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【報道特集】NTTドコモがパブリッシャー事業を始めた理由(わけ)

2014-11-24 12:00 投稿

自社タイトルとしてスマホ向けアプリを配信

NTTドコモがゲームのパブリッシャー事業を開始、スマートフォン向けネイティブアプリ2タイトルの配信を発表した。大手キャリアとして知られるNTTドコモが、自社でゲームアプリの配信に取り組む理由とは? プロジェクトを取り仕切るゲームビジネス担当課長の渡辺英樹氏(文中は、渡辺)と、主要タイトルのプロデュースを担当する河野紘一郎氏(文中は、河野)に、その狙いを聞いた。

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▲写真左が河野紘一郎氏、右が渡辺英樹氏

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※【新作】NTTドコモ初のネイティブゲームアプリ 『マジカルフリック』配信開始

さらに一歩踏み込んだゲーム事業を展開するために

――まずは、NTTドコモがパブリッシャー事業を始めようと思った経緯を教えてください。

渡辺 スマートフォンにおけるゲーム事業ということで言うと、当社では2012年からソーシャルゲームサービスの“dゲーム”を開始しています。まずは、プラットフォーム事業からスタートしたのですが、今回さらに一歩踏み込んだゲーム事業を展開しようということで、パブリッシャー事業を取り組むことにしました。NTTドコモ自らが、お客様に対して価値を訴求できるようなおもしろいコンテンツを提供していきたいというのが、ひとつのきっかけになっています。

――NTTドコモとしては、“パブリッシャー”として、さらに積極的にゲームビジネスに関わっていくということですね?

渡辺 そうです。NTTドコモでは、ここ数年基幹の通信業以外の分野“新領域事情”での開拓を模索していますが、ゲームは非常に可能性のあるジャンルだと考えています。そういった意味では、パブリッシャー事業は、“しかるべき流れ”だったと言えるかもしれません。

――提供されるネイティブアプリは、NTTドコモユーザー以外でも、遊べるのですか?

渡辺 もちろんです。App StoreやGoogle Playで提供していきます。当社では、2014年4月よりコンテンツ配信ポータルサイトの“dマーケット”をキャリアフリー化しており、どのキャリアのお客様であろうとも、当社のコンテンツを楽しんでいただきたいと思っています。dマーケット自体は、“スマートフォン上で魅力のある価値をしっかりと提供して、その結果、我々を選んでいただければうれしい”という発想ですが、ゲームコンテンツはその最たるものかもしれません。いいか悪いかは別として、“ドコモのお客様を意識しない”というのが、今回のプロジェクトの基本姿勢のひとつです。何よりも重要なのは、“ゲーム単体としておもしろいかどうか”ですから。

――“NTTドコモである”ということは、あまり全面に押し出さない?

渡辺 はい。とにかく、タイトル単体で勝負できるかが重要だと思います。『パズル&ドラゴンズ』や『モンスターストライク』のように、タイトル単体がブランド化してくれたら、それが理想ですね。“NTTドコモが作っている”と、お客様に認識していただくのは非常にうれしいのですが、「このアプリを作っているのは、NTTドコモだったんだ」という感じで、最後に知るくらいであってもいいのかなと。それで、最後にNTTドコモのファンになってくだされば、うれしいです。

――いずれにせよ、パブリッシャーとして、並々ならぬ決意を持って取り組んでいるということですね?

渡辺 そのとおりです。とはいえ、実際に事業を立ち上げての苦労は、想定以上のものがありましたね。私たちは、プラットフォームビジネスに関してはノウハウがありますが、ゲームのパブリッシャー事業に関しては、いわば“素人”と言えます。プロの方々には到底及びません。その辺は、経験者をスタッフに加えつつ、手探り状態で進めてきました。

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――タイトル自体の開発は、デベロッパーさんと協力して行っているのですか?

渡辺 そうですね。パブリッシャー事業1年目ということもあり、いくつかのパブリッシャーさんといろいろなバリエーションのタイトルに取り組むことで、可能性を模索しています。家庭用ゲーム機での開発が強いところや携帯電話のノウハウをたくさんお持ちのところなど、各社さんの強みを活かしたタイトルを開発するというスタイルですね。

――先日、『マジカルフリック』など2タイトルが発表されましたが(詳細は右ページの囲み記事を参照のこと)、いま、何本くらいのソフトを開発中なのですか?

渡辺 今回発表させていただいた2作を皮切りに、年度内(2015年3月)に全部で5本くらいを予定しています。あとは、“dゲーム”のブラウザゲームとして10本くらい予定しています。全部で15タイトル開発中ですね。

クラウドゲームへの取り組み さらには家庭用ゲーム機も!?

――スマートフォンの市場は、いま競争が激しいですが、勝算は?

渡辺 いまスマートフォン市場はレッドオーシャン(競争の激しい市場)とも言われています。たしかに、見かたによってはレッドオーシャンですが、それでもゲーム市場はどんどん規模が大きくなっていますので、ポテンシャルはまだまだ大きいと分析しています。そういった意味では、発掘の余地は十分にあるのかなと思っています。だからこそ、逆に私たちのような、いわゆる“新参者”だからこそできることも多いはずです。プロの皆さんにはない、斬新な視点や新しい切り口のゲームをご提供できるのではないかと。

――経験がないからこその強みもあると?

