業界の風雲児、Aiming椎葉社長に聞く 2014年のAimingとスマゲ業界
2013-12-20 20:00 投稿
Aiming新作ラッシュ
『Lord of Knights』や『幻塔戦記 グリフォン』で知られるAimingが、今冬から来春にかけて新作ラッシュだ。
2011年に設立したばかりの同社を指揮するのは、数多くのPCオンラインゲームに携わり、『ブラウザ三国志』や『戦国IXA』などを手掛けてきた元ゲームオン常務取締役、および元ONE-UP代表取締役社長の椎葉忠志氏。偉大な実績を残してきた氏に、スマートフォンゲーム業界と今後のAimingの展望について直撃した。
少しずつ僕たちの得意分野の
ゲームに推移している
──まず最初に、Aiming設立までの流れをあらためてお聞かせ願えますか。
椎葉 2011年の5月に、これからはスマートフォンがゲームの主流になるだろうという目算があってAimingを立ち上げました。当時、スマートフォンゲームの売上の規模はまだすごく小さかった。「世界で初めて(1タイトルで)売上が1億円(/月)を超えた」と言っていたような時期ですよ。そんな中、2011年春の国内ランキング1位だった『キングダムコンクエスト』がすごく画期的で。コンサルとして手伝いをしましたが、かなりコア向けの濃いゲーム性なので、流行るのはまだまだ先だろうと思っていました。しかし、成功した。これを見て、スマートフォンのゲームが中心になる時代はすぐそこまで来ているなと強く感じて、Aimingを設立するにいたりました。
──その設立から2年半ほど経ちましたが、当時から変化を感じますか?
椎葉 設立当時は、スマートフォンでどんなゲームが成功するのかをハッキリとイメージできる人はほとんどいなかった。そのとき流行っていたのは、カード型ソーシャルゲームの見た目だけを変えた“ガワアプリ”や“ガワネイティブ”と言われるものが主流でした。しかし、『パズドラ』の大ヒットがあり、そのつぎの世代として『ブレイブフロンティア』や『チェインクロニクル』など、カードソーシャルとオンラインゲームの真ん中よりは少しライト寄りのゲームが人気を集めてきている。僕らとしては「オンラインゲームを作ろう」という立ち位置で続けてきたので、少しずつ僕たちの得意分野のゲームに推移しているのかなと感じています。
──そういったユーザーを見て、かつてのPCのコアゲーマーがスマートフォンに流れてきているという感覚はありますか?
椎葉 流れてきているかどうかは別として、少なくとも純粋なPCゲーマーが減っているとは感じます。いまは調べモノやメールがすべてスマートフォンで完結してしまう。PCを触る頻度自体が圧倒的に下がっているんです。ただ、ここ半年くらいだけで見れば市場としては大成功していて、いくつかのタイトルは過去の日本のオンラインゲームの歴史をひっくり返すくらいの結果を残している。ユーザーは減っていても、遊ばれるゲームが一極集中しているんですね。一方で、これまで何となくPCゲームを遊んできた人たちは、「スマートフォンで十分」と感じて遊んでいるように思います。
──つまり、いまのスマートフォンでゲームをプレイしているユーザーの中には、じつはゲーマーも意外に多いと?
椎葉 そうですね。昔ゲームをしていた人が多いと考えています。そういう人たちはゲームのおもしろさを理解している。また、それと同じくらいに、まったく新しい層、とくに最近は女性ユーザーをうまく取り込んでいるように感じます。テレビCMも女性をすごく意識したものが増えている。共通するのは、ちょっとした時間つぶしにゲームという娯楽を選んでいるということ。『キングダムコンクエスト』のころは、イノベーターやアーリーアダプターと言われる、本当にアンテナの高い人たちが牽引して、そこから一般の人に波及していったのが、いまは本当に誰もがスマートフォンでゲームをする時代になったと実感しています。
いまのゲーム業界はいろいろな人が
同じ土俵で挑戦できる
──椎葉さんはPCのオンラインゲームで多くの成功を体験されていますが、スマートフォンゲームでも同じ手法が通じますか?
