【独占スクープ】近日配信の『ソニック ランナーズ』の全てを知る飯塚Pを直撃

2015-02-03 11:00 投稿

実際にプレイもしてみた

スマートフォン用アプリとして開発中であることが発表されていた、超音速アクションゲーム『ソニック』シリーズの最新作『ソニックランナーズ』にいよいよ動きが。

本記事では、配信開始も間近となったこの作品について、シリーズを長年手掛けてきたプロデューサーの飯塚隆氏を直撃。世界に先駆けて、日本で先行配信される同作の気になる内容や、配信後の施策などについて聞いてきたぞ。

どこよりも早いプレイインプレッションと合わせてお届けしよう。

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【事前登録はこちら】
http://sgap.ps/SonicRun

 
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飯塚隆(いいづか たかし)氏
株式会社セガ 第二CS研究開発部 部長/プロデューサー。1992年にセガに入社。“ソニックチーム”の一員として、『ソニック』シリーズのさまざまな作品の制作に関わってきた。『ソニック』シリーズ以外の代表作には『ナイツ』などがある。

5年前からF2Pを意識して練られた構想

――ファン待望の『ソニック』が満を持して登場、ということですが、この時期に出すことになったのはどういった経緯があったのでしょうか?

飯塚 私自身、『ソニック』をスマートフォンで出したいという要望はかなり前から持っていまして、2010年にも『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI』(※1)という作品を出したことがあります。

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※1『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI』
2010年、iPhone/Wii/プレイステーション3/Xbox 360用に配信された、2Dアクションゲーム。AndroidやWindows Phone向けにも配信を開始。2012年には続編の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードII』も登場した。

――かなり早くからスマートフォン市場に目をつけていたんですね。

飯塚 当時はまだ“フリー・トゥ・プレイ”という形式があまり普及しておらず、スマートフォンのゲーム=売り切り、という形が主流でしたので、『ソニック4』も家庭用ゲームのやりかたをそのまま持ってくるような内容で配信することになりました。

でも、そのころから「家庭用ゲームと違う、スマートフォンならではのゲームを作りたい」という思いを強く持っていました。

その後、家庭用タイトル『ソニック ロストワールド』(※2)の開発などもあってだいぶあいだが空いてしまったのですが、それらも終わってようやくこの『ソニック ランナーズ』に取り掛かることができるようになった、というわけです。

 
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※2『ソニック ロストワールド』
2013年に家庭用ハードのニンテンドー3DS、Wii Uで発売された、3Dアクションゲーム。上下左右、自在に駆けることができるフィールドや、壁や段差をノンストップで駆け抜けられる“パルクールアクション”などが導入された

――5年越しの悲願、というわけだったのですね。そんな強い想いが込められた『ソニック ランナーズ』ですが、いったいどのような作品になっているのでしょうか?

飯塚 スマートフォンアプリの特性である、“短時間で楽しめる作品”というテーマを強く意識しています。1分や2分という短い時間で遊べるようなステージを舞台に、ソニックらしいスピード感を体感できるようなアクションゲームになっています。

片手でも爽快アクションが楽しめる操作性

――『ソニック』というと、最近は3Dゲームとしてのイメージも強いと思うのですが、本作はどうでしょう。

飯塚 もともと2Dアクションゲームとして産声を上げた『ソニック』シリーズですが、ドリームキャストで出した『ソニックアドベンチャー』(※3)以降は3Dをメインにして作ってきました。

それから15年以上も続いているわけですから、3Dゲームとしてのファンも多いと思います。ただ、それ以前のファンの方も長く応援してくださっていて、『ソニック4』以降は家庭用ゲームでも2Dと3D、両方を意識した作品作りを心掛けています。

そんな中生まれたのが、本作でした。本作は、『ソニック4』と同じく基本的には2Dにしています。3Dだと、どうしても距離感を掴みづらかったりして、難易度が高めになってしまいますので……。

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※3『ソニックアドベンチャー』
1998年にドリームキャストで発売された作品。シリーズ初の3Dゲームとなっており、さらにキャラクターにボイスが入ったり、サウンドがロック調になるなど、シリーズの転換点となった作品と言える。

――難易度という話題が出ましたが、操作方法もスマートフォン向けを意識されているのでしょうか?

