レビュー
投稿日2019.05.18
忌むべきは人々の醜く卑劣な争い
ある日突然蔓延したのは人間を木に変えてしまう恐ろしいウィルス。密林地帯と化した地上にはゾンビ化した人々まで現れ、暴徒が主導権を握る最悪の時代を迎えてしまう。
本記事で紹介する『死の雨2』(原題:DEAD RAIN2)は、荒廃した世界で娘を探す主人公と謎の女性がアウトブレイクの起きた世界で家族を求め戦うアクションゲームだ。
ゲームの見どころ
●両方向から押し寄せる敵勢力を撃ちまくれ
●人間がいちばん怖い泥沼のヒューマンドラマ
●武具とスキルで強くなる中年オヤジの育成要素
両方向から押し寄せる敵勢力を撃ちまくれ
本作は木の枝が体内から生えた人々や動物。さらにはゾンビまで徘徊する終末世界を舞台にした横スクロールアクションゲーム。
メインとサブ2種類の武器を使い分け、高低差のあるステージの両方向から迫るさまざまな敵を倒していく。
壁を蹴り登ったりツタにぶら下がって移動するといったアクション性。ステージ上に散りばめられた育成に役立つコインやスターを集める要素はプレイヤーの心を刺激する十分な効果を果たしている。
ただし、左下のバーチャルパッドに少々クセがあり、思い通りのアクションができないことも多い。
それを克服できるか否かで本作の評価が変わってきそうだ。
また、とあるステージをきっかけに木の枝を操るキャラクターが参戦。アクションボタンを使って特定のポイントに枝を生やし、従来行けなかった高所に渡れるようになる。
人々が木に変化してしまうこの独特な世界観を活かした設定もおもしろいポイントだ。
さらに各ステージの最深部で待ち受けるボスとの戦いでは、雑魚戦とは違った駆け引きが必要。弱点はどこにあるのか、相手の特徴を分析して有効な攻撃手段を考えてく楽しみがある。
生き別れた娘はどこにいるのか、再会できることを願い数々の困難を乗り越えていこう!!
人間がいちばん怖い泥沼のヒューマンドラマ
人々を木に変えてしまう“Tウィルス”がもたらしたアウトブレイク。終わりの始まりからいったい何年後の世界なのか、人類の何%が死滅しているのかなど、いっさい世界観に振れることなく本作はスタートする。
そんな本作の中で描かれるのは過酷な世界で私利私欲のために奮闘する人々の生き様だ。
アウトブレイクという要素はおまけ程度。真の恐怖はそこに生きる人間たちにあり、主人公はさまざまな思惑に翻弄されていく。
ゾンビ系のドラマや映画でゾンビがモブ扱いだと悔やむ人もいるが、ヒューマンドラマにこそ見どころがあるのだと筆者は考えている。
自分ならどうやってこの世界で生きていくのか。
我が身に置き換え投影しながら主人公に魂を吹き込んでもらいたい。
武具とスキルで強くなる中年オヤジの育成要素
本作には武具の強化やスキルツリーを使ったキャラクター育成など、多彩なロールプレイング要素が詰め込まれている。
射程の広いサブマシンガンやレーザー銃。接近戦に強いショットガンや火炎放射器などステージに応じて使い分け、それをスキルでカバーしながら数々の難関を乗り越えていくのだ。
無骨で髭面な中年オヤジの育成はちょっとテンション上がらないが、きっとかわいい娘に会うためだと思えば前向きにもなれる。
世界観に関しての説明がほとんどなく、プレイしていても曖昧な認識のまま進まざるを得ない点は正直言って残念。筆者自身も誤った解釈をしている可能性があるが、その手探り感も情報が途絶えた終末世界だと考えれば当然かもしれない。
ただひとつ、娘との再会が叶うことを信じて旅を続けていきたい!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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