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【乖離性MA】若き開発者による力作!『乖離性ミリオンアーサーVR』加島Pインタビュー

2017-06-03 10:00 投稿

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開発までの経緯が明らかに

ミリオンアーサーVRバナー

『乖離性ミリオンアーサーVR』(以下、『乖離性VR』)のリリースを記念して、本作プロデューサーである加島直弥氏へのインタビューを敢行。

本作の開発に至るまでの経緯や、加島氏の経歴などについても話を伺ってきた。

▼『乖離性VR』のゲーム内容はこちらの記事でチェック!
>記事公開後ゲーム紹介記事のリンクが入ります

加島直弥氏(『乖離性VR』プロデューサー)

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遊び心でプロトタイプを開発!?

――『乖離性VR』製品版発売に至るまでの経緯をお話いただけますか?

加島 もともとは『乖離性ミリオンアーサー』(以下、『乖離性』)のオフラインイベント”御祭性ミリオンアーサー(以下、御祭性)”が開催されたときに、「せっかくのイベントだから何かおもしろいことをしたいな」と思って趣味半分でVRデモのプロトタイプを作ったんです。

――つまり製品化を目指してというよりも、遊び心で作ってみた、と?

加島 そうですね。それを部署の人に見せたら好評だったので、本格的なデモ版を開発して御祭性に出展しました。

――そんなお手軽な感じで作れてしまうのはすごいですね(笑)。デモ版の開発も加島さんがされたのでしょうか?

加島 プロトタイプは『乖離性』のリソースを使って私が開発したのですが、御祭性に出展するためのデモ版の開発はVRのノウハウがあるカヤックさんにお願いしました。結果的に御祭性にお越しいただいたお客様にもお喜びいただけたので、製品版の開発が動き出しました。

▼2016年の御祭性でVRデモが展示されたときの様子

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1i【乖離性MA】御祭性MA現地レポート! VRで『乖離性』の世界に入ってバトル!?

――製品版はデモ版を開発されたカヤックさんではなく、グリーさんが開発を行なっていますよね? 開発会社さんを変更された理由を教えていただけますか?

加島 製品版だと開発ボリュームも増えますので、“GREE VR Studio”のような専門スタジオを持っているグリーさんが適任だと思いました。また『ミリオンアーサー』はアニメテイストのキャラクターが魅力なのですが、グリーさんはアニメ的なキャラクター作りに長けているところも理由のひとつです。

――たしかに実写的なリアルさとは違った実在感がありますね。

加島 ウアサハなんかはVR空間内でかなり近づいてもアニメ的なリアルさを感じていただけると思います。最近のVRコンテンツでは実写的なリアルさを持った3Dモデルが多いと思うのですが、『乖離性VR』の場合は”アニメ風にリアル”っていう、2.5次元的な印象に仕上がっています。技術的にはアニメ的なシェーダーを使いつつも、光の加減で肌や服の質感にリアルさを出しているんです。

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――『乖離性VR』には『乖離性』らしいカードバトル以外の要素も多数内包されていますよね? それらの要素は開発初期から実装する予定だったのでしょうか?

加島 ウアサハとのふれあいは企画の最初の段階からありました(笑)。

――(笑)。ですが第一弾のVRデモはキマイラとのバトルだけでしたよね?

加島 本当はあの時点からウアサハとのふれあいを実装したかったのですが、開発に必要なリソースやイベント中の体験時間のことを考えて泣く泣くオミットしました。ただ最初のコンセプトにもありましたので、製品版では絶対に入れようと思って進めてきたんです(笑)。

――ウアサハとふれあえるVRデモの第二弾が御祭性などで出展されていましたが、あとのとき触れたところが製品版では触れなくなっていますよね?(笑)

加島 VRは新しいものということもあって、過激にし過ぎるとVRに対して悪い印象を持ってしまう人もいるかと思いましたので。最終的には頭をなでるだけというソフトなものにしました。

――ストーリーやデッキ編成といった要素も構想段階から入れる予定だったのでしょうか?

加島 その予定でした。『乖離性VR』では、“『乖離性』がVRでも遊べる”“ストーリーの一部が迫力あるVRストーリーで楽しめる”、そして“キャラクターとのふれあいも楽しめる”っていう3つの軸を持って企画・開発をしてきました。

――VRストーリーを入れようと思った理由を教えていただけますか?

加島 VRらしい体験のひとつとして、キャラクターが目の前で生きているかのように動くストーリーを入れようと思いました。ただ、ストーリーすべてをVRストーリーにするのはリソース的にも難しかったので、ストーリー上で印象深いシーンや見た目的なインパクトのあるシーンをピックアップしてVRストーリーで表現しています。

――とくに思い入れのあるVRストーリーを教えていただけますか?

