VR体験をみんなで共有!同じVR空間上に複数人が同時接続できる新サービス”オメガシップ”とは?

2016-06-27 21:24 投稿

最大10人のマルチプレイでVR体験

長年VR研究を収めてきたソリッドレイ研究所が、新たなVR製品“オメガシップ”を発表した。

“オメガシップ”は、「複数人でVR空間を共有する」というコンセプトをもとに研究・開発されたもの。

これまで、VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の体験は個人のもので、その体験がバーチャル空間として共有されることはなかった。“オメガシップ”は、それを打破する技術となる。

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VR HMDが主流になる以前のVRは、巨大なスクリーンに投影された特殊な映像を、ヘッドトラッキング機能が付いた専用のグラスで見ることにより体験するものだった。しかし、これではグラスをかけているひとりの焦点に合わせて映像を動かしていくため、複数人で体験の共有はできない。

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そこで、ソリッドレイ研究所はVR HMDを使った体験共有に関する研究開発プロジェクト“オメガスペース”を1998年より始めたという。しかし、当時のVR HMDにはデメリットが多く、開発は難しいものだったという。

ちなみに、“オメガシップ”は、この“オメガスペース”をベースに作られたもの。歴史ある研究の成果なのだ。

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製品としての“オメガシップ”は、デスク&チェア、PC(パソコン)、VR HMD、ナビゲーター用PC、サーバー用PCが1セット。BtoB向けのものとして、1セット330万円でリリースされる。

この製品仕様に関して、ソリッドレイ研究所の代表取締役を務める神部勝之氏は「VR HMDを使用していると、視覚と聴覚が塞がれで危険な場合もある。それを打開しつつ複数人で体験を共有するために研究を重ねた」と語る。

■神部勝之氏

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▼神部氏に訊く!VRの歴史って?
30年もVRビジネスに携わってきたプロに、VRの歴史や現状を分かりやすく教えてもらった

オメガシップのために独自開発されたデスク&チェアは、動き回って移動することにより起こるリスクを低減させるためのもの。

机がU型になっているのは、座っているときはもちろん、立っていても体験者の身体のどこかが机にぶつかるようにするため。

VR HMDを装着していると、映像に合せて身体を左右に大きく動かしてしまいがちだ。だがこのデスクならば、自分の身体が机とぶつかることで、”これ以上は動いたら危ない”といったアラート代わりになる。

■デスク&チェア

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またナビゲーター用PCは、バーチャル空間内における体験者のサポートを行うためのものであるという。

バーチャル空間に参加している人をすべてモニタリングし、それぞれがどのように動いているのかを個人視点、または俯瞰視点で見られるような機能を持つとのこと。

今回の発表会で披露されたデモでは、3人の体験者が入っているバーチャル空間を俯瞰している映像が映し出されていた。

■ナビゲーター用PCイメージ

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▲デモ時に映し出されたナビゲーターPCの映像。白いアバターのようなものがプレイヤーである。

本製品は6月27日よりリリース予定。アミューズメント向けの使用はもちろん、昨今VRに力を注いでいる建築系などに向けては、危険な場所での作業訓練用にとアピールをして展開していくという。

なお、本製品は現状で最大10人での同時体験が可能とのことだが、最終的には100人規模での体験もできるようにしていきたいとのこと。

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▲発表会では、簡単なゲームを用いた共有体験のデモプレイが行われた

これにより、エンターテイメント色を強く押し出していたVR技術が、娯楽ではなく、社会有用性を前面に出して展開することになる。VR技術そのものの社会貢献についても今後は注目していきたい。

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