レビュー
投稿日2019.01.14

老人の宝物が眠る禁じられた森へ
とある田舎町に引っ越して間もない主人公は、寝室の窓から聞こえてくる迷い猫の鳴き声で目を覚ます。
猫の飼い主である足の不自由な老婆のもとに連れ帰ると、小川を囲む森に入ることを住民が恐れ門を閉ざしている事実、そしてその奥地に宝物が詰まったランチボックスが隠されていることが明かされる。
難解謎解きゲーム『MYST』を彷彿とさせるリアルで奇妙な世界に、冒険心をくすぐる映画『グーニーズ』のようなワクワクが随所に感じられる。
それが本記事で紹介するパズルアドベンチャー『Thickety Creek』だ。
ゲームの見どころ
●謎に満ちた美しくも奇妙な森の謎解き
●広大な森のつながりを示す便利な地図
謎に満ちた美しくも奇妙な森の謎解き
宝物が詰まっているというランチボックスが眠る森には、巨大なクマが住み着いているとか、洞窟を隠れ家として利用していた銀行強盗団など、さまざまな噂話が広まっている。
幼少期に1日中遊び回っていた森にそんな危険はないと告げる老婆は、離れ離れになってしまった当時からの友だちを想い、みんなの宝物が詰ったランチボックスの捜索を主人公に託すのだ。
実写を取り込んだかのようなリアルに描き込まれた森には、さまざまな残留物や機能を失った装置などが点在している。
公式によれば手描きのグラフィックということなのだが、目に映る景色すべてが実在のものに感じられるほど美しい。
そんな世界での探索は、とても優雅な体験だ。
気になるポイントをタップで調査したりアイテムを集めるといった手順は往年の謎解きゲームと同じ。
組み合わせ可能なアイテムにはプラスのマークがあり、ひと目で判別できるのも良心的で遊びやすい。
謎解きの手順はインスピレーションそのものが答えという場合が多く、必要なアイテムや装置を探すなどいずれも簡単。
複雑な謎解きに振り回されることがない分、自然とこの美しい世界観に浸ることができた。
誰もいないと思われた森で出会う老人。立ち入ることを本当に恐れているのかと疑ってしまうほど人々の気配と生活感を感じる空間は、プレイヤーの好奇心を掻き立て森の最深部へと誘っていくのだ!!
広大な森のつながりを示す便利な地図
本作は川の流れや人々の表情など一部に動く描写があるが、基本的には1枚の静止画をつなぎ合わせ移動していく謎解きゲーム。
『MYST』シリーズ同様、こうしたタイプのゲームで多々起こるのが、現在地とこれまで歩んできた場所のつながりが把握しにくい点だ。
本作ではそんな悩みを解決する全体マップがあり、自分が通ってきたルートはもちろん、閉ざされていた場所までしっかり記録されていく。
おかげさまで最後まで迷子になることなく快適にプレイすることができた。
ちなみにiOS版には前半部分を無料でプレイできるLITE版、全編を収録した完全版の2種類が用意されている。
iOSは360円、Androidなら340円とどちらもリーズナブルで十分満足できるクオリティだった。
老婆が友だちと隠した宝物の行方と友情の結末。
小さな森に秘められた壮大な過去に触れる約1時間の物語は必見だぞ!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
動画でも新作紹介しています
配信前の期待の新作アプリゲームをピックアップ!
毎週更新!ファミ通App的最新ゲームランキング
YouTubeチャンネル登録して動画をいち早く見よう!