加島 クーホリンがゲイボルグを投げるシーンは映像で見ることによって印象も変わるし、迫力も増すと思います。空中でゲイボルグが力を発動して氷塊を降らせるところなんかは、テキスト以上に伝わりやすくなったかなと。

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――クーホリンがゲイボルグを投げたことによって物語も大きく変化しましたね。

加島 そうですね。クーホリンがゲイボルグでコナハトの戦艦に攻撃を仕掛けたことによって、カラティンとの戦いに発展します。そういったストーリー上での転換期であることも、VRストーリーにした決め手です。

――本作には”カードパック”(※1)という課金要素もありますが、課金をしないと強いカードは手に入らないのでしょうか?

加島 『乖離性VR』は買い切りコンテンツなので、追加課金をしなくても十分遊べるようになっています。強力なカードももちろんドロップしますので、課金をしなければ強いカードが手に入らないわけではありません。あくまで“早く強くなりたい人向けのDLC”ですね。

(※1)カードパック:複数のカードがセットになったDLC。セット内のカードを確認したうえで購入できるため、欲しいカードを確実に手に入れることができる。

――買い切りの製品版としてリリースされましたが、今後カードや衣装、ストーリーなどのアップデートは予定されていますか?

加島 いまのところは未定ですが、反響次第では追加アップデートも行なっていければと思っています。また『ミリオンアーサー』は海外でもすごく人気があるので、じつは6月以降に韓国や台湾でも『乖離性VR』の販売を計画しています

学生時代からVRの研究に傾倒

――加島さんご自身についてもお話をお聞かせください。加島さんはかねてからVRの開発を行なわれていたのでしょうか?

加島 私は大学の学部生のときからVRの研究をしていまして、当時はVRを使ったコミュニケーションの勉強をしていました。いまで言うところのソーシャルVRですね。大学院に進学してからは物理シミュレーションを可視化して、エネルギーの流れをVRで見られるようにする研究などもしていました。

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――大学生のころからVRやARの研究をされていたのですね。

加島 当時のVRデバイスは大学レベルでないと保有できないほど高価なものでした。せっかく身近に触れられる環境にいるならと、遊び心も持ってVRの研究をしていました(笑)。

――学生時代からVRへの知見があるご様子ですが、よりVRにのめり込んでいったきっかけは何でしたか?

加島 Oculus RiftのDK1と出会ったことで、VRへの興味がより増していきましたね。じつは学生のころにGDC(※2)に行ったのですが、現地の小さいブースに長蛇の列が形成されていたんです。そこにOculus RiftのDK1の体験ブースが出展されていたんですよ。2時間くらい並んで体験したのですが、とても感動したのをいまでも覚えています。

(※2)GDC:Game Developers Conference。アメリカ・サンフランシスコで毎年2月~3月のあいだで数日間開催される、ゲーム開発者向けのイベント。技術的な講演などがメインで行われるが、新作ゲームや新しいデバイスの展示なども行なわれる。

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――大学で触れられていたVRデバイスとは別物でしたか?

加島 当時のVRデバイスは視野角が狭いものが多かったのですが、DK1は画質こそ低かったですが視界がとても広くて、そこがとても印象的でした。しかも価格が3万円っていうのもすごいなと。大学みたいな研究施設だけでなく、VRがより一般化していくきっかけになると確信しました

――ふと思ったのですが、日本の学生の方がGDCに参加するっていうのも珍しいケースですよね?

加島 当時HTML5を使ったブラウザ向けゲーム開発のコンテストで優勝しまして。そのつながりでご招待していただいたんです。

――それはすごいですね! となると、スクウェア・エニックスさんに入社後もプログラマをされていたのですか?

加島 いえ、スクウェア・エニックスに入社してからは、スマホ移植版の『聖剣伝説2』、『アリスオーダー』、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』のアシスタントプロデューサーをしていました。VRはずっと趣味の一環で開発や研究を続けていたのですが、その延長で仕事になった感じです(笑)。

――スマホゲームのアシスタントプロデューサーをされていたのなら、『乖離性VR』もGear VRやカードボードのようなモバイルVR化することはお考えにならなかったのでしょうか?

加島 せっかく『乖離性』のVRコンテンツを作るなら高品質のものにしたいと思ったんです。それに『乖離性』の3Dモデルはクオリティがとても高いので、モバイルVRにしようとすると画質を落とさざるを得なかったんです。それも嫌だったんですよね。

――だからHTC Vive向けで開発を進められたのですね。

加島 HTCさんに開発でご協力いただいていた背景もあるのですが、Vive向けにしたもうひとつの理由がハンドコントローラの存在です。モバイルVRはそもそもコントローラが無くて、当時のGear VRも画面横のタッチパッドでしか操作できませんでした(※3)。だからその分自由度が低いと感じていたんです。その点HTC Viveならハンドコントローラで直感的に操作できて、没入感もアップすると思いました。

(※3)Gear VR向けハンドコントローラは2017年5月23日より発売されている。

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加島氏が注目するVR/AR/MRデバイスは?

