『テラバトル』はなんでゲーム動画共有システム”Kamcord”を採用したの?
2015-06-18 19:20 投稿
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動画撮影機能の実装、Kamcordを選んだ理由とは?
最近、何かとゲーム実況動画が流行っているが、アプリによっては、そのまま動画を撮影、シェアができる機能を実装しているものがある。『テラバトル』はその代表格で、Kamcord(カムコード)というゲーム動画共有システムのSDK(ソフトウェア開発キット)を実装している。
数あるSDKの中でなぜKamcordが選ばれたのか? 『テラバトル』開発陣の坂口博信氏、大野浩司氏、中村拓人氏の3人に直撃した。
ちなみにKamcordにはDeNAやKlabのほか、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが出資をしている。
―― そもそも、Kamcordさんの動画撮影機能実装のきっかけは何なんでしょう?
大野 『テラバトル』は、協力プレイが実装されるまでは、ほかのユーザーさんとの繋がりというのがなかったのです。フレンド機能も実装されていませんし。なので、そこに動画共有機能を入れることで少しでも、繋がりができたらいいなと思い、導入を決めました。ほかのプレイヤーのプレイ動画を見るだけでも、双方向ではありませんが、コミュニケーションは発生すると思いますし、それがきっかけでコミュニティーができたらいいなと。
―― もともとKamcordにご興味はあったんですか?
大野 知人から紹介をしていただいて「いいな」と思うようになりました。そこからいろいろ検討した結果、実装することになったという感じですね。
―― 動画撮影機能を入れるとなると、Kamcord以外にも選択肢も見えたと思うのですが、どういった理由で決めたんでしょうか?
大野 Kamcordは、とにかく動作が軽いんですよ。それに、紹介を受けたときに導入が1日で終わって楽だと聞いていたので、決めた感じですね。
坂口 でも、実際には1日では終わらなかったよね(笑)。
中村 実際はちょっとSDKにバグがあってですね(笑)。導入に1週間くらいかかってしまったんですよ。まぁ、それでもたった1週間で導入が終わったというのは大きいですよ。僕は途中から開発に参加した人間で、このKamcord導入が最初のミッションだったんですけど……。
まだコードも見させてもらってない状態から1週間で導入ですからね。いま考えると相当無茶ぶりですよ(笑)。
坂口 でも、ちゃんとできたじゃん(笑)。
―― お察しします(笑)。では、そのバグがなく、中村さんが最初から開発に携わってコードをしっかり把握していたら、作業は1日で終わっていたという感じですか?
大野 実際にはUIを作る作業もあり、そこはどうしても時間がかかるものなので、そこまで含めて1日というのは難しいと思います。ただ、仮になんでもいいのでボタンを作って、とりあえず動かすという段階までなら1日でいけると思います。
―― なるほど。では、動作が軽いという触れ込みに関してはいかがでしたか?
中村 録画をしながらプレイをしていてもとくに負荷を感じませんでしたし、負荷を計測しても、ほぼないという状態だったので、かなり軽いと思います。
―― そうですね。全然遅延とか起こりませんものね。
動画撮影機能に対する、ユーザーのリアクションは?
―― 現状、動画機能はユーザーたちにどういった使われかたをしていると感じていらっしゃいますか?
大野 やっぱり、他人のプレイを見るという使いかたが大半を占めているようですね。ただ、いまは目的の動画を見ようとしても探しにくい状態なので、検索機能を拡充できるかどうかKamcordさんに要望を出している状態です。
―― そうなんですね。
大野 アプリからKamcordのサイトに移ったときに、ユーザーさんたちが見たい動画を簡単に見つける事ができていないので、検索などのシステムを強化していただきたいという要望を出しています。
対応していただけたら、こちらもすぐにその機能を反映させて、たとえばバトル開始画面に、「このクエストの攻略動画を見る」といったボタンを出したりとかしたいですね。
――いいですね。では、どちらかというと攻略寄りに利用されている、という感じでしょうか?
大野 そうですね。あるポイントで行き詰まった人たちには、ほかのユーザーさんが攻略した動画を見て、それを参考に攻略し先に進んでもっと楽しんでいただきたいというのがこちらの狙いでもあるので。
―― やはり攻略という部分においては動画が強い感じですよね。
大野 そうですね。言葉ではそんな簡単に表現できないところも、見れば一発でわかるというのは非常に大きいです。
―― 今までに投稿された動画を見ていて「こんなシーンを撮るのか」と関心されたり驚かれたことはありましたか?