椎葉 通じるところも通じないところもあります。いまのスマートフォンゲームのほとんどがソーシャルゲームと表現されたりしますが、友だちのキャラを借りるとか、あいさつを送る程度はソーシャルでもなんでもない。PCのオンラインゲームでは、一生ものの友だちがたくさんできるし、リアルに結婚する人だっている。それぐらい、ネットで知り合った人と濃い付き合いになれることが、僕らからするとインターネットを介したソーシャル性なんです。ただ、僕のヘビーな経験からは少し感覚がズレた、いま多くの人が認識している“ソーシャルゲーム”がウケている。これは、もっともっと学ばないといけないところでもありますね。そんな中でも、ウチでいうと『Lord of Knights』や『幻塔戦記 グリフォン』は、ユーザーの絶対数はそれほど多くないけれど、離脱がほとんどない。そこは僕らのノウハウで、濃いユーザーの遊び場をうまく作れたからだと思っています。
──アイテム課金についても、敷居がずいぶん下がった感がありますね。
椎葉 初めて遊んだその日でも、ゲームがおもしろければすぐにお金を払ってくれるお客さんが多くなりましたね。アイテム販売型のゲームの楽しさを十分認知してもらえている時代なんだなと感じています。
──2013年のAimingを振り返ってみるといかがですか?
椎葉 携わったタイトルは多いですが、じつはAimingとして出したのは『幻塔戦記 グリフォン』くらいです。ウチはいつも振りが大きすぎて、出すのに時間がかかってしまいます(苦笑)。それはそれとして、圧倒的にスマートフォンでゲームをする人が増えてきて、ゲームの中身的にも多様性が出てきたのは強く感じますね。全体的に見ると、いまの流れは予想通りですが、開発費をかけた高クオリティのゲームが出始めたタイミングは想像以上に早かったです。冷静に考えると失敗のリスクも高いでしょうが、そこにはチャンスもあるわけです。
──家庭用で「ナンバリング作ばかりが出続けている」と言われていたころに比べると、大手メーカーも新しいゲームを意欲的に出されている印象です。
椎葉 いままでぜんぜん知らなかった会社さんのゲームもたくさん当たっている。その意味では、ゲームという遊びに革新が生まれやすい業界になってきた気がします。もう一度多くの人にゲームを手にとってもらうような世の中になってくれるのではないかという期待感が、2013年にはありましたね。
──それだけ可能性のある時代ということで、ワクワクしているクリエイターさんも多いかもしれないですね。
椎葉 ワクワクする反面、実際に作ってみるとキツイと感じることも多いです(笑)。開発コストが一気に上がってきて、いまは職人が作るハンドメイドみたいなゲームが主流になってきています。これからはさらに大変になっていくだろうと、皆さんも感じていると思います。でも、クリエイティブな業界はどこもそうだと思います。ミュージシャンにしても、華やかに成功している裏で食えない人がいっぱいいるわけじゃないですか。ふだんはバイトをしていたり、音楽の専門学校の講師をしていたり、路上でCDを売ったりとかね。いろんな業種がそうだと思います。ただ、いろいろな人が同じ土俵で挑戦できるいまのゲーム業界は、すごく健全だとも思います。
──少しずつコアなゲームが増えてきたスマートフォンのゲーム業界ですが、2014年に向けた今後の展望をお聞かせください。
椎葉 ウチとしては、『ソード オブ ナイツ』(後述)よりも軽いゲームは作らないつもりで、“リッチで遊びごたえのあるゲーム”をテーマに考えています。ジャンルとしては、ハック&スラッシュ、MMORPG、スポーツで、オンラインとトレンドを取り入れたものになるでしょうね。ほかには、『Lord of Knights』よりも軽い『Lord of Knights ライト』を作りたいですね。ストラテジーが好きな人は潜在的に多いはずなのに、意外と新しいものが出てこないんです。そこで、新規ユーザーに向けた敷居の低いものを、新しく作ってみたいですね。あとは、いまあるゲームをしっかりおもしろいと思ってもらえるように、出した後も改善を続けていくことですね。また、長く遊べるコミュニティ重視のゲーム性と、リッチなグラフィックがウチならではの強みだと思っています。そこもこだわりながら、皆さんに楽しんでもらえるゲームを2014年はたくさんお見せできると思います。
Aiming渾身の最新タイトル5連発
そんなAimingの最新作となるのが、先日配信されたばかりのマーベラスAQLとの協業タイトル『剣と魔法のログレス いにしえの女神』。このほか、今冬から来春の新作タイトル5本について、開発のキーマンや椎葉社長に注目ポイントも語ってもらった。
剣と魔法のログレス いにしえの女神 (http://sp.mmo-logres.com/) |
■配信日/配信中
■特徴/PCブラウザで大ヒットした本格オンラインRPGが、“完全新作”になりスマホで登場。
街やフィールドを自由に歩き周り、友だちとチャットしながらプレイできたり、10種類以上あるジョブ選んで、得意な装備を持ち替えてさまざまなスキルを使い戦う戦闘システムや、600種類以上のきせかえ自由なかわいいアバターなど、“カードゲームではない”RPGをスマホでここまで楽しめることをぜひ実感してみてください。
■開発のキーマンからひと言/スマホで簡単操作ながらも世界を自由に冒険し、たくさんのプレイヤーと出会い、ともに巨大な敵に立ち向かう本格オンラインRPGです。
そこで起きるさまざまな体験を存分に楽しんでいただければと思います。
■椎葉氏よりコメント/MMORPGで、ものすごくカジュアルな作りですが、戦闘シーンなどはリッチに作っています。縦持ちで不満がないように設計していて、昔のRPGの手触りを大切にしてます。
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ヴァリアントレギオン (http://valiant-legion.jp/) |
■配信日/配信中
■特徴/“仲間と遊ぶアクションRPG”というキャッチコピーにもある通り、『ヴァリアントレギオン』のいちばんの楽しみかたは、リアルな友だちといっしょにプレイすることです。ワイワイとプレイすることで何度もやりたくなるゲームです。
■開発のキーマンからひと言/ご覧の通りのアクションRPGなのですが、マルチプレイやギルドでのコミュニケーションを重視していて海外でも少ないタイプです。友人とスマホを持ち寄って携帯ゲーム機のように遊んでくださるとうれしいですね!