――昨今ではさまざまなVRデバイスが発表されていますが、加島さんが気になっているVRデバイスはございますか?

加島 マイクロソフトさんとエイサーさんが開発された”Acer WIndows Mixed Reality Headset“(通称:Windows MR)はとても気になりますね。非常にデバイスが小さくて、日本でも4万円で買えるっていう価格設定にも驚きました。

■Acer Windows Mixed Reality Headset

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――Windows MRは今年のGDCでも展示されていたらしいですね。

加島 GDCで展示されているのは見たのですが、触れはしなかったんですよね。だから単純に、自分が触ったことがないから気になるっていうのもあります(笑)。インサイドアウトトラッキング方式により外部カメラ無しでポジショントラッキングができるんですよ。価格も安く、配線もシンプルになるため購入の敷居がかなり低くなると感じています。

――最近ではVRのテクノロジーとしてもFOVEなどに導入されているアイトラッキング(※4)技術もございますが?

加島 アイトラッキングはUIとして非常に使いやすい機能だと思います。今後発売される新しいVRデバイスには、ぜひアイトラッキングがデフォルトで導入されて欲しいですね。

(※4)アイトラッキング:視線の動きを検知する技術のこと。FOVEをはじめとするアイトラッキングを導入したVRデバイスでは、視線の動きをコンテンツ内に反映することができる。

――加島さん個人として、現在のVR市場をどう見られていますか?

加島 2016年には”VR元年”と言われてVRの市場が拡大しましたが、爆発的な普及をしていないのが現状です。その要因のひとつがデバイスの値段が高いことだと思うので、Windows MRやDaydreamみたいな高品質だけど比較的購入しやすいVRデバイスがどんどん出てきて、より広く親しまれた段階でようやくVRやMRも広まっていくのかなと思います。

――VRとMRの進化は別々ではなく、同時並行的に進んでいくとお考えですか?

加島 むしろVRもMRもARもいずれはひとつになったほうが便利だと思います。VRだと視界をすべて覆ってしまいますが、MR/ARも混じればつねに視界が開けることになるので、日常的に装着できるようになるんですよね。ひとつのデバイスでVR/MR/ARの切り替えができて、メガネぐらいのサイズになってくれば、一般層にも浸透していくと思います。ただ、そこの技術的な進歩や価格競争はハードメーカーの方々にお任せすることになりますが(笑)。

――(笑)。そうやってハードが進歩してきたら、コンテンツメーカーとしての腕の見せ所ですね。

加島 そうですね。そのときに向けて、コンテンツを作る側としては研究開発も兼ねていろいろなコンテンツを作っていきたいと思います。

――『乖離性VR』はHTC Vive向けの所謂”PC VR”ですが、今後モバイルVR向けのコンテンツの開発なども予定されていますか?

加島 作れるなら作っていきたいですね。いままでは『乖離性VR』に注力してきましたが、今後は新しいデバイスに向けて何か作っていければと思っています。

――本作は『乖離性』ファンだけでなく、VRファンからも注目を集めているタイトルです。それぞれのファンに向けてメッセージをいただけますか? まずは『乖離性』のファンに向けてひと言お願いします。

加島 『乖離性』をVRで体験できるということで、いままで小さなディスプレイの中でしか会えなかったキャラクターたちが目の前にいて、しかもふれあえる。ぜひぜひかわいらしいキャラクターたちに出会いに来てほしいですね。

――それでは最後にVRファンに対してもメッセージをお願いできますか?

加島 VRゲームが好きな方々には、まずは『乖離性』ならではのカードゲームを楽しんでいただいて、そこから日本独自のアニメテイストなキャラクターたちにも注目してほしいですね。VR市場は欧米向けのゲームが多いこともあって、実写的なリアルさを持ったキャラクターが多いですが、『乖離性VR』ではクオリティの高いアニメテイストなキャラクターともふれあえます。カードゲームやキャラクターとのふれあいを通じて、『乖離性VR』だけでなく、『乖離性』や『ミリオンアーサー』シリーズを好きになっていただきたいですね。

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乖離性ミリオンアーサーVR

メーカー
スクウェア・エニックス
公式サイト
http://portal.million-arthurs.com/kairi-vr/
配信日
配信中
価格
3980円[税込]
対応機種
HTC Vive

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