大野 関心したということではなく、すごく個人的なんですけど……。ちょっと発見しにくいバグとかを撮影してアップロードしてくれたりする人がいるんですよ。それにはすごく助けられています(笑)。
坂口 バグ投稿って意外とあるよね(笑)。
大野 時間があるときにパパッと動画を見ていると「こんなバグがあったのか!」っていう発見があって、そこで慌てて対応したりしています(笑)。バグ投稿してくれる方たちは、すごくいいお客様で、感謝しています(笑)。
まさかの得ダネ!! 新機能の実装が明らかに
―― 動画機能を実際に実装した中村さんは、動画撮影機能に関してどういった感想をお持ちですか?
中村 僕自身が最初に動画機能を入れたのはいいんですけど、撮影した動画をゲーム内のシークエンスで見ることができなくて、動画撮影とゲームとが分離しちゃっていると感じました。なので、あとから「もっとうまく使えていたらな」と思うことはありました。ただ、そこで考えたのが……。
あれ、これ言っていいのかな?(笑)
坂口 いいんじゃない? 大丈夫だよ。
中村 じゃあ言っちゃいますね。今度、その動画撮影機能をうまく使うための企画として、ウィークリーチャレンジというものを実装するんですよ。このウィークリーチャレンジとは、毎週出されるお題に合わせてプレイをし、その結果をランキングで競い合うというものです。お題は、たとえば「この章のここを何分以内にクリアーせよ」みたいなものを想定しています。このタイムアタックのような形式だと、クリアータイムでランキングが出るといった感じです。
で、このウィークリーチャレンジでは録画機能と密接に関係しているのが特徴で、トップランカーの人たちが動画を投稿してくれたら、ランキングからその人のプレイ動画が視聴できるようになっているんです。うまい人のプレイって、見たくなるじゃないですか? それがランキングと紐付くことで、ようやくゲーム内でうまいことゲームと動画というふたつのコンテンツが繋がってくれると考えています。
―― 確かにどんなミニゲームでも、自分が出したスコアより2桁3桁とか多いランカーのプレイって気になりますもんね。でも、ただランキングを作るだけですか? なにか順位報酬みたいなのはないんでしょうか?
中村 そこは想定されるとおり、○位以内に入ったら報酬というシステムを動かしていく予定です。
―― タイムアタックによる順位のほかに、ユーザーが選ぶ1位とかもあったら、もっと面白くなりそうですね!
中村 それいいですね。視聴数1位とかは欲しいかも。
坂口 プレイスタイルが美しい人には賞を、とかね(笑)。
中村 サッカーなんかの今週のベストゴールみたいな感じで、今週のベストプレイっていうのでフィーチャーしてみるのもいいかもしれませんね。そこでそんなダメージを叩きだすか、みたいな動画でね。
―― ネタ系に走る人は絶対にいますから、絶対盛り上がりますよ。
坂口 そういう人は絶対出てくるね、Dランクのみでの縛りプレイに挑戦するとか(笑)
大野 でも、まじめ話縛りプレイでのお題というのは考えていますよ。ウィークリーチャレンジが始まってすぐはふつうのタイムアタックでもいいけれど、そのうちただのくり返しなってしまいますから。どこかのタイミングで、何かしらの縛りを入れるべきだと考えています。
―― ウィークリーということは、このチャレンジは毎週開かれるんですよね?
中村 はい、毎週行います。今のところは火曜日更新で考えているので、更新前の日曜日、月曜日は追いつき追い越せのアツイ展開になっていてほしいですね。
―― 締め切り前は駆け込み需要でかなりアツくなりそう。
中村 まぁ、ランキングに入れなくても、規定のタイム内でクリアーできた人にはアイテムを配布するようにと考えていますので、ただ参加してお題をクリアーするだけでもメリットのあるものになると思います。なので、ぜひともみなさんには楽しんで挑戦していただきたいですね。
―― たとえば、協力プレイでのチャレンジというのは考えていらっしゃらないんですか?
中村 現状ではないですね。これは完全にシングルの要素です。
坂口 これから対戦とかも入ってきますからね。まずは既存のステージでできる、シングルのみでの実装です。
―― これが実装されたら、立派なひとつのモードとして機能しそうですよね。
中村 最初からタイムアタックという要素があっての発想ではなく、「動画機能を活かすためには」というのを考えから出た要素なので、きっと動画要素としても楽しんでいただけると思います。Kamcordを実装してから生まれた案ですから。
―― でも、誰も動画を投稿しなかったら、ただのランキングになってしまいませんか?
