レビュー
投稿日2019.06.29

ボタンひとつで玄人バリの爽快アクション
西暦2025年、爆発的に広がったZウィルスの猛威によって人類のほとんどが命を落とす。
その期間はたった数日、ごくわずかの生存者はただ隠れ息を潜めるしかなかった。
本記事で紹介する『最後の希望: Pixel Z』は、元海兵隊の兵士であり現在は労働者である男性を操り、生き別れてしまった妻子を求め戦う2Dアクションゲーム。
武器や防具はすべて現地調達、空腹と喉の渇きを満たさなければならないサバイバル術を身に着け希望を求め戦っていこう。
ゲームの見どころ
●爽快感を重視した遊びやすい無双アクション
●終末世界を補完するアーカイブと探索パート
●武器防具を現地調達するハクスラ要素
爽快感を重視した遊びやすい無双アクション
目覚めたら人類終了のお知らせ。崩れ行く世界情勢とかそのへんの設定は置いといて、最初から暴れ放題なのが本作のいいところ。何でもいいからゾンビ相手にフルスイングしたいヤンチャなプレイヤーにはもってこいのアクションゲームだ。
本作には体力のほかに空腹と喉の渇きを示すゲージがある。
それらを満たす食料や水分はゾンビや周囲のオブジェクトから入手。もしくは関連する素材を使ってみずから作成できる点がサバイバル感を強めているポイントだ。
そして気持ちよく無双プレイを楽しむうえで欠かせないのが、間合いに入っていれば適当に振り回しても当たる近接攻撃と、エイムセンスゼロでも射程内なら自動で狙ってくれる遠隔攻撃だ。
最大3種類まで装備できる武器は、画面右上のアイコンでいつでも切り換え可能。弾もそこら中に落ちているので不足することはない。
ゾンビだらけの世界であることを除けばじつに快適で過ごしやすい環境だ。
ドットでありながらも過激だと感じさせるグロテスクな表現。首を吊るされた遺体や血の海と化していく戦場など、デフォルメされているとはいえリアルな部分もある。
そこだけを切り取れば残酷なゲームだが、ここは“ゾンビ”という非現実的な存在がいる世界。巨大な二足歩行マシンを操縦するゾンビまで出てきちゃう豪快設定なので、細かいことを言及せず思いっきり楽しんでほしい。
終末世界を補完するアーカイブと探索パート
妻子との再会を願い戦う主人公は、この世界に何が起こっているのかほとんど理解できていないのは前述で述べた通り。
その空白を埋めてくれるのが、街や森など各ステージに点在する日記や手紙などのアーカイブだ。
また、各種アイテムを求めて住宅や店舗など屋内を探索。そうしたフィールドワークを通じて、感染が拡大する以前の平穏な人々の生活を感じ取ることができる。
さらに、食料の調達にも役立つキャンプや救助を求める人々を護衛するなど、希望を持って生きるものたちとの関わりも増えていく。
それらがゲームの単なる演出ではなく、プレイヤーのライフラインを支える重要な要素になっているのもおもしろい。
武器防具を現地調達するハクスラ要素
すべて現地調達の本作における武器や防具はハクスラの対象であり、レアリティの高いものを求めて戦いをくり返していく。
集めた戦利品は画面左にあるバッグに収納され、3系統の武器を筆頭に頭や胴など6枠を自由に着せ換えることができる。
ゲームの設計がどうなっているのか不明だが、ステージに応じてドロップする戦利品の性能が全体的に上昇。バランスよく身だしなみを整えていけると感じた。
ハクスラ要素はあくまでもおまけ、多少のランダム性はあってもふつうにプレイしていれば武具で困ることはないのかもしれない。
また、目的地を示す矢印のガイドや採集ポイントを示す虫眼鏡のマーク。フィールドワークをアシストする機能も整っているので、強敵に敗れることはあってもゲームで行き詰まるようなことはない。
ローカライズの甘い点はご愛嬌。むしろ、用意されていることに感謝すべきだろう。
妻子は無事なのか、それとも……。
最悪の結末が脳裏をよぎるが、ハッピーエンドを願い過酷な戦いを乗り越えていこう!!
P.N.深津庵
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