【大塚角満の熱血パズドラ部!】第197回『ヘラ・ウルズの夜(その2)』

2013-06-27 20:35 投稿

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●ヘラ・ウルズの夜(その2)

前回の続き。

このたびのヘラ・ウルズ討伐行、助っ人は、俺の隣でカルーアミルクをすすっていたイラストレーター・I屋さんのイシスにした。

……そうです!

先日、念願の石川五右衛門を倒したときのメンバーと同じですよ!!

でも、このイシスに決まるまでにはちょっとした悶着があった。俺より遥かにランクの高い実力派、Iさん、Cさんがしきりに、

 「やはりここは、爆発力のあるホルスがいいですよ! サブメンバーは心許ないですが、キチンと4属性の連鎖を作って12倍の攻撃を叩き込めればノーコンも夢じゃない!! ワンチャンあるんです!!」

と薦めてきたのだ。しかも、おあつらえ向きに助っ人リストには、ヒッチコックの『鳥』のようにホルスが群れをなしてバサバサと飛んでいる。それも、かなり屈強なヤツらが……。攻撃力に頼った一点突破を狙うなら、イシスよりもホルスのほうが圧倒的いい。それは、火を見るよりも明らかである(ホルスだけに)。でも……。俺はおずおずと切り出した。

 「確かに、ホルスのほうがいいですよね。キチっと4属性コンボを作れれば、無事に立っていられるモンスターはそうそういないでしょうから。……でもですね、僕は四十を過ぎてからすっかり安定志向になりまして、危険なギャンブルからは足を洗ったんですよ

ハイネケンの生ビールで喉を潤してから、俺は続けた。

 「ホルスと比べたら多少は爆発力が劣りますけど、ここは安定してポテンシャルを発揮できるイシスでいきたいなと。……いや! 決してホルスを使いこなせないとか4コンボがムリって話じゃなくてですね!」

ナゼか必死になりだした俺をポケーッと見つめるオーディエンス。するとR子さんが、沈滞しかかった空気を吹き飛ばした。

 「つまり、ホルスじゃキッツーーーッ!! ってことね。ハイハイ。みんなわかってますから、早くイシスでいきなさいよ!」

これを聞いて、I屋さんがニヤリと笑った。「私のイシスを使っていいですけど、死んでもそのせいにしないでくださいね

満場一致で(どこがだ)、イシス×イシスでいけることになりました。

というわけで第1階層。現れたのはこいつらだ。

なんかいきなり、頼みのイシスが捕まったんですけどwww

で。

 「……」(Tさん) 

 「…………」(Iさん)

 「………………」(Cさん)

 「……………………」(I屋さん)

 「…………………………」(はいじぃさん)

 「………………………………」(永井さん)

 「……………………………………」(俺)

 「wwwwwwwwwwwwwwww」(R子さん)

なんと俺、「オール10連鎖でこんなヤツら瞬殺だっ!!!」と意気込んでやってきたのに3連鎖すらままならず、1匹のモンスターも倒せぬままゲームオーバーになっちゃった……。

あまりのショックに「ガタッ!!」と立ち上がったまま牛久大仏のように固まっていると、Cさんがこんな提案をしてきた。

「ま、まあそういうこともありますよ! まだちょっとだけ時間はあるのでいったん戻って、パーティー編成から練りましょう! ね、皆さんそうですよね! そのほうが確実ですよね!」

うんうん! と頷くIさんやTさんを尻目に、俺は衝撃のカミングアウトをする。

「あの……。そうしたいのはヤマヤマなのですが、スタミナが45しか残ってましぇん……。満タンでも95なので…………><」

 「あっ!」と言ったきり、今度はCさんが高岡大仏のように固まってしまった。ヘラ・ウルズが帰ってしまうまで残り10分程度しかなかったので、足りない分を補うには時間が短すぎる。選択肢はコンティニューか、あきらめるかの二択しかないのだ。

