祈念寫眞-キネンシャシン-の概要

SNSを題材にした恐怖の青春物語

写真を投稿してお金が稼げる大人気アプリに興味本位で手を出した学生たちが、思いがけない恐怖に捕らわれていく。

本記事で紹介する『祈念寫眞』は、niconicoの“RPGアツマール”にて配信されているPC＆スマホどちらでもプレイできるブラウザゲーム。

小遣い稼ぎ感覚で手を出したアプリに潜む危険な罠。

“いいね”がほしい、そんな承認欲求が招く最悪の事態に追い詰められていく学生たちを描くホラーテイスト満載のタイトルだ。

往年のホラーゲームを彷彿とさせる校内探索

本作のタイトルにもなっている“祈念寫眞（きねんしゃしん）”は、SNSに投稿した写真でランキングを競い、発生するポイントに応じてお金を稼ぐことができるアプリのこと。

若者たちにあいだで流行っているアプリに挑戦しようと盛り上がる4人の学生視点で物語が進行していく。

可愛らしい絵柄のキャラクターとは対照的に、プロローグで描かれる実写混じりの恐怖演出は印象深い。

“祈念寫眞”というアプリが危険であり、それに手を出す彼らの身を案じさせる十分な効果を発揮している。

また、『トワイライトシンドローム』やそれに続くシリーズを連想させる校内探索や都市伝説に興味を持っていく演出は、その世代のホラーゲームファンにとっても興味深いポイントだ。

アプリ上で示される“特別な場所”や“怪しい落書き”など、ミッションに従い撮影していく学生たち。最初はランク外で評価もつかない作品ばかりだった彼らの状況は、“とある事案”をきっかけに逆転。高評価＝お金が発生することに不信感よりも好奇心が勝り、さらなる事案に関与していく。

ストーリー自体はとてもシンプルで、ゲームブラウザ上にも書かれている通り90分もあればクリアーできる。

プレイヤー自身が写真を撮るアクションや校内を探索して情報を集めていくプロセスは、短い本編の中でも十分満足できるボリュームだったぞ。

エンディングに影響を与えるアーカイブ要素

本作にはミッションに直接関係のないスポットでも撮影できるポイントがあり、それらをコンプリートすることでエンディングにある変化が発生する。

クリアーするだけなら誰でもできるが、この収集要素が思いのほか大変で、ほどよいやりこみ要素にもなっているのだ。

また、ゲーム序盤に“ラクガキ機能”に関するアナウンスがある。

これは自分が描いたラクガキが他プレイヤーに共有される機能で、非同期ながら同じゲームをプレイしているとような体験ができるもの。

ラクガキをするにはniconicoにログインする必要があり、今回筆者がプレイした範囲ではこれを拒否することができず、ログインするまでゲームを先に進めることができなかった。

興味のないプレイヤーにとっては面倒なことだが、クリエイト自体は簡単なのでサクッを仕上げて本編に戻るといいだろう。

新エピソードの配信は!?　気になる今後の展開

ゲームブラウザ上に“2話製作中?”のタグがある通り、本作は1話分のエピソードで終了。2話を連想させる興味深い映像で最後を締めくくっている。（2019年7月22日現在）

いったんの結末を迎える1話だが、いくつか気になる伏線があり、おそらくはそれらの要素を今後回収しながら、さまざまな事案に加担していくと思われる。

疑惑のアプリが写し出すのは定番の都市伝説かそれとも……。

「今後の展開がとても気になる探索ホラーが始まった」

とても期待が持てるブラウザゲームに出会えた、そう実感できる作品だったぞ!!

P.N.深津庵
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