怪異掲示板と7つのウワサの概要

チャット小説感覚で展開するシリーズ第3弾!!

とある高校の新聞部が管理する掲示板に書き込んだ内容が現実になり怪異となる、何とも信じがたい現象をきっかけに、部員たちが7つの奇妙なできごとに巻きこまれていく。

本記事で紹介する『怪異掲示板と7つのウワサ』は、これまで“10分で楽しめる”をテーマに『くりぬきさんのウワサ』や『俺の彼女 殺人鬼に追われています』というチャット小説風のライトノベルを手掛けてきたEntabridge Co., Ltd.による、2時間を超える初の長編作だ!!

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フィクションの中に潜むリアルな恐怖体験

元気いっぱいでムードメーカーである高校2年生のあかねが所属する新聞部。そこで管理されている掲示板は、いつのころからか世間のオカルトネタが書き込まれるようになり、いまでは“怪異掲示板”なんて呼ばれるようになっていた。

オカルト好きな筆者には興味深い部活だが、この部にはとんでもない悪条件がぶらさがっているのだ。

それは、“そこに書きこまれたウワサが現実になってしまう”という、信じがたい現象である。

そんな矢先、携帯に送られてきた写真に写る少女がだんだん近づいていき、目が合うと殺されてしまう“写真の中の少女”のウワサが書き込まれ、しかもその写真をあかねが受け取ってしまうのだ。

本作に登場する怪異には単なる恐怖だけでなく、人との向き合いかたや想いなど、どこか現実的で身近にあってもおかしくないシチュエーションやメッセージ性が随所に盛り込まれている。

自分だったらどうしただろう、そんなことを考えながら7つのウワサに向き合っていけるのが魅力的なポイントだ。

もちろんホラーテイストが強いため、時には背筋がゾクゾクしてしまうグロテスクなシーンだって登場する。

それなりの覚悟を持ってプレイする必要があるが、あかねを筆頭に沈着冷静な先輩で部長の柴乃や、少々弱気だけど頼りになる後輩の悠樹といった仲間たちの恐れず突き進む姿勢に勇気づけられ、最後まで一気にプレイできたぞ!!

テンポよく読み進めることができる物語

チャット小説風のライトノベルである本作は、SNSのやりとりを再現したような短文のくり返しで会話が進行。

歯切れの悪いところで送信されることも多く、少しだけ読みにくさを感じるが、慣れてしまえばスマホライクでテンポよく楽しむことができる。

怪異掲示板に投稿されるウワサをきっかけに、さまざまな議論を交わして真実を知るため悪戦苦闘する部員たち。

小刻みに送信をくり返す会話も、和気あいあいとしたシーンでは心地よいリズムに、怖い演出が来るぞと感じさせるシーンでは心拍数を高めるベストな演出にもつながっていく。

つぎにどんなことを言い出すのか、三者三様な部員たちの先の読めない会話はとてもなじみやすかったぞ。

生と死の狭間に凝縮されたマルチエンディング

本作には毎エピソードごとにいくつかの選択肢があり、それに応じてさまざまなエンディングへと派生していく。

怪異と真正面から向き合っていく彼らはつねに死と隣り合わせの危険な状況だが、広告動画を再生すればバッドエンドの手前まで巻き戻すことができるのはうれしいポイントだ。

ホラー系のゲームをしているのだから、バッドエンドへの片道切符だとわかっていても恐怖シーンを見たくなるのがプレイヤーの心理。その欲求を手軽なリトライ機能でカバーしてくれるのはとてもありがたい。

怪異掲示板に投稿される7つのウワサを解明した後、彼らの身に何が起こるのか。

書きこんだウワサが現実になってしまうその真相を追い、最後までじっくりこの世界に浸ってもらいたい!!

P.N.深津庵
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