レビュー
投稿日2019.10.27
想像の斜め上をいく再翻訳の世界
実写版まで登場した『前衛的なクソゲーRPG』シリーズを手掛ける個人開発者、ぬか漬けパリピマンの最新作『再翻訳クエスト』がリリースされた。
本人曰く、“つくりかけのボツゲー”らしく、もともとよくわからなかったセリフを再翻訳したら“もっとおかしなことになった”らしい。
それではさっそく怪作の魅力を紹介していこう!!
ゲームの見どころ
●破壊力抜群のぶっ飛びすぎる再翻訳
●ON推奨の記憶に残るフルボイス機能
破壊力抜群のぶっ飛びすぎる再翻訳
作ったはまではよかったがつまらない。
それなら再翻訳してみようじゃないかとやってみたら、よくわからないクソゲーができあがってしまったとうぬか漬けパリピマン。
まずは本人登場のリリース告知動画を見てほしい。
本作は魔王の討伐を目指す王道展開をなぞっていくロールプレイング。
平均クリアー時間15分程度のショートゲームだが、仲間との出会いや簡単なレベリング要素など、ひと昔前のRPG体験が凝縮された欲張りな内容だ。
みんなはローカライズされていない海外ゲームにいわゆる“日本語MOD”を当てたものをプレイ、もしくは実況動画を視聴した経験があるだろうか。
グーグル翻訳そのままになんちゃって日本語が飛び交うあのむずがゆい感覚を本作では全編に渡って楽しめちゃうというわけだ。
予想以上に派手なバトル演出も多く、モンスターのデザインもリアルで手が込んでいる。
黙っていればレトロ感を売りにした本格的なRPGなのだが、そこに広がっているのは全力全開のぬか漬けパリピマンワールド。
素直な気持ちでツッコミながら魔王討伐を目指していこう!!
ON推奨の記憶に残るフルボイス機能
本作もうひとつの注目ポイントはONとOFFを自由に選べるフルボイス機能。声優は新人か大御所か、当然そんなことを気にしちゃうユーザーも多いだろう。
しかし、そこはぬか漬けパリピマン。
ぜーんぶ自分で演じているのだ。
しかも、エコー混じりでクセの強い演出。舞台役者のようなセリフ回しで押し切る怪演に、最初は戸惑っていた自分の表情もどんどんゆるんでいく。
このセンスはマジで異常。
常識のものさしなんてつまらないもので本作を測らず、心を無にして彼の世界観を全身で浴びてほしい。
P.N.深津庵
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