6月配信と噂のKLabの注目作『かぶりん!』開発者に直撃してきた

2014-06-10 14:00 投稿

待たせてくれたな!

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KLabから配信予定のアクションRPG『かぶりん!』。たしか配信予定は春だったような……と思って公式ページを見てみると、配信遅れのお詫びとともにiOS版6月リリースの文字を発見。現在細かい仕様などを調整中ということで忙しいのは百も承知の上で、配信直前のプロデューサー長谷川 健(はせがわ たける)氏にインタビューを実施。

従来のKLabタイトルとはちがった雰囲気を持つ『かぶりん!』が生まれた秘密を語ってくれたぞ。

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ひとまず動画で見ておくれ!

インタビューに入る前に、『かぶりん!』がどんなゲームなのかご存知でない方も多いはず。そこで今回は、本作のPRムービーを用意してみた。かわいらしい”かぶりん”たちの魅力にノックアウトされることなかれ!

※画面は開発中のものになります。

若手と聞いて来たのですが……

▲KLab株式会社 スタジオ5 エグゼクティブプロデューサー・長谷川健氏。

――若手プロデューサーと伺ってきたのですが、もしかして入社1年目とかですか!?

長谷川 いやいや、そんなことないですよ(笑)。まわりとくらべると少しは若いかもしれませんけど。

 

――えっ!(笑) ちなみに何年目ですか?

長谷川 KLabには新卒で入って今年で4年目ですね。

 

――それでもお若いですね。ゲーム製作は今回が初めてすか?

長谷川 いえ、ブラウザゲームには関わっていました。入ってすぐに『キャプテン翼~つくろうドリームチーム~』のチームで立ち上げ、運営に関わって、つぎに『幽☆遊☆白書』のチームでmobage版、mixi版の『幽☆遊☆白書~100%中100%バトル~』の立ち上げ、運営、そのあとにいまのネイティブの新企画という形です。

 

――思った以上にしっかりしたキャリアだったんですね。では運営面に関しては自信アリって感じですか?

長谷川 いえ……、やっぱりブラウザゲームとは違うので緊張しています。

 

――なるほど。では今回『かぶりん!』を作ることになったきっかけを教えていただけますか?

長谷川 1年ほど前に新しいプロジェクトチームを作る話が社内であがったんです。ふつうのアプリではなく、より実験的な、一風変わったゲームを目指したプロジェクトです。そのプロジェクトチームは、「企画メンバー、開発、制作など各セクションの壁を超えて、意欲ある人間を公募して集める」というものでした。

 

――ほうほう。それは熱い話ですね。

長谷川 そのお話が何故か僕のところにきて、「長谷川がリーダーやってみない?」というところからスタートしました。

 

――えー! それはすごいですね。

長谷川 そういった経緯もあったので、初期メンバーを決める際の書類選考や面談もやらせていただきました。

 

――いきなりリーダーでスタートするっていうのはなかなかヘビーじゃなかったですか?

長谷川 チーム結成時にも、チーム内で「リーダーがいないと締まらないよね」という話にはなりました。ちょうど僕も『幽☆遊☆白書~100%中100%バトル~』が落ち着いていたので、この機会にリーダーをやることに決めました。

 

――「選考する」っていうのも、新卒4年目の人間にはかなり荷が重いタスクだと思います。メンバーはどんな年齢層なんですか?

長谷川 ほとんど私よりも年上です。そもそも社内の私より若いメンバーって、入社したばかりの新卒の人間とかになっちゃうんですよ。

 

――ああ、プロジェクト立ち上げの目的がネイティブアプリを作ることですもんね。

長谷川 少ない人数でトリッキーなものをということだったんで、実装力があったり、企画発想力があったりする人間を選んだつもりです。

 

――結成時は何人くらいですか?

長谷川 最初は6人でしたね。コアな部分を作るのをまずは5~6人でやってみようと思いました。

 

――いまは増えているんですか?

長谷川 いまは3、4倍くらいになっていますね。作るものが決まったので、エンジニアリングやグラフィックなどをお手伝いしてくれる人を増やしました。

あのキャラクターを生み出したのは誰!?

――『かぶりん!』のアイデアの根本を出したのは長谷川さんなんですか?

長谷川 この企画に関してはみんなで考えようというスタンスで始めたので、ひとりでどうこうというものではないですね。スタート時のメンバーでは、「いまのスマートフォンゲームのマーケットでは何が新しいんだろう?」というところから話し始めましたからね。4月にプロジェクトのメンバーが集ってから2ヶ月くらいは企画出しやそういう話し合いが続きました。

 

――ヒットするゲームってどんなゲームなんですか?(笑)

長谷川 そこに関しては正直わからなかったですね(笑)。結論は出ませんでした。ですが、「いいものならヒットする」という状況でもなくなってきているのかなとは思います。実際、いろんな会社のいろんな人が“いいもの”を作っていると思うんですが、なかなか成果が出ていないものもあるので、正解を見出すのは難しいですね。

 

――たしかに。そんなに単純ではなくなってきていますよね。話し合いの時間がかなり多かったようですが、年上のメンバーとの接し方は難しくなかったですか?

