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【CEDEC 2015】日本発モバイルゲームの欧米進出に立ちはだかる壁

2015-08-26 16:57 投稿

2015年8月26日から8月28日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されるコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2015”。ファミ通Appではスマホ関連のセッションを中心にリポート!

欧米に進出することは挑戦

国際的な法律の専門家ディアン・ミュルネクス氏が「モバイルゲームが欧米に進出する時」というテーマで講演を実施。ゲーム会社が参入したい市場の理解、収益性を高めるためのビジネスモデル、データ分析等に関してアドバイス業務を行っている氏が、欧米と日本の市場の違い及び、欧米市場の規制や制約について語った。

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日本のモバイルゲームが欧米に進出する際、まずは、日本と欧米、それぞれで成功しているタイトルから成功の要因を探ることが必要。そこでいくつかヒットを記録したタイトルとともに、そのトレンドが紹介された。

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第一のトレンド

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最初に紹介したのは、まったく無名の状況から大ヒットを記録した『Flappy Bird(フラッピー・バード)』。あまりの人気に開発者が対応しきれなくなり、アプリストアから姿を消したのは記憶に新しいところ。本作は、アクションはひとつの操作だけで、グラフィックはレトロ。とにかく、ゲームのロジックを理解するのが簡単だったことが、ユーザーにリーチして大ヒットにつながったという。ただし、過去のゲームと非常に似ている点があり、裁判沙汰になりかねない内容であったとも言及した。

第二のトレンド

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つぎに、2014年に流行したモバイルゲームをトップ10まで紹介。これらの多くは、すでに周知されているキャラクターや物語をベースに作られたもの。ゲームロフトの『怪盗グルーのミニオンラッシュ』などはその典型で、大きなヒットを生むには、早い段階でキャラクターの使用権を得る先見の目が必要とのこと。そういった作品は、既存のファンに対してマーケティングができるので、さまざまな戦略が立てやすいという。

第三のトレンド

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さらに、大金をかけて製作される大作は、発売日前に宣伝広告費が大きく投入される一方、モバイルゲームは、リリース後のマーケティング、運営に大きな資金が投じられることを話題に。こういった状況は、モバイルゲームのメディア化が進んだ結果だという。それを促したのが、Facebookの存在。『ゲーム・オブ・ウォー』『クラッシュ・オブ・クラン』のようなリアルタイムの戦略型モバイルゲームが大きな成功をした結果、人々の日常生活の一部となって、ユーザーは自身のFacebookでそれをアピール。新たな文化となっていることを解説した。

第四のトレンド

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そして最近多くみられる動きが、成功したタイトルのモバイルバージョンをリリースする方法。予告編やスピンオフというという位置づけで、ユーザーに知る機会を与えて興味を逃がさない手法だそう。たとえば『フォールアウトシェルター』は、コンシューマソフト発売数か月前にモバイルアプリをリリースするパターン。また、『マインクラフト』の場合は、このソフトに気軽に手を出してもらうためだったり、逆にPC版へ誘導する狙いもあるという。

市場を知ることが大切

続いて、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカといった世界の市場を比較。どのようなジャンルが好まれるのかは、もちろん市場によって異なるが、DL数と収益性で比較するとそこに違いも見られる。これは、ゲーム性の違いのほか、開発費と運営費、どちらに資金をより投入するかで変わってくると説明。

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ただそれについては、ユーザーが誰なのかというところを見極めないといけない。課金をしてくれるプレイヤーはやはり男性が多く、女性はカジュアルプレイヤーだが頻繁にプレイする傾向が。ゲームをプレイするターゲットを見極めて開発、運営をする重要性を語った。

欧米と日本の市場の違い

そして話題は、欧米と日本市場の違いに。欧米では、リアルな世界観のゲームが好まれ、FPSが主流。日本では、明るい色使いのファンタジー世界のRPGが好まれる傾向が強いとのこと。求められる難度や、ゲームの導入部分のハードルの高さでも両者で違いが見られるという。

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とはいえ、そのような市場の違いが見られても成功例はあり、『クラッシュ・オブ・クラン』はスーパーセルがアジアのチームと組んでローカライズ、宣伝も日本市場に向けてソフトバンク主導のもと大規模に展開。『クロッシーロード』では人気タレント江南スタイルを使ったCMで大々的に宣伝したり、『キャンディークラッシュ』では、CMはもちろん、キャラクターを売り込むために、歌やアパレル、さらにキャンディーも作って徹底アピール。宣伝自体も各市場に合わせたものにするのが成功の秘訣のようだ。

ヨーロッパ市場のいま

講演の終盤に、ヨーロッパではソーシャルゲームの規制が話題になっていることに言及。習慣性、中毒性、ギャンブル性があるものと認識し、規制をかけようとしている国があり、まさに精査中らしい。しかも、モバイルゲームの運営に欠かせない、ユーザーのプレイデータを解析することにも規制がかかる可能性があるという。

よって今後、日本のモバイルゲームが欧米進出するには、その点を考慮し、収益を上げる方法を考えなければならない。そのためには、その国のパブリッシャーとタッグを組むことが一番の方法。その市場になじみがあり、簡単にDLできてアクセスしやすいという部分も大きなメリットになるそうだ。

また、各国の文化に合ったゲーム性もやはり重要で、たとえば、欧米で大きな成功を収めているセガの『FMH15』『バーチャルテニスチャレンジ』などは、スポーツゲームということで、全世界でルールの説明が不要というのが受け入れられやすい要因らしい。

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なお、アジア発である『ブレイブフロンティア』『サマナーズウォー』はRPGでありながらも、欧米で成功を収めつつあるタイトルだそう。ゲームのロジックに没入しやすい点が受け入れられたのでは、という見解を述べた。

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以上をもって、講演は終了。ヨーロッパでの規制の問題はあるにせよ、日本発のタイトルが複数成功を収めている実績は、日本のゲーム業界にとって明るい話題であることは間違いない。

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