『アイドルマスター SideM』今後のアイマスブランドにとっての試金石になる展開【アイマス日記第237回】

さまざまなコンテンツが試されるSideM

バンダイナムコエンターテインメントが展開する『アイドルマスター』シリーズ関連の話題を取り上げる『アイマス日記』をお届け。

担当：東響希

『アイドルマスター』の公式YouTubeチャンネルにて、『アイドルマスター SideM 2023ロードマップ報告会』が配信された。こちらは『アイドルマスター SideM』ブランドの今後の展開について語られる生配信となっており、すでに発表済みとなっている情報の詳細や新情報などが告知された。

『アイドルマスター SideM』についてはすでに発表済みとなっているが、『アイドルマスター SideM グローイングスターズ』が4月末を持って更新停止となっており、7月31日にサービス終了予定だ。これをもって、『アイドルマスター SideM』のゲームとしての展開は停止となる。一方で『アイドルマスター』シリーズのポータルサイト内に、『315 PASSION CONTENTS』という特設サイトを開設し、サービスが終了しているソーシャルゲーム版『アイドルマスター SideM』のコンテンツアーカイブ公開が告知されていた。

こちらについては、今回詳細が発表。ゲーム内で配信されていたイベントストーリーやアイドルたちのサイドストーリーが読める“雑誌”の公開も予定されているとのこと。開発中とはいえ一部の画像が公開されており、ソーシャルゲーム版と比べてもかなりブラッシュアップされている。以前にも触れたが、こういった形で過去のコンテンツがアーカイブ化されることについては大いに期待ができるものだ。ソーシャルゲーム版『アイドルマスターシンデレラガールズ』や『アイドルマスターミリオンライブ！』など、同じくサービスが終了しているものや、そのほかにもウェブ上にアーカイブ公開できる過去のものなどを公開するテストケースになりうる。まもなく20年を迎える『アイドルマスター』シリーズとしては、こういったヒストリーをアーカイブ化していくことで新しいユーザーにもアピールできるのではないだろうか。『315 PASSION CONTENTS』では、そのほかにも一コマ漫画やCDシリーズやライブと連動した新しいストーリーの公開などが控えているとのことで、これらのコンテンツをウェブ上で手軽に楽しめるのは大きな利点だろう。

そして、とくに注目したいのが以前より発表されていたことではあるが、3Dアイドルを利用したライブコンテンツ展開だ。今回はその詳細として、7月9日に“DRAMATIC STARS”と“S.E.M”の2ユニットによるライブ『315 Production presents F@NTASTIC COMBINATION LIVE ～BRAINPOWER!!～』の開催が発表された。こちらは、これまでの『315パッションアワー!!! 』のような配信コンテンツではなく、神奈川県民ホールを使ったライブとなる。それぞれのユニット曲はもちろん、互いの曲をカバーしたり合同曲の制作も行われるという気合の入った企画となっている。こちらについては、ライブに合わせたストーリーコンテンツが公開となるが、チケットの特典としてストーリー解放用のシリアルコードが付く形となっており、新しいマネタイズ方法が試されているのも興味深い。

同様のライブに関しては『アイドルマスターミリオンライブ！』で、『765 MILLIONSTARS LIVE 2023 Dreamin’ Groove』が開催予定となっているが、なんとこのライブが7月1日、2日の開催予定。つまり、1週間後にSideMのライブも行われるということで、各ブランドのMRへの取り組みが短期間で観られるのもおもしろい。SideMに関しては2ユニットライブという形でやや小規模な印象にはなるが、例えば『アイドルマスターシンデレラガールズ』や『アイドルマスターミリオンライブ！』でも同様の3Dモデルを使ったユニットライブ形式は可能ではないだろうか。

『アイドルマスター』ブランドは、昨年末から『3.0 VISION』という新たな段階に移行。MR技術を使った展開を含めてSideMの動きは各ブランドの今後にも影響する試金石になるだろう。新たなプロデュースシーンを提供するSideMの動きは、今後も注目していきたい。