『逆転オセロニア』いちこ(お泊まりスクープ)/世界のザキヤマが独断と偏見で選ぶ推し駒`s 【FILE215】
2024-07-13 19:00
2019-12-24 15:00 投稿
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逆転オセロニア
ドーモ、世界のザキヤマです。
2019年12月14日に開催された“オセロニアンの戦2019”全国大会。今回はその優勝者である、とこまゆげ選手(文中:とこまゆげ)にお話をうかがいました。
本戦でのプレイやふだんの取り組みかた、チャンピオンとしての思いなどを語っていただきましたので、ぜひご覧ください!
――全国トーナメント、優勝おめでとうございます! いまの率直なお気持ちをお聞かせください。
とこまゆげ ありがとうございます! 本っ当に「うれしい!」のひと言です。あとはもう「やってしまった……!」という感情も少しはありますね(笑)。
──仙台予選の優勝の際にお話をうかがったときは「全国出場をすること」を目的としていたと聞きました。もちろん優勝は視野に入れていたと思いますが、出場と同時に優勝ですからね……。
とこまゆげ 地区予選のときは、何よりも“戦”のファイナリストになるために力を注いでいたので。いったん今年はファイナリストまで上り詰めてから練習を重ねて、来年・再来年でチャレンジしていこうと思っていたんですよ。
──いきなりでしたね(笑)。前のインタビューのとき、あまり寝られないうえに毎晩“戦”予選の夢を見て、しかも負けていたというお話を聞きまして、そこまで情熱を傾けているのはすごいな、と印象に残っています。
とこまゆげ 予選で優勝してからは、そういった夢は見なくなっていました(笑)。不思議と地区予選のときよりもプレッシャーはなかったのですが、初戦はやはり緊張しましたね。「ここで負けたらどうしよう」という気持ちが大きかったです。勝ち上がってベスト4に入ったときは、メンツが全国でも本当に名前が知られている人ばかりだったこともあり、そこからは「ここで負けてもしょうがない」と振り切っちゃった感じはありました。
──以前のインタビューでは「もう一度デッキを練り直して練習する」と仰っていましたが、全国トーナメントに向けてどれくらい準備されたのでしょうか?
とこまゆげ 土日はずっと練習していましたね。ダメージ計算も仲間に教えてもらいつつ「エンデガ何枚返しだったらどれくらい出るか」とか、そのあたりはほぼ暗記して臨みました。ただ、Mappy会長さんや卍たなきー卍さんの場合はもっとすごくて、彼らはブレスドソーディアンなどのデバフを置かれた状態からも正確にダメージ計算ができるんです。でも自分にはそういった技術はないので、あらかじめ覚えておく方向にしました。
──どちらかというと算数・数学の話になって来ますよね。
とこまゆげ 数字はけっこう好きなんですよね。ただ、すぐに計算できるとなるとまた話が違ってきて。クラスマッチとかだと余裕があっていいのですが、待ち時間アリで壇上となると、いろんな人に見られているということもあり、プレッシャーでうまく計算できないこともあります。なので、先に覚える努力をしたほうが個人的には合っていると思いました。
──決勝戦の組み合わせですが、=sai=選手とは最寄り駅が同じだとか。同郷のライバルと最終決戦で戦うというアツい展開は、まるで少年漫画のラストシーンのようにも思えました。
とこまゆげ そうですね(笑)。デッキや戦いかたなど、お互いに手の内はだいたい知っているんですよね。
──そうなると裏の裏をかいて、といった読み合いの読み合いになると思うんです。たとえば決勝戦第3戦、ここで負けたらもう後がないという状況でした。デッキ選択を長考された結果、なぜ回復耐久を選ばれたのでしょうか。
とこまゆげ 最後に選択肢として残っていたのが、自分が神単と耐久の2択で、=sai=君の残りが魔デッキと混合でした。前の試合を見ていて、アレスをかなり使っている印象だったので、そこに耐久をぶつけようと。逆に神単でいったときにアレスだとしんどいんですよね。罠もそうですし、ティターニアが入っているのも見えていたので。そこに耐久をぶつければ堅いかな、と思っていたのですが、案の定読まれていたと思います。
──=sai=選手からすれば、耐久を使ってくることを読んだうえで、一気にHPを削れる可能性がある混合を使ったのではないかと。
とこまゆげ そういうことですね。混合も来るのではないかと思ったのですが、神単を使ってアレスをぶつけられると、まず勝てないので。だったら混合に耐久をぶつけたほうが勝ちの目があると思っていました。ただ、=sai=君のほうが悩んで考えていたように感じましたね。
──そのような高度な読み合いがあっての優勝ですが、今回でリアルイベントの戦績がすごいことになりましたね!
