ツギハダレ？ ―死へのカウントダウン―の概要

レビュー

投稿日2019.11.23

外界から遮断された島を訪れた8名の大学生たち。

ミステリー研究サークルに所属する彼らは、メンバーの1人“陣島信士”の誕生日祝いを兼ねて成沢沙里奈の父親が所有する別荘に集まることになった。

貸し切りの島と誕生日。楽しいはずのイベントは1人の死によって崩壊してしまう。

本記事で紹介する『ツギハダレ？ ―死へのカウントダウン―』は、腕に刻まれた番号の順にメンバーが次々に命を落としていく中で犯人を暴き真実に迫っていく推理アドベンチャーだ。

ゲームの見どころ
●消えないインクが予告する恐怖の殺人予告
●点と点を結び真実に迫るマルチエンディング

ミステリー研究サークルのメンバーが企画したのは、信士の誕生日祝いを兼ねた5日間に渡る孤島ライフ。

この企画にはもう1つ、幼馴染の信士に想いを寄せる夏原初菜の告白というドッキドキのサプライズが水面下で進行していた。

そんな最中、告白を応援していた元気いっぱいの成沢沙里奈が翌日の朝、首を吊って命を落としてしまう。

自殺するような兆しすらなかった沙里奈の死。

彼女の手に記されていた“7”という数字から始まる死のカウントダウン。全員容疑者という精神的に追い込まれた環境で真犯人を探していくマルチエンディングのストーリーだ。

沙里奈の手に残されていた数字はマジシャンでもある坂月司が、“オーサー”と名乗るものから託されたスタンプを押して付着したもの。

赤外線に反応する入場者を管理するスタンプのような仕組みで、司はマジシャンのスキルを活かして全員に気づかれることなく押したらしい。

この数字が死ぬ順番であることを理解し騒然とするメンバーは、オーサーと名乗る犯人探しに翻弄されていく。

本作はクローズドサークルと呼ばれるミステリーの定番ジャンル。

そうした世界を研究する“ミス研”の彼らはさまざまな仮説を立て、互いを疑い自分自身を追い込んでいく。

そんなやり取りから生じる伏線やミスリードが、随所で発生する選択肢の際にプレイヤーを惑わせる。

誰の視点でどこにいるのかを示す画面左上の情報をこまめに確認しながら、複雑に絡み合うトリックを整理して真犯人を暴いていこう。

本作はマルチエンディング方式の物語。多彩な選択肢を通じて9種類の結末を歩んでいく。

その中で重要になるのが、先述した“いま誰の視点で語られているのか”を示す画面左上の情報だ。

キャラクター自身のセリフはともかく、心の声や語りに関してはメッセージウィンドウだけでは把握しにくい。

ときどき、これは誰の言葉だろうと感じる場面も多いので、こまめにチェックして重要なワードと関係性をしっかり理解していこう。

また、2度3度とプレイを重ねていくことで各キャラクターの“視点”を回収。選択肢を増やしていくことで新たなエンディングへのルートが開放される。

点と点をつないでいくことで自分の仮説が立証され、いっきに物語が動き出す瞬間はとても気持ちがよかったぞ。