飯塚 もちろん、片手だけで手軽に遊べるような操作性にしています。

いつもの『ソニック』なら、方向キーで加速するような仕組みにしているのですが、本作ではソニックは自動で前方へダッシュしていきます。そこに、画面をタップしてジャンプさせたり、アイテムを使うといった要素を入れているというわけです。

――なるほど! それなら、わかりやすくて操作も簡単ですね。

飯塚 とはいえ、ただ簡単なだけにしてしまっては、『ソニック』をとことんやり込みたい、というコアユーザーさんには満足いただけないと思っています。そんな人たちのために、さまざまなギミックを盛り込んだり、ソニックらしい上下に分かれたマルチルート構造など、何度も繰り返し遊びたくなるようなステージ作りを心がけています。

――飯塚さんは、過去にさまざまなハードで『ソニック』の開発に携わってこられましたが、家庭用ハードと比べて、今回の開発で苦労した点を教えていただけますか?

飯塚 まだゲームが完成したわけではないので、これからまたさまざまな問題点が出てくるとは思うのですが、いまのところ感じているのは、“ワンプレイの快感”をいかにして味わわせるか、ですかね。

家庭用ゲームなら、長時間遊んでもらうことを前提としているので、ゲーム全体を見て「最初はチュートリアル的な簡単なステージを入れて、だんだん難しくしていって……」と、各ステージにさまざまなテーマを与えることができます。

でもスマートフォンの場合、短時間で遊ぶことが前提ですから、ひとつのステージだけで満足できるゲーム体験を与えなくてはなりません。

しかも、アクションが得意な人にも、苦手な人にも同じステージで楽しさを感じてもらわなければならない。長くこのシリーズに携わっていますが、改めてアクションゲームの難しさを痛感していますね。

エピソードは50以上!? 大ボリュームで楽しめる

――ゲームの中身がますます気になってきました。ゲームの流れについて簡単に教えていただけないでしょうか?

飯塚 基本的には“走る”ことを目的としたゲームで、自動で前に進んでいくキャラを操作して、さまざまな敵や障害物を乗り越えつつ、ひたすら先を目指します。

ステージの途中には、おなじみのボス“エッグマン”が出てくるので、彼をうまく追い払うことも必要です。また、本作には短編のシナリオも用意してあって、ステージが進むごとに、少しずつ展開していきます。それらを楽しめることも、本作のひとつのポイントですね。

――ボリュームはどのくらいあります?

飯塚 エピソードは、運営していく中で追加していこうと思っているのですが、リリースの時点で50は用意するつもりです。

――50も!? それはかなりの数ですね。

飯塚 やはりそれくらいないと、ファンの方も遊びがいがないと思いますので。しかも、中には過去のシリーズ作品と紐付いたエピソードもありますので、遊んだことがある人なら「この話はもしかして!」と、記憶を刺激されると思いますよ。

――そんなことまでしているとは……制作に苦労するわけですよ(笑)。

飯塚 そのほかにも、ゲーム内イベントのような形でも、季節に応じてどんどん盛り込んでいきたいと考えています。常設のものとしては、ほかのプレイヤーと“ランキング”で競うことができるようなシステムを検討しています。

本作は『ソニック』ブランドで出すゲームではありますが、ある意味番外編的な位置づけですので、お遊び的な要素もたくさん試していきたいですね。

――先ほど、操作するキャラクターの話が出ましたが、“ソニック”と限定して言っていないということは、ほかのキャラクターも操作できたりとか?

飯塚 シリーズファンの方からも、「いろいろなキャラクターを使ってみたい!」という声はつねにいただいていて、本作ではそんな願いを実現するつもりです。

最初はソニックだけですが、ゲームを進めていくと、テイルスやナックルズはもちろん、作品の垣根を越えてさまざまなキャラクターを操作できるようにする予定です。

――エピソード数もさることながら、そちらもすごいボリュームですね。

飯塚 じつは、それだけではありません。

――え?

飯塚 ステージ中は、『ソニックカラーズ』 (※4)からシリーズの柱になった“カラーパワー”というアクションも導入しましたし、さらに操作するキャラクターとは別に、サポート役の“おとも”を連れていくことができます。

そちらにも、シリーズ中から多数のキャラクターが参戦予定です。連れて行く“おとも”キャラクターによって、さまざまな効果があるので、攻略の幅が広がるようになっています。ちなみに、“事前登録”をすると、配信時に強力な“おとも”がもらえるような特典を用意しています。

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※4『ソニックカラーズ』
2010年にニンテンドーDS、Wiiで発売された2D/3Dアクションゲーム。Wii版では2Dと3Dが切り替わっていくステージが楽しめた(ニンテンドーDS版は2Dのみ)。また、この作品より、ステージを超高速移動したり、地中や水中を移動できるようになるといった特殊なアクションを発動できる“カラーパワー”という要素が導入された。

――まさにオールスターですね! ほかに、昔ながらのファンを意識した要素はありますか?

