしたけどね。

樋口 それに関しては、有明に官邸地下にある危機管理センターとほぼ同じものがあると聞いたので、有明の危機管理センターで撮影をさせてもらいました。

司会 すごいですね!

樋口 ただ、地震とかの有事があったら、30分以内に全機材を撤収させないといけないという条件がありまして。30分以内に撤収する練習とかたくさんしました。

佐藤 幸いなにも起きなくてよかったですね。

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【公開後の反響】

樋口 あの作品は、見終わったら語りたい映画になっているらしいんですよ。最近映画を観た知り合いから「話したいから飲もう!」ってよく電話をもらいます。で、会ったら飲みもせずに「あそこはこうだった」とか語ってくるんですけど……。僕は作ってる側だからそんなの知ってるし、もう何十回も見てるし(笑)。

佐藤 僕が感じるのは、我々がロケハンをしたり、調べものをしたりした努力を、皆さんもわかってくださっている点ですね。

樋口 あぁ、そこはそうだね。

佐藤 我々がそういった頑張りをしていたときと同じ熱量が、いま皆さんの側にあるのかなって感じます。

樋口 わかる。だから、見る側にいたかったなって思うこともあるよね。

佐藤 我々の精神性がちゃんと伝わったのはうれしいですよね。

樋口氏も唸るPSVRコンテンツ

トークショー後には、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の秋山賢成氏が登壇。今回のメインであるPSVRを使ったコンテンツに話は移った。

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▲PSVR『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツに携わった、SIE 秋山賢成氏

秋山氏によると、今回PSVRで『シン・ゴジラ』のスペシャルデモコンテンツを作った経緯には、過去、東宝の方にPSVRを体験してもらう機会があったからだという。

これに関して佐藤氏は「正直、僕はPSVRの登場を脅威と感じています。映画は作り手が“これを見てほしい”と画面を作るが、VRは視聴者が見たいところを見れる作りです。これによってお互いに相乗効果は得られると思いますが、ライバル的な立ち位置にもなると思っています」と語る。

PSVRを初めとする、VRが持つポテンシャルを映画業界人として冷静に捉え、評価しつつも、新しいライバルの出現に畏敬の念を感じているようだった。

また、樋口氏も画面の作りかたや、”見せる”のか、それとも”見る”のかという違いについては佐藤氏に同調しつつも「映画を撮る設計図のようなものを作る際に、いつもはバーチャルカメラというものを使用しているんですが、VRを応用すればもっと簡単にいいものが作れるかもしれない」と、技術そのものへの関心を示していた。

ひと通りVRに関しての感想を言い合ったところで、樋口氏が実際にSIE作の『シン・ゴジラ』デモコンテンツを試聴する流れに。

樋口氏は体験に際して「これ、実況中継とかしたら、これからみんなが体験するもののネタバレになっちゃうよね」と述べ、体験中はそのネタバレを気にしてか「おー!」、「うわ、すげぇ!」と感嘆の声をひたすら漏らすにとどまっていた。

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今回のデモコンテンツに関して、各人は最後に以下のようにコメントしている。

秋山氏「映画で使っているCGをそのまま使っているので、ディティールはスゴイです! ぜひ圧倒されてください」

佐藤氏「今回はデモということなので短い映像作品になっていましたが、ぜひその続きを見たくなるほどのクオリティでした。VRで体験できるゴジラは、コンテンツの新しいスタートだと感じられる。ゴジラもPSVRも、それぞれに新しい時代を生み出せていけたらと思っています」

樋口氏「とにかく、すごい迫力の体験でした。ありがとうございます。じつは前にもPSVRを体験させてもらったことがあったのですが、そのときよりも格段に進歩していて、装着時のジャマ臭さがすごく低減されていました。PSVR、欲しいです(笑)」

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PSVRで楽しめる『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツは、PSVRのリリースと同時に無料配信予定。間近に迫るゴジラを見て、思わず声が出てしまうほどの迫力が感じられる作品となっているので、PSVRを手に入れた人にはぜひ体験してもらいたいコンテンツだ。

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