■椎葉氏よりコメント/“ハック&スラッシュ”という言葉がわかる人は絶対やったほうがいいゲームになっています。家庭用のアクションなどに比べるとはるかに簡単ですし、RPGが好きな人にはとくにオススメです。
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ソード オブ ナイツ (http://swordofknights.jp/) |
■配信日/2013年12月予定(事前登録受付中)
■特徴/メインキャラデザインはワダアルコ氏が担当。ポップで取っつきやすい見た目と、軽快な操作感で誰でも楽しめるRPGですが、プレイすればするほど理解の進む骨太なゲームシステムやユニット強化の自由度が魅力です。
鍛えたユニット同士での対戦モード「デュエル」もアツい!
■開発のキーマンからひと言/『ソード オブ ナイツ』はスマホ向けに最適化された王道コマンドバトルRPGで、RPGの楽しさやストーリーを簡単な操作で体験できます。ダンジョン探索ではすごろく式になっているマップを数字のカードを引いて進むのですが、カードの数がランダムなので、運よく宝箱やレアなユニットが手に入ると、何度も探索したくなりますよ。
■椎葉氏よりコメント/Aimingとしては軽めの、最近の流れに沿ったカジュアルで遊びやすいゲームです。少し変わっているのは、すごろくのようにマス目を進んでいくことで、そこにも戦略性を持たせています。カジュアルだけど深くて新しい、そういうゲームを目指しています。
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スマホでゴルフ!ぐるぐるイーグル (http://sp-eagle.com/) |
■配信日/2014年1月下旬(予定)
■特徴/
・1ホール1分 簡単操作でナイスショット!
・かわいい系ゴルフゲームの究極版
・手軽だけれど奥深い、スマホのゴルフゲームの常識を変える進化をご覧ください!
■開発のキーマンからひと言/チアガール、巫女、制服、水着、アイドル、天使に悪魔。最高峰のかわいさと仲間と協力や対戦が出来る、本格的なゴルフオンラインゲームです! スマホのゲームの常識を超えるクオリティに仕上がりました。ぜひ、ぐるぐるしに来てくださいね!
■椎葉氏よりコメント/誰もが楽しめる華やかなゴルフゲームです。アバターのカスタマイズ性の高さと、いつでもどこでもできる対戦の気軽さがウリです。ゴルフゲームの原点に立ち返ったおもしろさを示したいですね。
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※かわいい系ゴルフ『スマホでゴルフ! ぐるぐるイーグル』先行体験版配信開始
ブルーオデッセイ2(仮) (http://b-odyssey.jp/lp/) |
■リリース/2014年2月(予定)
■特徴/
・大ボリュームの本格RPG
・かわいいアバター盛りだくさん
・自由にクラスチェンジ
・多彩なスキル
・らくらくパーティプレイ
■開発のキーマンからひと言/『ブルーオデッセイ2(仮)』は、かわいいキャラクターやアバターが魅力的な、多人数で遊べる本格RPGです。ド派手なスキルや魔法はスマートフォンで表現できる限界に挑戦しています! 簡単操作なのでゲーム初心者にもオススメです。
■椎葉氏よりコメント/Androidで提供中の『ブルーオデッセイ』では、満足に動かないハードが多いなどの反省点もありましたが、ゲーム自体の評価は高く、皆さんが遊んでくれました。スマホにだって、これくらいコアなMMORPGがあっていい。今作はAndroid、iOS、PCブラウザのどれでもできるようにしています。敵を倒すだけなら外で遊んで、レイドボスや対戦は家でじっくり遊ぶ。マルチプラットホームの楽しさを提唱したいですね。
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