レビュー
投稿日2018.10.02

魂を喰らう悪しき影からの逃走劇
人類そのものが死滅してしまったのか、それともたんなる廃墟なのか。文明の痕跡を飲み込む不気味な闇の世界は、さまざまな想像をかき立てる幻想的な空間だ。
本記事で紹介する『Alone in Dark』は、そんな空間にただひとり残された発光する少女を操り、点在する輝きを求めてさまよう短編ホラーゲーム。
最初にいっておくが本作は3Dポリゴンアドベンチャーの元祖としても有名なサバイバルホラー『アローン・イン・ザ・ダーク』と名前は似ているがまったく無関係だぞ!!
ゲームの見どころ
●すべてが謎だからこそ怖い闇夜の探索
●少女に迫る悪しき影がもたらす虚無の世界
すべてが謎だからこそ怖い闇夜の探索
発光している少女がそこにいる、ただそれしかわからない不可解な世界。リボンを付けているであろうことだけが見て取れる物言わぬ彼女を操り、どこかで鳴り響く公衆電話のもとまでたどり着くのが本作の目的だ。
森の奥底から始まる本作だが彼女の足元には舗装された道路、その背後にはバリケードのようなものもある。
ファンタジーとは思えない近代的なオブジェクトから、この世界が限りなく我々の生きている現在の地球に近い空間なのだと推測できるのだが証明するものはなにもない。
余計な説明をすべて省くことでプレイヤーの想像力を掻き立てる表現が随所に盛り込まれているのだ。
また、最大21個ある光を集めることがひとつの目的になっている。
闇夜に点在する光りは遠くからでも目視できるのだが、予想以上に本作のマップは複雑に入り組んでいるのでコンプリートするにはそれなりの根気が必要だ。
ただし、集めた光りの数を問わずゴールとなる公衆電話を開くことができる。
未完のまま終えるのか、真の結末があると信じて21個すべてを追い求めるかはプレイヤー次第。根気よく複雑な暗黒の世界を探索してみよう!!
少女に迫る悪しき影がもたらす虚無の世界
廃墟となったテーマパークや軍事施設を連想させるオブジェクトが多い闇の世界。ここには少女のほかにもうひとつ、意思を持って徘徊する無数の影が存在している。
赤い眼の不気味な影が近づくと激しいノイズ音が発生、エリアの境界線までしつこく追いかけてくるぞ。
影に捕まると集めてきた光りは奪われ、スタート地点まで戻されてしまう。
すべてを無に返してしまうこの影に打ち勝つ術はなく、逃げるしかないのだが幸いにも足が遅く簡単に巻くことができる。
迂回できる幅を確保しながら誘導するか、エリアの境界線まで逃げ切ってしまうのが得策だ。
ゲーム序盤にはなじみのある赤い鳥居が登場するほか、座礁したようにも見えるヨットや巨大な通信装置など、思わず考察したくなるようなオブジェクトがこの世界にはたくさん存在している。
光を放つ少女とそれを追う黒い影。さまざまな意味ありげなオブジェクトの存在はもちろん、なぜ公衆電話がゴールでありコール音が鳴り響いているのか。いろいろな観点から本作の世界を楽しんでいこう!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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