長谷川 「ぶっちゃけて話し合いましょうよ!」という雰囲気をいちばん最初に作ったので、あんまり気を使うとかいう感じにはなりませんでしたね。

 

――あ、そうだったんですね。ではゲームについてお聞きしたいんですが、『かぶりん!』のキャラクターって、かわいいけどちょっと変わっていますよね。どこから生まれてきたんですか?

長谷川 最初は人間モチーフだったり、「ネコにすればとりあえず売れるんじゃないか?」とかっていう意見が出たりとか錯綜・迷走状態でしたね。ただ、いくら話し合っても埒が明かない状態だったので、実際に作ってみてそれで決めることにしました。デザイナーやメンバーに言って何10個も案を出してもらい、そのなかから選んだのが“かぶりん”のデザインだったんです。ある程度固まるまでのデザインは相当ひどかったですけどね(笑)。

 

――ゲームの仕組みとキャラとどっちが先行だったんですか?

長谷川 同時くらいだったかな。「こんなゲームどうかな?」っていうことと「キャラどれにする?」を同じころに話していたと思います。

  
  
  
▲これが初期のアイデア出しのときに提出されたイラストの数々。最初の方、レベル低すぎじゃないか?(笑)

 

――真ん中あたりから徐々にいまの“かぶりん”に近くなってきますね。

長谷川 紙袋が登場するくらいから雰囲気出てきたんですよ。「これ(紙袋のキャラ)作りやすいよね。コラボとかもしやすいかも」なんて話ながらやってました。

 

――でも、核となるアイデアが決まっていない状態で話し合いを進めるのって難しくなかったですか? まとまりにくいというか、落としどころを決めにくいというか。

長谷川 企画をする際に”新しいものを”という軸がまずあって、それプラス片手で遊べる縦持ちの新しいアクションゲームというところまでは何となく決まっていたんですよ。そこからたとえば「パズルはもうある。アレもある、コレもある」といろいろ消していって最終的に投げるアクションに落ち着きました。

 

――奥行きのある見えづらは新しいですよね。

長谷川 使っている絵自体はペラペラの2Dなんですけど、それを3D空間上に置いているというちょっと変わった作りかたをしています。ゲーム自体もそうなんですけど、作る部分もいままでのKLabにはない新しいやり方をしています。

 

――たとえばどんな部分でしょうか?

長谷川 『かぶりん!』はUnityを使って作ったんですが、KLabとしてフルUnityは初めての試みなんです。大きなチームでコストのかかることをやるのは大変ですけど、僕らのような実験的な少数のチームだからこそ、そうした新しい試みを率先してやっていこうという意気込みもあります。ちなみにサウンド組み込みのソフトも、アニメーションを作るツールもKLabとしては初めて使うものばかりです。

▲こちらが『かぶりん!』のバトル中の画面。2Dイラストでありながら、奥行きのあるデザインが特徴的。

 

――おお、それはすごいですね。

長谷川 本当に小さいチームだからできたことですね。

 

――予算管理とかそういった諸々の作業をやられるのは大変じゃないですか? 同期でそういったことを体験している人はいないですよね?

長谷川 プロデューサーを経験した同期はいるようですけど、やっぱりまだ少ないですね。

 

――プレッシャーはどうでした?

長谷川 最初のころはなかったですね。むしろプロジェクトが進みだしてからのほうが出てきました。見たことのない遊び方を受け入れてもらえるのかというところは、少なからずあります。

 

――試作版を遊んだ限りでは、”かなりいい”と思いました。そこからかなり作り込まれているようですけど、仕様の変わった部分などはありますか?

長谷川 社内・社外問わずいろんな方にテストプレイをしていただいて、「難しい」と言われるような部分に関しては多少変更したところもあります。ただ、やさしくしすぎてもよくないと思うので、そのへんのバランスをどう決断するかというところに関しては迷いましたね。でも、その点については正解がないので、いまの判断を信じるしかないですね。

自由の名のもとにギリギリなネタも多数(笑)

――ジョブの変更で主人公が女性になっちゃうのには驚いたんですが、あれはどういうことなのでしょうか(笑)。

長谷川 自由、ですね(笑)。完全に性別変わっちゃってますもんね。そこはとくに辻褄合わせに注力しないでやってます。

 

――試作版では風呂桶に“ケロ●ン”と書いてあって、「これはいいな!」と思ったんですが(笑)。

長谷川 その点についてはヤバイと思い消しました(笑)。

――さきほどおっしゃっていたように”グッズ化しやすい”キャラクターだと思うのですが、想定はされていますか?

長谷川 したいですね。あまりそういうことをやったことがないので。ビジュアル的にはやりやすいと思うので、グッズを作れるぐらい売れたら嬉しいです。

 

――いまは“かぶりん”は何種類くらいいるんですか?