【とこまゆげ選手 リアルイベント戦績】
2017年 オセロニアンの宴(大阪):3位
2017年 オセロニアンの宴(東京):3位
2017年 オセロニアンの宴(仙台):優勝
2018年 オセロニアンの合戦 予選(仙台):2位
2019年 オセロニアンの宴(名古屋):優勝
2019年 オセロニアンの戦(全国):優勝
ネカフェ(オセロニアミーティング)店舗代表7回/優勝2回
とこまゆげ ありがとうございます。戦うのは好きなんですが、持ち上げられるのはちょっと苦手ではあります……(笑)。
──それでは、決勝トーナメントでとくに印象に残っている試合はありますか?
とこまゆげ 選ぶのが難しいのですが、強いて言えば=sai=君と、ツッキー君との戦いですね。ツッキー君のときは初っぱなから暗黒ミラーになって、そのうえ相手がクリスマス・イモードラのようなオーラバフを持っているのはわかったんですよ。ランドタイラントではないなと。そして、その隣りの駒をまったく出して来ないんですよ。「あー、これシェンメイだ」と気づいちゃって。「キツいなあ」と素直に思いましたね。そこを制することができたのが、自分の中では印象的でした。勝負どころだったのかなと。なんと言っても、合戦の“勇者ツッキー”ですからね(笑)。
──ツッキー選手はここぞという場面での大逆転や、思わぬ一手での爆発力に目を見張るものがありますからね。公式のPVでもついに“主人公キャラ”扱いされていましたから(笑)。
とこまゆげ そこも含めて、ツッキー戦はキツいなあと思っていました。つぎがラニミラーになって、さらに両方とも後攻で。そこは「終わった……」と素直に感じましたね。
──それにしても、2連続でミラー対決というのは壇上ではあまり見ませんよね。どういった読みに基づいてのことだったのでしょうか?
とこまゆげ あれは単純に、3戦目に耐久と神単という、2種類の神デッキを残しておきたかったんです。ツッキー君もラニと竜を切らせた状態だったので。その前にツッキー君が使っていたのがシエンティアトップの神だったんですよね。そこで耐久をぶつけようと。ただ、もしそうなったら負けていたと思います。戦った後にツッキー君に聞いたのですが、金色・リッチやフレデリカを入れていたデッキを用意していたらしく。それを耐久にぶつけられていたら終わってましたね。
──結果的に読みがよかったということですね……!
とこまゆげ ギリギリでしたね。そして=sai=君との決勝ですが、とくに2戦目がHP2000くらいしか残っていない状態での巻き返しだったので。がんばって耐え続けてよかったです……!
──正直なところ、「ここから勝つのはムリだろう」と思っていました。ある程度『オセロニア』をやっている人ならば誰しも感じると思うのですが、「どうやったってムリ」という局面があるじゃないですか。あそこがまさにそれだったと。ミサトは貫通で無効化されてしまい、進化ブランジェッタの導線を作り、=sai=選手が竜鱗駒で返さざるをえない状態となり。
とこまゆげ 自分も流石に「負けた!」と思いましたが、最後まで最善を尽くそうとしましたね。
──有利だったはずの=sai=選手も印象的でしたね。もし自分だったら勝ちを確信して油断してしまいそうですが、祈っていましたからね。つねにあらゆる可能性を模索する、=sai=選手らしさが現れたシーンだったと思います。
とこまゆげ 自分もあのとき、その場しのぎの回復ばかりしていて。そこからターンをつないでいたらなんとかなったと。本当にギリギリでしたね。
──1戦目はとこまゆげ選手が暗黒で、=sai=選手が神単でしたよね。
とこまゆげ あれも読まれた結果、神単で対応されたと思います。
──HPを半分切らせず慎重に立ち回り、闘化リンドの導線を作るというギリギリの展開でしたが、そこで=sai=選手の手にジークフリートが到来し、ウンディーネにつないでフィニッシュという。
とこまゆげ ジークフリートやシンジがいたら、その前に負けているハズなんですよね。なのでつぎのターンにアタッカーが手駒に来なければ勝てるという読みでした。
──そして第3戦は回復耐久とラニ混合での試合でしたが、フリジアの回復コンボが大活躍でしたね。
とこまゆげ あれは強かったです(笑)。2回もコンボを決められましたし、そのおかげでHP差をかなり付けられたのかと思います。
──勝負の分かれ目だったとは思いますが、盤面不利になっても=sai=選手はジェンイーでの4枚返しを選択しました。あれはやはりジェンイーの発動条件による判断なのでしょうか。
とこまゆげ そうですね。終盤になるにつれてスキルが発動しなくなってしまうので。こちらもデバフはあったのですが、あれでも飛ばないのはわかっていたので温存しました。
──ちなみに友人でもある=sai=選手のことは知り尽くしていると思いますが、ほかに警戒していた選手はいらっしゃったでしょうか?
