NHN Japan×グラスホッパーの新プロジェクトに迫る 飯田和敏氏の新作は『●ー●ー●●●ー』!
2012-03-26 18:16 投稿
●タイトル名は伏字です!
2012年2月、NHN Japanとグラスホッパー・マニファクチュアがスマートフォン向けアプリを共同開発中であるというニュースが発表された。そしてそのタイトルを手がけるのは『アクアノートの休日』、『巨人のドシン』などをディレクションしたグラスホッパー・マニファクチュアの飯田和敏氏。当時発表されたのはイメージイラストとティザーサイトのみ。はっきり言って謎だらけ。配信は夏ごろのようだが、気になりすぎて飯田氏本人と開発に携わっているハンゲームの中尾亮介氏に直接聞いてきちゃいました。
グラスホッパー・マニファクチュア ディレクター 飯田和敏 | NHN Japan コンテンツ営業企画事業部ディレクター 中尾亮介 |
──グラスホッパーは自社でもアプリを配信されていますが、今回ハンゲームさんと共同開発するにあたった経緯は?
飯田 ハンゲームさんには尊敬するゲーム業界の大先輩がいて、彼と「機会があったらなんかやりたいね」って話をしていたんです。それでちょうど僕がプレイステーション・ポータブル(PSP)で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版-サウンドインパクト-』を作り終わったところで、「じゃあやりますか」と。ただその時は特別にスマートフォン用ということで考えてはなかったですね。
中尾 当時からオンラインゲームでということは共通していました。ハンゲームではPCのオンラインゲームも提供していますが、今後はスマートフォン市場にも注力していきたいという背景があります。そこで今回、インパクトのあるメーカーさんと組んで、スマートフォン市場に新しい風を吹きこみたいと考えていました。グラスホッパーさんが持つ独創的な世界観と、僕らの持つ開発・運営力をあわせれば、グラスホッパーさんの新たな魅力をより多くの人に発信できるかなと思い、今回の形になりました。
飯田 優等生的だね(笑)。
中尾 いやいや、ちゃんと言わせてください(笑)。
──(笑)。飯田さんはオンラインゲームに対する構想をずっと持たれていたんでしょうか。
飯田 そうですね。コンシューマの時代から何度か機運があって、ニンテンドー64DDのときに『巨人のドシン』というタイトルを当時はダイアルアップ前提の環境で作りました。そのときは本格的なオンラインゲームとはいかなかったんですけど、コミュニティーを作ったりしておもしろいものはできました。僕はインターネットユーザーだったんで、インターネットを舞台にしたゲームを作るってことは昔からやりたいと思っていて、一方でエヴァの『サウンドインパクト』を作ったときにスマートフォンアプリの開発もして、できることがある程度わかったので今回のプロジェクトもいけるだろうと思いました。
──もともとプランをいくつか出されて“海底散策もの”に決まったとのことですが、ほかにはどのようなものがあったんですか?
飯田 ええと……、忘れちゃいました(笑)。でもやっぱり僕にとってはそれがいちばん押しの企画だったんですよ。『アクアノートの休日』をオンラインで実現したいと昔から思っていた。いまの時代って、インターネットは日常に不可欠じゃないですか。自由な海底散策を楽しむ『アクアノートの休日』に、インターネットを使って遊びを展開していくということをプラスしてみたかったんですよ。
──自分が想像していたオンラインゲームと、いまのオンラインゲームって違いますか?
飯田 オンラインゲームとはいえ、プレイヤーがゲームに対峙する時というのは、基本的に孤独な環境だと思うんです。孤独なんだけどプレイを共有している感じっていうのは、現実とはべつの種類の連帯感があると思うんです。たとえば、オフ会とかって盛り上がるじゃないですか。もしかしたら同僚たちと飲みに行くよりも驚きがあったりするかもしれないし。それと似た感覚が、ネットワークコミュニティーの新しい人間関係のありかたなんだと思います。そういう新しいものに対する好奇心はつねにありましたね。それと、僕は対戦じゃないものを作りたかった。孤独に散策する世界ほど、背後にある人のぬくもりが生きてくるんだろうなと。
──なるほど。ティザーサイトの文章で、昨年被災地の水族館に行かれたとの記述がありましたが、その時点で今回の企画をすでに考えていたのですか?
