『水都百景録』とは
400年前の世界にタイムスリップしたプレイヤーが、自分だけの水都百景を築き上げていく町づくりシミュレーションゲーム。 全編を通して水墨画風のデザインで、古代中国の町並みや人物が描かれているのが特徴。
世界観
中国の文人である文徴明は、自身の手掛けた‟江南水都百景”という古い絵画の中で目を覚ます。
絵巻の中の世界では大きな火事があり、町全体が廃墟になっている状態。そんな世界の中で、文徴明はかつて絵画に描かれた江南の風景を再現するために町づくりを目指すことになる。
町の復興中には、旅に出かけて古代の江南山水を渡り歩くこともでき、旅の途中で歴史に名を残した人たちと出会うことも。
住民たちとの会話を通して旧時代の風習や人情などを味わえるのも、本作ならではの魅力のひとつ。
ゲームシステム
町づくり
火事の痕跡が残り、わずかな住居しかない状況の町からにぎやかな都会を目指して町を成長させていこう。最初は、ジャマな廃材などを片づけ、そこに田んぼや食堂、新たな住居を作っていくことになる。
建築物はいずれも場所さえあれば自由に置けるため、どのような町にするかはプレイヤー次第。1区画を丸ごと田んぼにしたり、多くの住民が集まる場所を作ったりと自由に町を発展させることができる。
自分なりに“水都”を目指して町作りを楽しもう。
自由探索
町では、住民との会話や宿屋の経営、泥棒への尋問など建築以外にもさまざまなイベントが発生する。
町を発展させている間にさまざまな場所を探索し、タップしてみると新たな発見があるかもしれない。
その昔、蘇州の文人、文徴明が偶然骨董屋で古い絵巻物を発見し、それを前朝の遺作だと思い、持ち帰って修復を図った。
しかしいざ取り掛かってみると、その巻物には始まりもなければ、終わりもなく、江南水都の景色を全て絵の中に取り込められることがわかった。そこに人を描けば人には命が宿り、物を描けば物は実体を持つ、世にも奇妙なことが起こってしまった。
なんとそれは古の女神、女媧が世に残した無上のお宝だったのだ。
文徴明はその絵巻を『江南水都百景』と名付け、人生のすべてをその創作に注ぎ込んだ。しかし命が尽きる時が来ても、彼は江南の全貌を描き留めることができなかった。
自分に残された時間はわずかだと悟った文徴明は、未完成の絵巻物を呉派の門下生である学生たちに託し、己の魂を絵の中に宿し、自ら絵の中の世界を守ると決意した。
それ以降、その巻物は呉派の秘宝となり、百以上もの巨匠が競って描き込み、江南水都百景の世界に幾多の山河や生き物を付け加えた。
そして歳月が過ぎ、時は万暦。
絵巻物は礼部尚書・董其昌の手に渡り、蔵書楼に保管されたが、万暦四十四年に董其昌は家を放火され、絵巻物を含め董家のすべてを焼き払われてしまった。
絵巻物の世界にも烈火が降り注ぎ、炎は三日三晩も燃え続け、町がとうとう廃墟と化した。絵の中で眠っていた文徴明は焼けるような熱い煙にむせ、目を覚ました。
満身創痍の応天府を見て、衡山居士文徴明は再び筆を手に取り、江南の繁栄を取り戻そうと決意するのだった……