レビュー
投稿日2019.07.21

異型種ラーメン店始めました
スロットで食材を決めてインスピレーションのままに至極のラーメンを完成させる。
本記事で紹介する『富山ラーメンX』は、“どうしてこんなものを”と聞きたくなる勢いだけはいっちょ前、出オチ感満載のネタ系カジュアルゲーム。
まさか、富山ラーメンをきっかけに郷土料理を学ぶことになろうとは!!
ゲームの見どころ
●王道から異型まで食欲を刺激する26種の創作料理
●なぜ富山!? メニューに隠されたメッセージを解く
王道から異型まで食欲を刺激する26種の創作料理
スロットマシン感覚で3種類の食材を決定、それらを組み合わせて創作料理を作るのが本作のたったひとつの目的。リストをコンプリートする要素はあるが、正直いってそれほどこだわる意味もない。
それでもプレイしてしまった最大の理由は、本作のアイコンにもなっている“魚が頭部を出して荒ぶるラーメン”のレシピが知りたかったからだ。
たまご、ネギ、もやしの3種類で約束された安定のうまさを誇る“野菜ラーメン”ができたかと思えば、UFO、蜃気楼、チャーシューで“超常現象ラーメン”という食べたらこの肉体を奪われてしまいそうな危険なものまで、独特な世界観を醸し出す完成図は予想以上に興味を引く。
26種類のメニューをコンプしていく要素はいいのだが、リストに登録されるのは完成図のみ。どんな組み合わせだったのか食材リストもあれば、それを参考に新たな組み合わせを考えたり、スロットの目押しに挑戦したりと遊びの幅が増えたのかなと感じた。
なぜ富山!? メニューに隠されたメッセージを解く
本作のタイトルは『富山ラーメンX』なのに筆者が記事中で“創作料理”と呼んでいる理由は、ラーメン以外の料理がいくつか混ざっているからだ。
いわゆる中華料理という枠に収まるものはともかく、五平餅が出てきたときは何でもありかとツッコんでしまった。
一見すると何の関係もない五平餅だが、じつはこれ富山県を含む、中部地方の山間部に伝わる郷土料理。そう、“富山”という枠にちゃんと収まっているのだ。
なるほど、それを知って違和感もすっきり解消。
さらに、調べてみるとJR富山駅から歩いて数分のところには太麺と濃口醤油味べースのブラックスープというパンチの効いた店。キャンピングトレーラーを改造した屋台という大胆な印象とは対照的に油分を抑えたヘルシーなスープを提供する店など、富山にはたくさんのラーメン店が存在するようだ。
このアプリがどんなメッセージを込めて作られたのかは不明だが、“富山ラーメン”というワードから思いがけない情報を得ることになった筆者は、確実に富山への興味が高まっている!!
P.N.深津庵
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