飯塚 “カラーパワー”の要素や、シリーズ作品のネタを盛り込んだエピソードのほかに、音楽も『ソニック』シリーズで期待していただいている要素だと思います。こちらについても、家庭用のゲームを作っているいつものメンバーが参加して、新たな楽曲を書き起こしていますので、ぜひご期待ください。

――ますます楽しみです! 最後に読者へ、ひと言メッセージをお願いします。

飯塚  『ソニック ランナーズ』は、『ソニック』を知っている人でも知らない人でも、誰もが手軽に熱くなれるゲームを目指して制作しています。

また、今回の作品もグローバル展開する予定ですが、日本先行で出すことにしました。つまり、世界の強豪が参戦してくるまで、ある程度の時間的猶予があるということです。日本の皆さんには、そのアドバンテージを活かしてランキングを盛り上げていただきたいと思っています。

私たちも、長期間楽しめるさまざまな仕掛けをどんどん追加していく予定です。ぜひとも、よろしくお願いします。

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史上最速! プレイインプレッション

話を聞くうちにいても立ってもいられなくなったので、お願いして特別にプレイをさせてもらうことに!

ここからは、そのときのプレイインプレッションをお届け。まだ開発中ということだが、取材日(2015年1月20日)の時点でゲームはかなりでき上がっており、爽快感溢れるアクションを体感することができた。

残念ながらまだゲーム画面は公開できないのだが、少しでも雰囲気を掴んでもらえれば幸いである。

『ソニック』らしさ満載のラン系アクション!

まず最初に、本作のポイントを挙げておく。

・横スクロールの2Dアクション
・いわゆる“ラン系
・シリーズおなじみのギミック満載
・最初はややスピードが抑えめ
隠しルートも存在
・ひとつのエピソードが2分程度

では、さっそくその詳細を追っていこう。

ゲームを立ち上げ、最初のステージを選択。おなじみ、ソニックやテイルス、そしてその宿敵Dr.エッグマンたちの会話シーンが展開され、その後さっそくステージが始まる。

本作では、グラフィックは滑らかな3Dで描かれているが、基本は横スクロール方式の2Dアクション

ステージが始まると、何も触らなくても自動でキャラクターが走り出し、タップするとその場所に応じてジャンプするという、いわゆる“ラン系アクション”のゲームシステムだ。

自動的にキャラクターが動く以外の基本的なシステムは、シリーズ作品ではおなじみのもの。取るとスコアが加算される“リング”を集めながら、1回転している足場を勢いに乗って走り抜ける“360度ループ”ジャンプ台など、多彩なギミックをくぐり抜けて先を目指すことになる。

キャラクターが止まらないので、敵や穴が出てくるとちょっと慌ててしまう人もいるかもしれないが、シリーズ作品と比べて、最初はややスピードは抑えめになっている。それらを確認してから落ち着いて画面をタップすれば、やられることはない。

ちなみに、ステージ構成は最初からけっこう起伏に富んでおり、何度もタップすることになって“操作している感”が存分に味わえて楽しい。

しかも、ジャンプのタイミングを工夫することによって、通常のルートから外れてスコアをたっぷり稼げるルートに進むことができるようになっており、それらのルートを発見することを含めて、上級者にもやり込み甲斐が満点。

シリーズ第1作からプレイしている、自称上級者の記者も、初回プレイからそれらのルートを見つけて悦に入っていた。

そういえば、『ソニック』がやりたくてメガドライブを持っている友だちから本体ごと借りたもんだなぁ……と、若かりし20ン年前を思い出しながらプレイしていたら、その後油断して穴に落ち、やり直しになってしまったのはナイショである。

だいたい1分くらい経過すると、アラートが表示され、ボスであるDr.エッグマンが出現。ちょいちょいイヤガラセのような攻撃を仕掛けてくるため、それらをかわしながら、体当たりしたり投げてきたアイテムを利用して攻撃し、撃退を目指すことになる。

さて、長々と語ってきたが、プレイ時間にするとだいたいここまでで2分かからない程度

電車の1駅間や、学校の休み時間などにプレイすることも可能なお手軽さ。それでいて、アクションとしては相当しっかり作られている。上級者でも「スマホ用に簡単にしてるんでしょ?」とかバカにできないレベルと言える。

ソニックチームの本気が詰め込まれたこの作品、リリースが楽しみである。

【事前登録はこちら】
http://sgap.ps/SonicRun

ソニック ランナーズ

メーカー
セガ
配信日
2015年春
価格
基本無料(アイテム課金あり)
対応機種
(※推奨端末)iPhone4s/5/5s/5c/6 、iPod touch(5th以降) 、iPad2以降 ※対象OSは、iOS7.0以上 Android OS2.3以上 ※一部端末は除く

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