飯田 ぼんやりと考えていたときに、たまたまその場所に立ち会うことができたのが、「作るしかないな」と思った瞬間ですね。
──相当壮絶な状態だったんでしょうね。
飯田 もう、めちゃくちゃ。言葉を失いましたね。そういうなかで、僕らはゲームクリエイターなんで、ゲームを通じて様々な意見を選択してもらえたらなあと思いますよ。ちょうどゲーミフィケーションという言葉が流行っていて、それはビデオゲームが世の中の役に立つ考え方をさししめしていくってことなんですが、そのことをゲームメディア側が言及できてないと感じていたので。
――それは耳の痛い話ですね……。
飯田 今回の作品はすごくリアルな画面を作ることができているので、ダイビングされるかたや水族館が好きなかた、熱帯魚を飼っているかた、また自然に興味があるかたなど、いろんな方々に訴求できる題材になっています。ぜひこれをきっかけにゲーミフィケーションしてみてはいかがでしょう? 「ゲームもいいもんだな」と思っていただけると思います。
──ちなみに現段階での進行度はどれくらいでしょうか?
中尾 うーん……60%くらいですかね。
──いまのところ飯田さんのイメージ通りにカタチになっている?
飯田 僕のなかには『アクアノートの休日』を複数のダイバーでできればいいなっていうのがあったんですけど、それを軽く超えられちゃってます。アップデートがあるということや、無料で遊んでもらうということなど、いままでと違う考え方に対してスタッフが本気で取り組んでくれています。ベテランのスタッフも、初めてゲームを作ったときの喜びに近いものを感じているほど新鮮だと言ってました。あ、でも僕、コンソールゲームにも戻りますよ(笑)。
――おお! 次回作の構想もありますか?
飯田 そこまで具体的なものじゃないですけど、いつかは戻るというか、どっちもやりたいですね。コンシューマゲーマーさんの中には、ソーシャルゲームに対して敵対的というか、素直に受け入れられない部分を持っている方もいるじゃないですか。僕なんかニコファーレに出たら「課金、課金」て言われて(笑)。いままでのゲームだってお金取ってただろうって。我々が目指しているのは同じところですから。
――なるほど。すごーく気になることをひとつ! タイトル名は決まっていますか?
飯田 いまのところ海底散策ゲームとしか言っていませんが、一応『●ー●ー●●●ー』でいこうと思っています。誰もが知ってる映画をほうふつさせるタイトルです。これでいくつもりですが、覚悟が出来るまで伏せさせてください(笑)。近いうちに決めます!
――わかりました(笑)。では次回はゲーム内容についてお話を聞かせてください。どうもありがとうございました。
▲初公開となる開発中の資料。ヤバイ、キレイすぎる……。取材中に頼み込んでいただきました(笑)。
◆インタビューを終えて……
正直ゲーム内容についてはやっぱり謎のままでした。でも、わかったこともあります。それは今回飯田さんが手がけているのは間違いなく『アクアノートの休日』のDNAを引き継ぐ作品だということ。底抜けの自由度を誇った同作に“オンライン”というキーワードを加えるといったいどうなるのか? 考えるほど楽 しみになるけど、わからなくもなる。だから、このタイトルに関してはまだまだこのままにしておけませんよね。つぎはゲーム内容に迫るべくもう一度インタ ビューを決行します。4月頭くらいには掲載したいなあ。ご期待ください!
あ、ひとつうれしかったことは、飯田さんがコンシューマーゲームもやると明言してくれたこと(笑)。全部に真剣に取り組むという考え方がすごくいいなあと思いました。これからもゲーム業界を盛り上げてください!
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