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『つみネコ』が5周年アップデートを実施!そしてこの5年を振り返ってもらいました(開発編)

2014-01-10 19:07 投稿

なんと5周年!

ビースリー・ユナイテッドのスマートフォン向けアプリ『つみネコ』が配信5周年を迎え、アプリ内でも5周年記念のアニバーサリーステージが登場している。アニバーサリーステージは、蝶ネクタイやシルクハットで正装したネコたちが登場し、背景に『つみネコ』ヒストリーが配された“アニバーサリー感”満載なものとなっている。

▲これまでのステージは青空バックが基本だったため、モノクロ調が新鮮! ネコを積みながら『つみネコ』の歴史を振り返ることができるのだ。

なお、ポータルサイトの“つみネコ.com”内でも記念壁紙などが配布されているので、ぜひ訪れてみてほしい。

※つみネコ.comはこちら

これって奇跡的なことですよ

移り変わりの早いスマホアプリ業界で5周年を迎えられるというのはかなりの偉業だと言っていい。着実にファンを獲得し、地道なアップデートを続けてきたからこその成果と言えるだろう。そこで、配信元であるビースリー・ユナイテッド代表取締役の鈴木宏幸氏に緊急インタビューを敢行。『つみネコ』のこれまでの道のりを振り返ってもらった。貴重な資料も公開してもらったので、ファンならずとも必見の内容となっている。

 
▲ビースリー・ユナイテッド 代表取締役 鈴木宏幸氏

―― じつは意外なことに初インタビューです。こんなに長期間にわたってひとつのコンテンツを長く続けられるというのはすごいことですよね。

鈴木 『つみネコ』は12月でちょうど5年になります。iTunes App Storeがスタートして半年後のリリースですから、今となっては最古のアプリの部類に入るでしょうか(笑)。おかげさまでこれまで特別なプロモーションをしてきた訳ではないのですが、何となくいい感じに人気者でいさせていただいています。ありがたい事です。

――鈴木さんがiPhoneに目をつけたのはどうしてなんですか? 『つみネコ』ってもともと温めていたアイデアだったのですか?

鈴木 いいえ、全然違います(笑)。その話をするには少しそれまでの経緯をお話する必要がありますね。まず、会社自体は立ち上げてから8年程経つのですが、当初はケータイ周りでコンテンツ制作やプロモーション、システム開発などを受託する会社だったのです。

――ケータイ時代からこっち方面だったのですね。

鈴木 iPhoneが発売される前の年の2007年頃にはケータイコンテンツ市場は飽和していて、クライアントがそれまでのようなペースで新しい企画やコンテンツを作らなくなった事で、受託会社としては今後の身の振り方を考えていた時期になります。

そんな時に某お酒メーカーの人と、バーテンダーのようにケータイを振ってカクテルを作るような販促コンテンツがあったら面白いよね? という話しになったんですね。当時直感ゲームっていう仕組みがあったので、それを使ってとりあえず作ってみますよ、と言う事で着手しました。

――ああ、ボーリングのゲームとかありましたよね。ケータイを持って振る、みたいな。

鈴木 そうですね。ただ、あれは加速度センサーではなくカメラで動きを認識していたので、シェーカーを振った時のように、動きに応じてシャカシャカと気持ちのよい音をさせるのは難しかったんです。振り方によってはそれっぽくはなりましたけど、振らなくてもカメラの前に手をかざしてもシャカシャカと音がしてしまうので、これはダメだなという事で提案は取りやめました。

ちょうどそんな事をやっている頃、アメリカで発売されたばかりの2GのiPhoneを手に入れたんです。音楽のアルバムをパラパラパラめくって感動しました(笑)。周りにも随分自慢しましたね。皆も同様に「うおー」ってなりましたよ。それからしばらくしてiPhone上にコンテンツマーケットができる事を知りました。

アプリ業界に足を踏み入れる

――それでiPhoneアプリ参入がチャンスだと思ったんですね?

