アンダーユアベッドの概要

レビュー

投稿日2019.06.22

満員電車の息苦しさから体調を崩してしまったサナエ。吐いてしまったらどうしようと苦しむ彼女を心配し、席を譲りハンカチを差し出す男性。

彼の紳士的な行為と容姿に惚れ込んだ彼女は、増幅していく歪んだ愛情を抑えきれずストーカーと化してしまう。

本記事で紹介する『アンダーユアベッド』は、文章を参考に該当するポイントを示し物語を進めていく、身の毛もよだつ仕掛けにも注目のサスペンスノベルだ。

ゲームの見どころ
●ストーカーへと変貌していくサナエの物語
●自然のカタチで紛れ込む恐怖演出

体調を悪くした女性とそれを気遣い助ける男性。それが運命の出会いだと結論付けるにはその後の展開と結果が求められるのだが、彼女は秒で確信にいたり急激の想いを増幅させていく。

本作は間違い探し系のアプリに近い設計。男性に対する心の声を参考に該当するものを選び、一方的な愛を深めていくのだが、その内容が序盤からぶっ飛んでいてドン引きするレベル。彼女の考えていることのすべてが恐ろしく感じられてくる。

彼女はハンカチを返す名目で連絡先として名刺を入手。そこに記されている氏名をSNSで検索して私生活と、下車した駅名から住んでいる場所を驚きの速さで絞り込んでいく。

これが探偵や刑事のしていることなら有能だが、完全なる思い込みなのだからタチが悪い。

単なる捜し物ゲームで終わらず、ステージを重ねていくことで物語が進んでいくのも本作のいいところ。その過程でサナエの過去が描かれていく展開も興味深かった。

一方的な想いを募らせストーカー行為をくり返す彼女だけでなく、過激化していく行動に戸惑い、身の危険を感じていく男性の心境までをうまく描いている点も夢中になれたポイントだ。

スマホアプリではよくある“レビューを書いてね”的なアナウンス。当然本作にもそんな場面が多々訪れるのだが、その文面をよく読むと何とビックリサナエからのメッセージなのだ。

本作にはこんな具合にいろいろなカタチで彼女からのアプローチが紛れ込んでいる。

また、サナエからのメッセージにある“また、電話するから。”にも大きな意味がある。

筆者はこのことを完全に失念しており、ときおり画面上部に出てくる着信通知が巧みな広告バナーだと勘違い。無視し続けていたせいでブチギレしたのか、最悪の演出をお見舞いされてしまった。

電話がくり返し鳴り響くが応答も拒否もできず、一方的に切られてしまう。

正直、ホラーゲーム（とくにアプリ）でこうした演出は王道中の王道なのだが、間違い探し系でこれは完全なる不意打ちだった。

サナエのストーカー行為を阻止することができるのか、それとも最悪の結末を迎えてしまうのか。

“アンダーユアベッド”

タイトルになっているこのメッセージが何を意味しているのかにも期待してほしい!!

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