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【CEDEC 2014】ドリコムとCC2の赤裸々トーク!『フルボッコヒーローズ』が見せた成功と反省点

2014-09-03 22:53 投稿

ここまでしゃべっていいの!?

パシフィコ横浜で開催されているゲーム開発者向けカンファレンスCEDEC2014。サービス開始前からガチャを利用できる、“フライングゲットガチャ”を発明した『フルボッコヒーローズ』。その開発・運営を行っているサイバーコネクトツー、ドリコムが、“フライングゲットガチャ”の誕生秘話、異業種協業体制について語った。

▲ドリコムの2名。長谷川取締役(写真左)と、同作プロデューサーのまんぞう氏(写真右)。
▲サイバーコネクトツーの2名。松山代表取締役(写真左)と同作ディレクターの小野田氏(写真右)。

“フライングゲットガチャ”の誕生をその成果

まず『フルボッコヒーローズ』の“フライングゲットガチャ”についてだが、こちらは事前登録3万件で成功と呼ばれるソーシャルゲーム業界において、事前登録48万件という驚異の結果を残したシステム。いわゆるリセマラ(リセットマラソン:ガチャでいいカードが手に入るまでリセットをし続ける行為)にも利用されたため、フライングゲットガチャが利用された回数は約1000万回にもなる。この“フライングゲットガチャ”の結果をリセットするためには、Twitterなどを通して関連ツイートをしなければならないのだが、その結果『フルボッコヒーローズ』に関するツイート件数は、リリース前にも関わらず140万件を超えていた。

▲前代未聞の事前登録者数を記録。ビジネスモデルとしての可能性を示すには十分すぎるほどの結果を残した。

このように凄まじい結果を残した“フライングゲットガチャ”はどのようにして生まれたのだろうか? ドリコムのまんぞう氏は「新規タイトルだったので、いかにして事前登録者数を伸ばすかが課題だった。そこでキーとして挙げたのが、口コミ効果。口コミ効果を得られて、事前登録者数を増やすにはどうしたらいいかと考えた。その結果、インターネット上で話題だったリセマラを利用することにしようと。それで“フライングゲットガチャ”が生まれたんです」と語る。その思惑通り、ガチャ内容をリセットするたびにツイートがされ続けたため、口コミは拡大。リセマラをすればするほど『フルボッコヒーローズ』の知名度は上がり、すさまじい結果を残すにつながったのだ。

▲このシステムは、バイラルを利用した貴重な成功例ともいえる。現時点でもこれをひな形として利用しているシステムが見受けられるようになっているが、今後さらなる進化を遂げることも予想される。
▲フラゲガチャ成功の背景には、バイラルのほか、メディアとの連携や良質なコンテンツの開発なども存在している。

課題の解決策を模索する2社

序盤こそ成功をおさめたものの、『フルボッコヒーローズ』の現状は成功とは言いづらいポジションに追いやられている。その現状に関して松山氏は「リリース当初は本当に順調だったが、リリースから6か月、売上はずっと下がり続けている。8月時には収益がリリース初月の5分の1にまで冷え込んでしまった」と語る。続けて松山氏は「“フライングゲットガチャ”単体自体の効果は、おそらくそこまで高くない。いいコンテンツがなければ、きっと誰もガチャを利用してくれないだろう。つまり『フルボッコヒーローズ』はお客様たちから期待をいただいた、いいコンテンツだったはず。しかし現状はこれ。なぜこうなってしまったのか」と反省を語る。

▲売り上げの伸び悩みとともに、運営についてしまったネガティブな印象をどう払拭し、どのようにお客様からの信頼を取り戻すかも課題と語られた。

『フルボッコヒーローズ』は、『.hack』シリーズなど家庭用ゲーム機の開発を行ってきたサイバーコネクトツーと、ソーシャルゲームの開発を行ってきたドリコムが共同開発したコンテンツ。異業種ともいえる2社の協業体制で開発・運営が行われてきたのだ。

まんぞう氏は「この体制は、両社の強みを最大限に活かせる体制」と振り返る。この体制がうまく働いた結果、開発当初に予定していた以上のカードデザインを作成することができ、アルファ版ですでにゲームのおもしろさが感じられるような作りになったという。しかし、どうやらメリット以上にデメリットのほうが多かったようだ。

▲両社の強みを活かそうと作られた異業種協業。このシステムがうまく回るようになれば、大きな進歩を迎えることになる。
 
▲仕事として、実際に得られた結果も多いようだ。とくに、当初ロンチカードユニットは160体予定されていたところ、200体以上も作れたというのは大きな躍進ととらえられる。

デメリットのひとつとして挙げられたのが、両社が扱う単語のニュアンスがことなるために起こる、打ち合わせ中の齟齬。これに関しては、出身がソーシャルとコンソールと、ベースがことなるため、こういったことが起こることは最初から想像できたはずだったという声も。また、このほかにもスケジュール進行やデータベース設計など、さまざまな点でズレが発生し、そのズレによって開発期間が延長されたこともあるという。

小野田氏はこのズレに関して「このような事態は、基本的に両社間におけるコミュニケーション不足が起こした結果。これを解決するために、さまざまな対策を講じた」と語る。これにより多くの問題は表向き解決されたようだが、長谷川氏は「腹を割っての話し合いは、まだまだ足りていない。会社同士としてだけでなく、人と人とのコミュニケーションも必要。この人はこういうことでモチベーションが上がるのだとか、そういう人を知ることは非常に大事なことだ」とコメント。

▲講演会で上げられたデメリットのケース。コンシューマ業界とソーシャル業界との差を意外な面から見ることができる。

「いろいろと障害が多かったという異業種協業体制をまたやってみたいか?」との問いに対してまんぞう氏は「強くてニューゲームのように、この反省を最初からいかして対策をばっちり取ってならやってみたいが、またまったく同じようにという形式では絶対にやりたくない」、小野田氏も「負けず嫌いなので、反省を活かした体制でぜひもう一度やりたい」と述べ、ともに反省点を活かしさえすれば、効果的な取り組みが行える可能性を示唆していた。

▲考えうる解決策の具体例も示された。これを参考に、今後2社と同じような異業種協業をするところも増えてくるだろう。

今後の展開について松山氏は「8月25日から実装したVer.2パッチによって、業績が少し上向きになっている。ドリコムさんとも相談し、今後は開発も運営もサイバーコネクトツー主導という新体制で進めていくことになったので、大きな混乱は起きないだろう。この半年間で、海よりも深く炎よりも熱く反省した。反省をした我々は強い。きっと半年後には「お、『フルボッコヒーローズ』のランキングいつの間にかスゴイ上がってるじゃん」とみなさんを驚かせる」と意気込みを語ってくれた。

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