鈴木 それまでのケータイ公式サイトビジネスは、キャリアが着メロやデコメといったカテゴリーを設定し、そこにそれをやりたいCPがコンテンツを集めてきて並べるようなものが多く、ゼロからコンテンツを生み出すようなクリエイティビティが重要ではありませんでした。それに、既に人気カテゴリーでは勝負がついてしまっている状態でしたので、受託型企業が新たに自社コンテンツで勝負できるような時代ではなかったのです。

iTunes App Storeでのアプリ販売ビジネスは、今まで強かったキープレーヤーとのしがらみやコネも関係なく、お客様もケータイからiPhoneに持ち替えた事で、それまでのケータイコンテンツビジネスでの実績が一旦リセットされるかのような印象がありました。またコンテンツの自由度がケータイとは比較にならない程高い事も魅力でした。

とは言うものの、受託会社は市場環境が変わってもやはり受託会社でしかなく、憧れていたコンテンツ会社に変わるのはとても大変な訳です。言い忘れましたが、受託会社として長い間、企画提案をしてはその度、相手の都合で提案が通ったり通らなかったりするビジネススタイルをそろそろ卒業したいと思っていました。いつか仕事は出す側になりたいと(笑)。

コンテンツ会社にあって、受託会社にない3つの要素があります。1つは当たり前ですがコンテンツそのもの。人気のコンテンツは既にブランドと言ってもいいですね。そしてもう一つはお客様というか自社コンテンツのファン。あともう一つが、コンテンツを紹介してくれる媒体社との関係。この3要素を持っていない受託会社が、いきなりコンテンツを出した所で成功の確率は決して高くない。だから『つみネコ』のヒットの大部分はラッキーだったのだと思うのです(笑)。

――最初のアプリが『つみネコ』だったのですか?

鈴木 いいえ、つみネコの前に1本出しています。実はさっきお話しした『シェイク』の話に繋がるのですが、「シェイクのクオリティーが低いので提案止めます」って引っ込めたタイミングでiPhoneが出たんです。そのiPhoneには加速度センサーがついていると聞いたので、じゃあ『シェイク』も実現できるんじゃないかと思い、とりあえず移植してみました。結果、驚く程正確にシャカシャカしてくれたので、先程のクライアントに提案しようかとも思ったのですが、あくまでも販促用なので、iPhoneを持っている人が少ない段階ではダメだよね、という事で自社タイトルとしてマーケットに登録したという流れです(※現在は配信されていません)。じつは先見の明があってこのマーケットに来た訳ではないのです(笑)

――そのアプリはヒットしたのですか?

鈴木 App Storeオープン時は1発ネタのアプリなどもウケていましたので、もしかしたらイケルかもという淡い期待もありました(笑)。しかし、全く反応がない! よく考えたら「iPhoneって誰が持ってるの?」という話しになりました。ギークだとは思っていたのですが、殆ど誰も周りに持っていないからリアリティーがない。そんな時に写真共有アプリのオフ会があったので参加してみたんです。会場がオシャレなカフェだったのですが、来た人達がその雰囲気にはおよそ似つかわしくない感じで、予想以上に尖ってた(笑)。

――そういうアプリを使うようなライトユーザーじゃないと。

鈴木 全然でしたね。そこで初めて目にしたiPhoneユーザー達が強烈過ぎて、この人達に向けてコンテンツを作るのはイヤだなと思ったんです。それで頭を切り替えました。iPhoneは絶対に伸びるから、1年先の世界で待ってようと。1年後には女性やITリテラシーのそれ程高くない一般的な人も持っているだろう。だからその世界をターゲットに定めました。

――その勇気はすごいですね。予測もそうですけど、判断力がすごい。

鈴木 ありがとうございます。それで、そこをターゲットにしたときに出てきたキーワードが、キャラクター、動物、簡単ゲームでした。このキーワードでもう一回千本ノックをやり直しました。

――それまでは?