中村 撮影した動画をアップするとタイム縮小のボーナスが入るという、とにかく大きなメリットがあるんですよ(笑)。
大野 いっぱいアップしてほしいなっていうのがあるので、こういった形にしてみました(笑)。
坂口 なにそれ、俺知らないんだけど(笑)。それいいのか? タイムアタックイベントで時間縮小って(笑)。
中村 まぁまぁ(笑)。なるべくアップしてほしいなと。
坂口 でも、それで動画をアップせずに1位取ったら逆にすごいね。
大野 スゴイですけど、たぶん難しいんじゃないかと思います。お互い、みんなの動画を見ながら動きを突き詰めてくると思いますし、それに加えて時間縮小のボーナスが入るので。ランキングという要素を入れると不正をしてくる人が現れると思うので、その防止策としても、この動画撮影機能が働いてくれるのではと期待しています。
今後の『テラバトル』、待望される対戦機能は……?
―― 今後、この動画機能を使ってこういったことが出来たらいいなぁというお考えはありますか?
中村 うーん……。そうですね……。今回このウィークリーチャレンジを実装しますけど、これをリリースしてみて反応を見てからというところがあるので、まだ何とも言えない感じです。ただ、ウィークリーチャレンジでランキングという要素が入ることによって、スゴイ動画というのが、これからドンドン出てくると思うんですよね。
でも、このウィークリーチャレンジの場合は、週が更新されると動画がはけていってしまい、スゴイ動画が生まれても残っていかないんですよね。なので、それをまたもう一回検索できるようになったらいいかなぁと感じています。
―― 大野さんはいかがですか?
大野 そうですね。さっきも言いましたけど、もうちょっとゲームと密接に、というか、要所要所でその場に応じた動画がすぐ見られるようになってほしいですね。せっかく組み込んだ機能なので、もっと活かしていきたいです。
中村 あとはコミュニティーですよね。なんか、今後の更新で動画に付いたコメントが見られるようになったりもするそうなので、そのコメントもアプリ内から参照できるようになったらいいなぁと。そういう機能があれば、とりあえず動画を見るだけ見るというところで完結してしまっているコミュニティーが繋がってくるかなぁと。
ランカーをフォローできたりするのもいいなあ。
―― それいいですね。更新されるたびにお知らせがくるとか。ところで、次のアップデートで更新されることを教えてもらうことってできますか?
坂口 基本的に、あちこち更新されるような感じですね(笑)。
―― もうちょっと具体的に……!
坂口 順当にシナリオが増えたりだとか、デイリーチャレンジを実装したりだとか。まぁそんな感じかな。ウィークリーチャレンジがいちばん大きなアップデートかな。
―― やっぱり、新章が始まって盛り上がってきてますよね。
坂口 ありますか?
―― ありますよ(笑)。
中村 DNA再構築が入って、新章が始まったことでふたたび遊び始めてくれた人もかなりいるようです。
坂口 ふたたびキャラクターを育てられるようになって、新しいストーリーが楽しめるようになったっていうのは、やっぱり大きいよね。
―― 対戦はいつ実装なのかという話題はつねにユーザーから聞こえてきているとは思いますが、その辺はいかがでしょう?
大野 本当にもう少しですね。
中村 システムはもう完成していて、いまは細かい調整をしている段階です。
―― その調整がすごく難しそうなのですが……。
中村 うーん、そうですね……。何なら言えるのかすら分からない状態ですけど、順調に進んでいることだけは確かです。
大野 あとは、トラブルが起きないようにするだけ。
中村 だいたい大きいシステムを入れたあとはトラブルがつきものですから。
――だいたいどれくらいの時期に実装、という目処は立っているのでしょうか?
坂口 今年の夏までには、というのを目指している感じかな。あれ、そういえば対戦にもKamcordを組み込んでいこうって感じなの?
中村 それは、今ちょっと悩んでいるところです。あったら面白いとは思うですが、対戦は相手がいて、勝敗という敏感なところにも触れるものなので、勝手に撮ってアップっていうのは……。
坂口 だったら、ニコ生中に「チャレンジしてこいよ」って言って、それを録画するっていう形にしたほうがいいかもね。
中村 そういうのだったら全然ありですね。あとは、そこをシステム的にどう組むか。
―― おぉ、対戦も動画もこれから大きな盛り上がりの中心になってきそうですね! 本日はお話ありがとうございました!
中村 あ、最後に! ユーザーさんからの「動画を使ったこういう機能が欲しい」というアイデアを募集したいです。実況したい人ならではの要望なんかもあるでしょうし、ユーザーさんならではのアイデアもあると思うので、ぜひ参考にさせていただければと!
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テラバトル
- ジャンル
- RPG
- メーカー
- ミストウォーカーコーポレーション
- 配信日
- 配信中
- 価格
- 無料(アプリ内課金あり)
- コピーライト
- (C)MISTWALKER
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