……いや、この段階では、選ぶ手段は一択である。俺は居並ぶ仲間たちに堂々と宣言をする。

「残っている魔法石は、たったの2個……。こんな中途半端に持っていてもしょうがないから、ここは迷わず“突っ込み”でしょう!! この2個の魔法石で、なんとしてでもヘラ・ウルズを仕留めてやる!! なあに、どうせゴッドフェスはしばらくないんだ(浅はか)。ここで使ってなぜ悪い」

べつに悪くはないが、この2日後に俺は激しく「な、なんであのときに魔法石を使った!!? 俺のバカ!!! ちねちねちね!!!><」慟哭することになるのだが、それはまたべつの話だ(理由、バレバレだけど)。

まあとにかく、俺はコンティニューしたのよ。アーマーオーガどもにボコられたけど、まだまだ「イシスだったらなんとかなる!!」という気持ちは折れていなかったので、これは“確かなる勝利への投資”だと思ったのだ。

そしてちょっとだけ落ち着けたのか順調に連鎖を作ることができ、わりとあっさり第1階層を突破。しかし踏み込んだ第2階層で、俺は意外なモンスターと出くわすこととなる。

 「あ……。こいつはフォーミュラーか……」

そう、このダンジョンの第2階層で待つのは、某パズドラ系単行本に特典として付いてきたモンスター、炎聖騎龍フォーミュラーなのだ。隣のI屋さんが、とたんにドヤ顔を作った。

 「そう! 私の描いたフォーミュラーと戦わねばならないのです!! がんばれフォーミュラー!!w」

これを受けて、俺は吠えた。

 「なにを!!!? 俺は負けぬ!!! とくに理由はないけど、ナゼかこのモンスターにだけは負けたくないのだ!!! 取り立ててなにかを張り合ってるわけじゃないんだけど、どうしても撃破したいのよ!! プランよ、俺に力を貸してくれ!!」

I屋さんが「ふっ」笑った。「プランちゃん描いたのもワタシですけどw」

でまあ、ライバル意識むき出しで激突したわけですが……。

何もできぬままこうなりながらも、「ま、まだ石は1個ある!!」とコンティニューして……。

こうなりました……。虎の子の魔法石をふたつも使いながら、けっきょくヘラ・ウルズの顔を拝むことすら叶わないという体たらく……。でも途中からオーディエンスは俺のことになどすっかり興味を失くし、“いかにしてR子を立派なパズドラーに育てるか”っていう新たな議題について話し合っていたんだけどな!!(泣)

すると、ひとり泣き暮れる俺のもとに、この店のバーテンさんの中ででもっともパズドラに打ち込んでいるAさんが近づいてきた。そして、「大塚さん、これを見てくださいよ!」と言って、自分のスマホを突き付けてきたのである。ナンダナンダと覗くと……。

 「ヘラ・ウルズのスキルアップ用に集め出したら、こんなに溜まりました^^ 大塚さんも、がんばってください!!!」

まるで邪心のない笑顔で言われ、俺は、「もうがんばったんだよぉ!!!!><」という言葉を飲み込むしかなかった……。

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大塚角満Twitterアカウント→@otsuka_kadoman

大塚角満(おおつか・かどまん)……週刊ファミ通、ファミ通コンテンツ企画部副編集長。編集業務のかたわら、執筆活動を精力的にこなしており、多数の連載記事を持つ。著書に、『モンスターハンター』シリーズのプレイ日記をまとめた『逆鱗日和』シリーズが9作、『ダークソウル』のプレイ日記をまとめた『折れてたまるか!』シリーズが2作品ある。現在、ファミ通.com上でブログ“大塚角満のゲームを読む”、“『ドラゴンズドグマ』で暮らす”、アメーバブログで“大塚角満のブログ”などを連載中
※ゲームを“読む!”はこちら
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■体裁:モノクロ272ページ

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