渡辺 “新参者”だからこそ、「ふつうはこんなこと考えないよね」という発想もいろいろとあると思うんです。フラットな視線で大胆に取り組みたいです。

河野 あと、当社の強みとして挙げたいのが、デベロッパーさんとの関係が密接であるということです。これは、iモードのころからの伝統と言ってもいいかと思うのですが、NTTドコモには“パブリッシャーとデベロッパー”という明確な区分けはなくて、“協業”という形に近いんですね。NTTドコモでは、“パブリッシャー”ではなくて、“パートナー”と呼んでいるのですが、パートナーさんが“自分たちのコンテンツ”として、開発に取り組んでくださっているんです。NTTドコモのゲーム事業は少人数体制ですが、複数のタイトルを走らせることができるのは、本当にパートナーさんががんばってくれているからです。

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――つまり、NTTドコモのパブリッシャー事業は、パートナーとの“共同事業”に近いということですね?

河野 そうです。私自身も案件によっては、パートナーさんの会社に行ってホワイトボードにプロットを書いたり、深夜まで議論したり……と、現場に入り込んで積極的に意見交換をしています。

――いずれにせよ、NTTドコモとしては相当大きなプロジェクトになりそうですね。

渡辺 プロジェクトとしては、それなりに大きいかもしれませんが、実際の体制自体はかなりコンパクトなんですよ。全タイトルを数名でプロデュースしています。このへんも今回のプロジェクトの特徴で、“スモールチームでスピーディーに判断する”というのを目指しています。組織立って縦割りで……というわけではないんですね。コンパクトにして意思決定を早くしています。

――つまり、移り変わりの早い、いまのゲーム市場には、そういう体制じゃないと通用しないということですね?

渡辺 そうですね。大きいけれど、小回りよく動ける。とはいえ、最近はタイトルが多くなってきて、スタッフからも少し悲鳴が上がってきていますが(笑)。

――今期は15本を配信予定とのことですが、来期以降はどのような目標を?

渡辺 まずは、ネイティブアプリの本数をしっかりと増やしていきたいです。そのへんは、ゲーム会社さんといっしょですね(笑)。そのうえで、ヒットする確率をしっかりと高めていきたいです。あと、今回はブラウザゲームとネイティブアプリの話をさせていただいたのですが、NTTドコモではクラウドゲームも展開しています。“dゲーム”向けに、スクウェア・エニックスさんの『ドラゴンクエストX』やコーエーテクモゲームスさんの『信長の野望Online』を提供していただいているのですが、極めて好調です。当社としても、クラウドゲームには積極的に取り組んでいきたいですね。ブラウザ、ネイティブ、クラウドという3つの軸で、しっかりと進めていければ……と思っています。

――ちなみに、家庭用ゲーム機は?

渡辺 家庭用ゲーム機は……さらにワンステップ後かもしれませんね。なかなか一足飛びにできる領域ではないと思っていますので。できる体制やノウハウを貯めたうえで、検討していきたいです。私たちもゲーム事業を手掛けていますので、将来的な展開としては、十分視野に入っています。ただ、いまは可能性のあるところに集中投下している感じです。とにかく、パブリッシャー事業に関しては、あきらめずにやり続けていれば、いつかは成功すると信じています。失敗を恐れずに取り組んでいきますので、チャレンジ精神溢れるタイトルの数々にご期待ください。

「“新参者”だからこそできることも多い。
斬新な視点や新しい切り口のゲームを提供したい」

発表されたスマホアプリを紹介

2015年3月までに5タイトル程度のネイティブアプリを予定しているというNTTドコモ。先日明らかに現時点で明らかにされているのは右の2タイトル。iOS版が配信されたばかりの『マジカルフリック』は、星を重ねてコンボをつないでいくパズル型RPGで、開発を担当するのはエディア。イニス開発による『ドラゴンリバーシ』は、リバーシと対戦バトルを融合させたリアルタイム通信バトルRPGだ。さらに、今回の取材を通じて明かされたのだが、2015年1月には、マトリックスとの共同開発によるクレーンゲーム『クレーン&モンスターズ』が控えている。

マジカルフリック
縦横フリックでドロップをくっつけていく、簡単操作のパズル型RPG。iOS版は配信中。Android版の配信は11月下旬を予定している。

マジカルフリック
▲星の数とコンボ数に応じて味方キャラクターが敵を攻撃する。制限時間内にドロップをたくさんくっつけて、大ダメージを狙うべし!

ドラゴンリバーシ
おなじみリバーシをモチーフにしたRPG。リアルタイム通信バトルも搭載。iOS版は11月下旬、Android版は12月下旬の配信を予定。

ドラゴンリバーシ
▲白のコマで敵の黒いコマをはさんでひっくり返す。コンボが決まったときの爽快感がたまらない! 500種類以上のキャラクターが登場する。

クレーン&モンスターズ
クレーンゲームをモチーフにした新機軸のパズル。モンスターの育成要素も。iOS版、Android版ともに2015年1月中旬配信予定だ。

クレーン&モンスターズ02
▲インタビューに合わせて情報が明かされた新アプリ。クレーンで仲間のモンスターを掴んで攻撃する。クレーンもモンスターも育てられる。もちろん掴めなかった時のもどかしさもしっかり再現。

※『ドラゴンリバーシ』と『クレーン&モンスターズ』の画面は開発中のものです。

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