長生劫の概要

レビュー

投稿日2018.11.25

上古三皇が築いた長生への道は険しく、たどり着くものはおらず。千の山万の洞窟を踏破した初代皇帝の孫“劉安”だけがそれを成し遂げ、不老の妙薬は歴代の皇帝に代々継承されていくこととなる。

本記事で紹介する『長生劫』は、それから千年後、不老の妙薬に関わる陰謀に巻き込まれているものたちを描く物語。

亡霊たちが住む墓地の奥底に眠る歴史の真相を暴くため、簡単なクラフトをくり返しながら薄暗いダンジョンを探索していくダークサバイバルRPGだ。

ゲームの見どころ
●魔物が巣食う死と隣り合わせの墓地探索
●探索に役立つ資源調達とクラフト要素

中国の古墓調査を依頼された主人公は航海の途中で船が転覆し、仲間と離れ離れになりながらも目的地に辿り着く。

すべてを失ってしまった主人公は、古墓の近くにあった廃墟を拠点に地下ダンジョンの調査を開始するのだ。

ダンジョン探索の基本は消耗品のタイマツで周囲を照らし、1歩進むごとに低下する飽食度を管理しながら最深部を目指すこと。

歩いた場所を記録する自動マッピング機能を使い、ダンジョンの全貌を明らかにしていく仕組みは、まさに未開のダンジョンを暴く探検家のようでとてもおもしろい。

また、ランダムエンカウントで始まるバトルは基本オート。ゲームの進行度に応じて最大6人のキャラクターを従えて挑むことができる。

毎ターン上昇する“力ゲージ”を消費して発動するスキル技は、大ダメージを与える攻撃系や仲間を守る防御系などキャラクターに応じてさまざま。

序盤は限られたキャラクターしか登場しないのですべてオートに設定しておき、選択肢が増えてきたらチーム編成はもちろんスキル技をマニュアルに設定、複雑化していく魔物たちとの駆け引きを制していこう!!

拠点にはかまど（食料系）や薬草台（治癒系）、作業台（工具系）など、ダンジョン探索で集めた素材でアイテムをクラフトする設備。食料を手堅く確保するための釣りや任意のキャラクターに素材を集めを指示する探検といった便利なスポットがある。

とくに、幅広い素材が期待できる探索はバックグラウンド上でのくり返し行うもの。

忙しくてゲームができないプレイヤーに代わってコツコツ集めていたであろう光景を想像すると、リアル路線で厳ついキャラクターたちにも愛着が湧いてくる。

なお、商人相手の物々交換はとてもシビア。アイテムの価値観は商人によって違うのか、お金で解決できるものもいれば紙切れ同然の扱いを受けることもある。

夢に出そうなグロくて不気味な魔物たちや絶妙なローカライズから生じる不可解な会話など、さまざまな要素が混沌としたこの世界にうまくマッチしていると感じてしまうのは前向きすぎるだろうか。

テンポよく進む王道のRPGとはいい難いが、小さな積み重ねが後々の冒険に活きていくゲーム性はさすがインディーズアプリながら中華圏で約200万ダウンロードを記録した作品。

本格的なダンジョン探索に飢えていたプレイヤーはぜひ、このダークサバイバルへの招待状を受け取ってもらいたい!!

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