【夕刊】人はなぜモチを食べるのか

【担当者のヒトコト】

皆さん明けましておめでとうございます。

正月は実家でグータラ寝る日々だった。寝ている私に、追いうちをかけるように親は「オモチでも食べないさいよ」などと勧めてくる。私はそれをバクバクと食べた結果、モチのようにブクブク太ってしまった。

おかげで今日、これから親族の法事があるというのに、喪服が入らないという問題に直面している。今この記事を書いているのが午後4時なのだが、なんとか6時までに着なくてはいけないので、昨日から絶賛断食中なのである。モチめ、新年早々こんな試練を与えるとは……。

思えばこの喪服を作ったのは1年半前。当時ガリガリに痩せていた私は、市販の喪服のXSサイズでもなおブカブカだったので、お店で詰めてもらったのだ。って、今の私、そんな服が入るわけないやん！

バカ、1年半前の私、太れよ！　そんな舐めた体じゃ倒れるぞ！　(あ、太ったから今の私がいるのか。ナハハ)

しかし……私は、今回の戦犯であるモチをじっと見ながら思うのだ。なぜ人はモチを食べるのだろう？

このモチ、ものすごくおいしいかと言われると、個人的には微妙な気もする。

確かにお醤油をつけてノリを巻いて食べればおいしい。お雑煮に入れて、鶏肉と一緒に食べればおいしい。

でもそれって、モチの味と言うより、醤油や雑煮の出汁の力なのではないだろうか？　などとつい、疑いの目を向けてしまう。

お米やパンと同じような主食にカテゴライズされるのだから、そもそもモチ自体にそんなに味がするものではないのかもしれないが、それにしてもモチを主食に、他のおかずを食べようと言う気にもなかなかならない。そういった点では米やパンに比べて汎用性に欠けるような気がしなくもない。

「ラーメンが好き」「たらこパスタが好き」などと言う人はいるけれど、「オモチが好き」と言ってる人は聞いたことがない。そういった意味でも、麺と比べてもスター性に欠けるような気もする。

極めつけに、モチの暴力性にも注目したい。モチをのどに詰まらせることによって、毎年多くの人の命が奪われている。かくいう私も、何度か危ない橋を渡ってきた。そこで学んだ攻略ポイントは、「人と話しながら食べると超危険」ということだ。むせたら最後、せっかくの家族の団らんも、モチを食べてるときばかりは、食べるほうに集中したほうがよさそうだ。

そのくらい注意を払って食べなくてはいけないモチ。でも、正月が近くなるとやっぱり食べてしまうのだ。モチの関係者からクレームが入りそうなほどモチのことをディスったけれど、なんだかんだ私はモチが好きだ。

モチの魅力は、やはりあの見た目と弾力なんだと思う。白くてもっちりとした肌はモチ肌などと呼ばれる。30が近い私にとって、魅力的な言葉だ。モチのような女……イイネ！　危険な女だと分かっていても近づいてしまう心理に近いのだろうか。

ああ、なんかこんなことを考えていたらお腹がすいてきたからモチを食べようっと。

(さとるり)

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