長谷川 15種類くらいですね。いままでは企画者がかなり細かいオーダーを出してデザイナーに発注していたんですが、今回のチームでは「桶をかぶっている」みたいな2~3行くらいのテキストでオーダーをして、「あとはお任せで」っていうスタイルでやっています。だからどんなイラストがあがってくるのか、僕の立場でも見るのが楽しみなんですよ。あのオーダーでこうなるのか、みたいな。

 

――結構無茶ぶりもあったんじゃないですか?

長谷川 “宇宙空間にロボロボしている何か”はそうかもしれないです(笑)。結果ブラックホールみたいな“かぶりん”ができあがったんですけど、企画者が抱いているイメージをそのまま描くよりも、デザイナーの自由な発想で描いたもののほうがクリエイティブなものができると思いました。

▲こちらが宇宙空間をモチーフにしたかぶりん。かなりレアで強力なんだとか。

――ではいちばん難産だったかぶりんは?

長谷川 ガスマスクを被ったかぶりんがいるんですが、そのかぶりんの住む部屋がガス室みたいになってしまうのはよくないよねという話になりまして。そこは結構難産だったかなあ。

 

――さっきの“ケロ●ン”といい、わりとギリギリを狙いますね(笑)。ではお気に入りのかぶりんは?

長谷川 さっき話しに出た宇宙空間のやつですね。めちゃくちゃ強いんですよね。

 

――『かぶりん!』を作る上で大切にしたことってありますか?

長谷川 入り口の部分に関して、間口を広く取るように心掛けました。ゲーマーの方にも喜んで貰いつつ、多くの方にも遊んで貰えるRPG色が強すぎないものに仕上げたいと。『LINE POP』くらい広い層にリーチできるのがベストです。もちろん、ゲーマーの方でも楽しめるようなやり込見要素も確保してあります。

 

――なるほど。絵柄やゲームシステム的にはそのあたりはクリアーしていそうですね。ところで、今回の『かぶりん!』はチームの合作に近いようですが、長谷川さん自身はどんなゲームが作りたいとかあったんですか?

長谷川 学生の頃はゲーム作りがしたかったというわけではないんですよ。入社当時のKLabはまだゲーム事業が主流というわけではなかったので。当時はIT系の何でも屋という形だったので、私もオールラウンドに対応できるほうがいいかなと思ってKLabを選びました。そして実際に入ってみたらゲームの部署に配属になったというわけなんです。

 

――じゃあゲーム自体そんなに興味がなかったり?

長谷川 入社してからしばらくは、ソーシャルゲームのおもしろさが全然わからなくて……。まわりがやってるのを見て「ポチポチやるだけで何がおもしろいんだろう」と思ってました(笑)。

 

――おもしろいと思うようになったのはいつごろからなのでしょうか?

長谷川 やっぱり自分で作ってプレイしたときに、ようやくおもしろさがわかりましたね。特にいままでゲーマーだったわけではないんですよ。うちはゲームに厳しい家庭だったので。小学校のときにゲーム機を買ってもらいましたが、遊べるのは1日30分でしたからね……。ほんと30分じゃ何もできないんですよ! セーブポイントまでいけないですから(笑)! よく友だちの家でやっていたんですけど、それが親経由でバレて、うちのゲーム機を破壊されてからは二度とゲームを買ってもらえなかったです。

 

――壮絶ですね……。

長谷川 その反動で、大学院生のときに買ったプレイステーション・ポータブルはやりまくりました(笑)。ただ、みんなが子供のころにやったであろうゲームの話が全然できないのは悲しいです。

 

――ご自身で作られた『かぶりん!』は「打倒●●!」みたいな目標はありますか?

長谷川 あんまりライバルになるようなものを最初に設定していなかったので、まずはユーザーに受け入れてもらえるかどうかですね。新しいものを作れたとは思っているので、まずはランキングの上位にいきたいと思っています。

 

――女性に人気が出そうなキャラクターデザインですけど、そういった層は狙ってますか?

長谷川 女性の方にもプレイしてもらいたいですね。そのために難しい概念は極力外しましたし。わかりやすくシンプルなものに仕上がっていますよ。

 

――では最後に、配信を楽しみに待ってくれている人に向けたメッセージをお願いします!

長谷川 ひとつは「お待たせしました」ですね。ちょっと当初の予定よりも遅れてしまっているのでそこは申し訳ないです。もうひとつは、新しいゲーム性を出せたと思うので、とりあえず楽しんでいただきたいです。僕らのほうで「ターゲットはこの世代」とか線引しているような感じではないので、幅広い層に遊んでもらえたらと思っています。

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[ぶん投げRPG] かぶりん!

ジャンル
ぶん投げRPG
メーカー
KLab
価格
無料(アプリ内課金あり)
対応機種
iOS 6.0以上/ Android 4.0以上

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