レビュー
投稿日2019.09.22

前衛的なアレがたどり着いた進化のカタチ
タイトルに負けない奇抜な世界観でコアなアプリゲームファンを賑わせた『前衛的なクソゲーRPG』シリーズ。
その最新作がなんとびっくり実写になって登場。しかもフルボイスだというのだからもう1度驚くしかない。
本記事ではそんな『実写版クソゲーRPG』の攻め具合を紹介する。
ゲームの見どころ
●愛すべきクソ過ぎるショートロールプレイング
●子どもの“ごっこ”感を味わえる世界観
愛すべきクソ過ぎるショートロールプレイング
本シリーズの仕掛け人であり謎多き人物、1度聞いたら忘れられない名前で暗躍するぬか漬けパリピマン。素顔や経歴などいっさい不明だが、間違いなく彼のセンスはスマホアプリ界隈で唯一無二のものであろう。
そんな彼が手掛けてきた『前衛的なクソゲーRPG』が実写になったというのだから震えが止まらない。
魔王が近所に引っ越してきて目障り。じつにシンプルで明確だが、もはや当たり屋のような無茶苦茶な理由で勇者に討伐を依頼する王さま。
回りくどい説明もなければ物語の背景などにはいっさい触れない。
眠たくなるトークばかりする校長先生は少し見習ってほしい朝礼……もとい旅立ちだ。
のどかな田園を右から左に移動。その道中にある町で武器を買ったりとささやかながらロールプレイ感を味わえる。
歩いたりカーソルを動かしたりと、何かに付けて効果音が設定されており、これがうるさいのだけどクセになるから不思議。ぬか漬けパリピマンやりやがったなと笑ってしまう。
バトルはサイドビューで遊びやすく、“俺のミサイル”や“究極一閃俺の舞”といった習得したからには見たくなる必殺技。最初から回復アイテムを99個所持しているなど、ブレることのない尖った要素も楽しめる。
魔王が待ち受ける“禍々しい魔界”までは歩く効果音でカウントすると数十歩程度。マジでご近所に引っ越してきたんだと驚かされる。
そして迎えるラストバトルでは、ちょっとだけワクワクしちゃうイベントが発生。こんなシュールな世界でもそんな感情を抱かせてくれる王道展開の偉大さを再確認することができたぞ。
子どもの“ごっこ”感を味わえる世界観
戦隊モノやアメコミなどに憧れて、幼少期に“ヒーローごっこ”をした経験のある人は多いだろう。
本作に出演するみんなの手作りなファッションやご近所感溢れる光景。実写からにじみ出る当時の“ごっこ”感がとても懐かしく居心地がいいのだ。
なお、本作はフルボイス。プレイするまでは“ついにそこまでの規模になったか”と感慨深いものがあった。
しかし、これにはとんでもないカラクリがあり、その答え合わせをするかのように始まるエンドロールで“ですよねぇ!!”と大爆笑。
愛すべき“クソゲー”は今作でも健在、データ引き継ぎで始まる2周目やボイスのOFF機能など、これまでのシリーズと比べても充実したロールプレイを満喫できるだろう。
P.N.深津庵
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