レビュー
投稿日2019.09.02

失踪した写真家の足跡を追え
ある日失踪した有名写真家。彼の豪邸に残された1本のテープには、彼自身が経験した40日間の記録が録画されていた。
残された映像にはいったい何が!?
奇妙な現象に苦しむ写真家の目線で豪邸で起こっている怪現象を突き止めていく。
それが本記事で紹介するホラーアドベンチャー『My sweet home』だ。
ゲームの見どころ
●監視カメラに録画された40日間の怪現象
●回避不能!! 考察したくなる写真家の行方
監視カメラに録画された40日間の怪現象
写真家が残した監視カメラの録画映像は2019年7月8日から8月16日、失踪するまで40日分だ。
1日ごとに分割された映像に映る奇妙な現象をすべて特定し、最終日に待っている写真家の末路を見届けるのが本作の目的である。
1日1ステージで進行する本作の流れは、3階建ての豪邸にマーキングされたポイントを巡回し、すべての怪現象をタップで指し示すこと。
ノルマを達成すると翌日の映像に移り、その過程で写真家の身に起こっていることが明かされていく。
徐々にそんな生活にも慣れてしまうのか。途中から怪現象にツッコミを入れ出す演出には賛否ありそうだが、怖がりな人には肩の力を抜いてもらういいアプローチだろう。
不自然に開閉する扉や浮遊する花瓶などのポルターガイスト現象だけならまだしも、この豪邸にはもはや実体があるとしか思えない人物や巨大な目を持つ子どもなどが徘徊。その姿がはっきりと映像に残されている。
プレイした手触りは間違え探し。1日あたりのボリュームもほどよく、40もあるステージだが1時間ほどでクリアーできる。
映画『パラノーマル・アクティビティ』を観ているような覗き見る恐怖を最後まで見届けてほしい。
回避不能!! 考察したくなる写真家の行方
本作は豪邸の主、写真家が失踪してしまったその原因を40日の映像で回想する物語。つまり、待っているのがバッドエンドしかない。
救いはないが失踪に至る原因とヒントが本編中にいくつか描かれている。
部屋のあちこちに飾られた彼の作品。その被写体となったモデルとのあいだに何か問題があるのか。激しく動く眼球や口元から流れ落ちる血など、写真に関連するそうした現象に彼の感情を揺さぶられていく。
写真に恨みがあるのか、それともモデルたちの怨念か。
その真相が明確には描かれないが女性がモニターを覗き込むような本作のアイコンなど、想像する余地を残したという意味では十分な内容だろう。
後半、類似した怪現象が続き萎えてしまったり、タップしにくいアンサーが多かったりする点は残念だが、”My sweet home”という言葉が誰のものなのか考えると……怖い。
P.N.深津庵
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