鈴木 闇雲、なんでもあり(笑)。思いついたものをとりあえずテーブルに置いてみるって感じでした。「動物で簡単なゲーム」とキーワードを絞ってブレストしている中で、ポロっと出てきたのがつみネコだったんです。デザイナーが猫が好きだからっていうのがあったからなのか、ブレスト中に猫をにょろにょろ縦に描いていたのを見て「あ、これバランスゲームになる」って一瞬で決まりました。

「あっ」て言った瞬間、“ツミネコ”っていう言葉も降りてきたので、ゲームの骨格は3秒位でできたようなものです。その場でネコが積まれているストラップも頭に浮かんでいたので、その後すぐに商標登録の準備までしていました。そのブレストはめちゃめちゃ盛り上がったんです。自分達が盛り上がったので、コレ絶対おもしろいから、みんなにも遊んでもらいたい! と、これまた精緻な戦略に基づいていません(笑)。

――ゲームだけじゃなくてグッズも見えちゃったんですね。

鈴木 見えちゃったんですよね。iPhoneにはストラップをつける所もなかったのに(笑)。

――当時は何人くらいのチームだったんですか?

鈴木 5人でした。開発期間は実質2ヵ月位です。1番時間が掛かったのはネコの傾きバランスの調整でした。普通の物理法則だけではどうやってもおもしろくならなかったので、ぼやかしながらもいかにそれっぽくするかに気を使いました。結果、賛否両論ありましたけどね(笑)。

秘蔵の『つみネコ』企画書公開!

――当時の企画書とかってまだあります?

鈴木 これです。たぶん本邦初公開じゃないかな。デザイナーの落書きからやろうということになって、最初はこんな感じでした。ウチのデザイナーかなりいいでしょ?(笑)

 

――企画書の緩い感じがいいですね。

鈴木 はじめ『つみネコ』って積み木の猫のイメージもちょっとあって、それでちょっと積み木っぽくなっている段階もあります。最初は一列というかたくさんピラミッドみたいに積み上げていくみたいなパターンも考えていました。積んでいくのはそうなんだけど、倒れて楽しいものにしようというのはあったんですよ。普通ゲームオーバーって「あーあ、終わっちゃった」ってなるじゃないですか。それをひっくり返したかったんですよ。

――たしかに崩れたときの「ニャーニャー」ってなる様子は失敗して悔しいときも、かわいいいから和むんですよねえ。あとやっぱり、そもそもネコがかわいいんですよ。もともとこの落書きを描いた人は何をしている方だったんですか?

鈴木 キャラクターデザインですね。でも絵を描かせたら可愛げがあるんですよね。ちょうどいいゆるさっていう、まあ手で描いているからっていうのもあるんですけどね。あとは猫が好きっていうのがベースにある。最初僕もこれ見て、「これ来る!」って思いましたよ。

――鈴木さんって、かわいいもの好きだったんですか?

鈴木 もともとは男っぽいものが好きでしたよ(笑)。むかし、コンサートのエンジニアをやっているときに、とにかくいいものを見ろと言われて、実際にそうしてきたのがいま役立ってるんだと思います。アーティストと仕事をやるから、アーティストときちんと話ができるように、というものだったんですけど、モノの良い・悪いの判断も磨けましたね。

思ったのは、ベースは演出だということです。ひとつの作品を作るときに、起承転結がどんな感じで、終わったときの気持ち良さがどうだとか。これやったらウケるかな。これやったら怒るかな。これやったらガッカリするよねとか、そういうシミュレーションは非常に大事にしています。

――でもそれって感覚でしかないですよね。

鈴木 みんなが喜ぶんじゃないかなっていうのは考えていて「ウッシッシッシ」って感じにはなりますね。早く出したいなとか。

――やっぱり作り手が楽しんでいないとユーザーにも伝わらないですよね。

鈴木 最初、この絵から始まってますけど、そこからのワクワク感がすごくて、これ多分超ウケるわと思って、一人で盛り上がっちゃった(笑)。

前半はここまでです。次回は『つみネコ』のブレイクに至るきっかけや、その後の運営、グッズ展開に関して話してもらいます。

つみネコ

メーカー
ビースリー・ユナイテッド
配信日
配信中
価格
無料※
対応機種
iOS 4.3 以降
備考
※プレイするにはdocomoのアプリ使い放題の月額制サービス“スゴ得”に登録する必要があります。
※AppStore版は100円[税込]になります。

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