とこまゆげ 強いて言えば卍たなきー卍さんですね。やっぱり、ダメージ計算を狂いなくできることって、すごいアドバンテージなんですよ。ギリギリの勝負で飛ばせる・飛ばせないという状況になると、確実に負けてしまうので。卍たなきー卍さんと当たったら、絶対こっちは飛ばないというくらいのHP差を付けなきゃ、とは思っていました。でも別ブロックだったので、そこは救われましたね……!
あとは当日枠の方です。だれが来るかわからないじゃないですか。動画などでも情報を仕入れられるので、あっちはこっちのことを知っていても、こっちはあっちの情報を何も知らないという。
──そもそも、当日枠で勝ち上がってくる人ってハンパじゃないですよね。
とこまゆげ そうなんですよ! 当日枠は、いちおう敗者復活戦という体にはなっていますけれど、正直なところ、各地方のトップが集うので随一の激戦区かと思います。各地方の猛者が揃っている状況で、ひとりだけ決勝トーナメントに進める実力があるのは相当です。
──ちなみにですが、決勝戦のときのBGMって聞かれてました?
とこまゆげ うっすら聞こえてはいましたね。「あれ? いつもと違うな」って。
──けいじぇいさんプロデュースで大会用に新しく作った曲ということで、今後はおもに“戦”で使われるそうですよ!
とこまゆげ 最初だけは聞いていたのですが、途中から集中しちゃって覚えてはいないんです(笑)。
──それはそうなりますよね(笑)。
▲決勝戦で使われたBGMは詳細不明ながら、頂上決戦にふさわしい荘厳な雰囲気と“エモさ”を兼ね備えた名曲。ぜひ決勝戦の様子とともに聴いていただきたい作品です!
──それでは、2019年のチャンピオンとしてやってみたいこと、伝えたいことがあれば教えてください!
とこまゆげ いや、ぜんぜん何もないです(笑)。有名になろうという気持ちもまったくないですし。強いプレイヤーと戦えればそれでいいです。名前が多少認知されるようになるかもしれませんが、たとえばクラスマッチで当たってスタンプを打たれたりとか、スクショを撮られてTwitterで「勝利しました!」と晒されたりとか、あまり得意ではないですね(笑)。これまで通り、ひっそりと全力で楽しんでいきたいです。
とこまゆげ選手が実勝戦に用意した6デッキを紹介! ご本人のコメント付きで掲載します。
オーソドックスな神単です。いろんな会場を制した神単をベースに作った正統派ですね。ほぼカンペキな仕上がりと思っています。
現環境の魔ラニデッキの完成形です。イザベラが本当に強いんですよね。正直に言うと、関西地区予選の壇上の伊丹さん(2017年“戦”優勝)のデッキを参考にしています。イザベラが実装されて間もなかったにも関わらず、トッププレイヤーが編成していたということもあり、すぐにプラスを振り切りました。
ポイントはユグルパです。人によっては「ふざけてるのか」と言われかねないのですが、そんなことはないです。自分ではものすごく強いと思っています。というのも、バフコンボが1.8倍なんですよ。暗黒竜のA駒だとこの倍率のものはほぼいないです。あと、捕食量がすごいんですよね。アルイーナルが出てくる環境になってから使い勝手がすごくよくなっていて、いまはスタメン入りですね。
これはもう、まったく参考にならない捨てデッキです。2017年の構成かな? という(笑)。1回も披露しませんでしたし、使うつもりもなかったです。6つデッキを提出する必要があったので、その穴埋めですね。
研究を重ねた結果生まれた、神単耐久です。魔ラニにルキアが入っているので、あえての神単ですね。シールドもほとんど省いていて、盤面勝ちを狙うコンセプトです。決戦駒のマイヤなのですが、これにもプラスを振っています。「耐久にマイヤはない。バレンタイン・ウケモチでよくない?」なんてことも言われましたが、単純にウケモチは1枚返しの条件がキツいんですよね。1枚返すならばほかのことをしたいです。発動しないという可能性があるというだけで安定性に欠けますから。いつ引いても発動するマイヤのほうが総合的に見たら安定感が出るな、という発想です。
披露する機会はなかったですが、卍たなきー卍さんの神単を粉砕するために作ったものです(笑)。ふつうのデッキに当たったらまったく勝てないと思います。神デッキを3つ用意していたのですが、最後の最後まで神はとっておいて、暗黒と魔ラニで戦い、相手が切ったふたつのデッキを見たうえで、神単、神シエンティア、耐久の中から選択できる形としました。
細々した普段のアレコレや、『オセロニア』への想い、そして環境について感じることなどの質問にお答えいただきました。
Q.普段の平均プレイ時間はどれくらいですか?
A.平日は1~2時間くらいが、“戦”準備期間の休日はずっとプレイしていました。7時間の睡眠以外はずっとです。プレイ時間以外も打ち筋を研究していましたね。
Q.プレイヤーネームの由来はなんでしょうか?
A.ぜんぜん適当に決めちゃいました。“まゆげ”にこだわりがあるわけでもないですし、“とこ”に至ってはなんだかわかりません(笑)。最初はそこまでガチでプレイするつもりもなく、本当になんとなくという感じですね。『オセロニア』はTwitterやそこでの交流もあり、名前を変えるとほかの人にわからなくなってしまうので、変えるに変えられなくなってしまい……。さらにネカフェや“宴”などで結果を残すにつれ「いまさら改名はできない」となってしまいました。もうちょっとカッコイイ名前にすればよかったです(笑)。
Q.『逆転オセロニア』でいちばん好きなコンテンツは?
A.カップ戦ですね。大好きです。クラスマッチはコスト200自体があまり好きではなく──フェリヤやファヌエルやベルゼブブなども出てくる、なんでもアリの環境なので。運要素がどうしても強くなってきますし……。カップ戦はコストの増減もあり、デッキメイクの幅が広いことが魅力です。毎月環境が変わる点も楽しいですね。あとカップ戦のBGMあるじゃないですか、アレを聴くと燃えますね!
コスト200でのクラスマッチはちょっと作業感があるというのが正直なところです。ただ、それでトップ10入りをできるのか、というと自分には難しいですね。毎月トップ10入りできるのプレイヤーはべつのところが秀でていると思いますし、素直にすごいと思います。
Q.普段、デッキ作りで意識していることはありますか?
A.あまり意識していないですね。自分独自に研究するというより、たとえば強いプレイヤーさんと当たったりしたら、そこで使われているデッキを参考にして取り入れていくというスタイルです。自分自身で考えると偏ってしまうんですよね。強いプレイヤーのデッキを自分で試してみて、「自分にこの駒は合わないかな」というところを調整していく形をとっています。自分はデッキ構築のセンスもありませんし、打ち筋もそこまでうまくないほうだと思っています。トッププレイヤーの構築や打ち筋を研究しないと、自分は勝てないと感じます。
Q.好きな戦い方はなんですか?
A.一気にふっとばす、みたいなデッキがとくに好きですね。たとえば相手が相手だったら、HPをできるだけ削らずに立ち回って、最後の最後でシェンメイでドーン! といったような。射程圏外から20000とかダメージ出して飛ばせると楽しいですね。
Q.好きなデッキタイプはなんですか?
A.難しいですね……、これといったこだわりはないですが、強いていえばだれが相手でも安定して勝てるデッキでしょうか。現環境だとやはり神単かと思います。耐久もべつに好きとか得意というわけではないのですが、環境下でアベレージを稼げるデッキを使う傾向にはありますね。いまは弱体化しましたが、半年くらい前の安定した強さを持っていた耐久は好きでしたね。
Q.苦手な展開はありますか?
A.先攻のX打ちですかね……。プレイングで対処しようがない展開は、交通事故と思っています(笑)。
Q.2020年からの新章について、思うことや期待したいことはありますか?
A.いまはオーラバフが多いんですよね。全国決勝を見ていて思われた方も多いかもしれませんが、ラニトップとか、神単とか、暗黒竜とか……。バフを重視したデッキに偏るより、以前に流行ったヨシノトップなど、それ以外のデッキタイプが出現する環境のほうがおもしろいとは思います。
Q.とこまゆげ選手にとって『逆転オセロニア』とはなんですか?
A.がんばって、努力して、アツくなれる、本気になれる場所ですね。第2回くらいのカップ戦でレジェンドを穫ったんですよ。そこで“ぴよ隊”というグループに誘われて入ったのですが、そうしたらみんな通話しながらカップ戦をずっと潜っているんです。「この人たちガチなんだなあ」と。自分もそこに混じってやっていたら勝てるようになり楽しくなってきて……。そのあたりですね、上を目指すようになったのは。練習してカップ戦で結果を出して。「がんばってよかった」という達成感が気持ちいいんです。つぎも挑戦しようという、やりがいを感じられますよね。
Q.それでは最後に、プレイヤーの皆さんにひと言お願いします!
A.“オセロニアンの戦”は、何よりもアツくなれる最高の舞台です。来年はこれまで出場していなかったプレイヤーさんもチャレンジしてほしいですね。僕もいまのモチベのままだったら、来年また出ると思います!
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