【新作】禁断の儀式が最悪を招く!!高校生の男女が語る5つの怪談物語 『Living』

投稿日 2018.09.12

終わりと始まりを告げるろうそくの灯火

部活の一環で無人島のキャンプ場を訪れた男女の高校生5人組は、悪天候に見舞われ予定していた帰路を断たれてしまう。

離れ離れになることを避けるためリビングに集まった部員のひとりが、真夏の夜を盛り上げようと知る人ぞ知る“6本のろうそく”という禁断の儀式を提案するのだが……。

本記事で紹介する『Living』は昨年リリースされたホラーノベル『ワタシノモノ』を手がけたPortable Shellの最新作。

霊にまつわる怖い話をするたびにろうそくの灯火をひとつずつ消し、最後の1本を消したとき“新たな怪談が生まれる”という儀式を試してしまった高校生たちが何を体験するのか最後まで目が離せないぞ!!

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ゲームの見どころ
●恐怖シーンゼロなのに背筋が凍る5つの怖い話
●全編終了後に考察したくなる世界観

恐怖シーンゼロなのに背筋が凍る5つの怖い話

無人島の別荘に取り残されてしまった男女5人の高校生たちが行った禁断の儀式。物語はその事後から始まり、いったい何が起こったのかを回想する流れで描かれていく。

5つの霊にまつわる話を終え、残された6本目のろうそくも消える。

最悪の事態を招いてしまったことを告げる部長“たいき”の口調から本編の最後にとんでもない結末が待っていることを期待させるアプローチがとてもいい。

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本作は4人の語り部から好きなものを自由に選び、突きつけられる究極の2択で結末へと進んでいくノベルスタイル。

個人経営の店舗で見つけたUSBに保存されていた写真から始まる異変。お見舞いにいった子どもだけが気付いた迫りくる恐怖。くり返し見るエレベーターの夢に現れた女の怨念。避暑地から始まる主と愛犬の悲劇

いずれもボリュームは小さく、ゆっくり読み進めても30分程度でオールクリアーできる遊びやすい内容だ。

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ホラーノベルテイストだが公式コメントにもある通り本作には怖い画像、視覚的な恐怖演出はいっさいない

「そうはいっても本当はあるんでしょ?」と疑っていた筆者は、“それらしいシーン”に差し掛かると毎回目を細め、少しだけスマホを離して身構えたのだが本当に何もないのだ。

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それでも怖いと感じさせてくれたのが、テキスト表記のタイミングや背景の切り換わりといった演出である。

不自然に止まるテキストは言葉を詰まらせる語り部の息遣いを、何気ない背景が誰の日常にも潜む恐怖を描いているようだ。

4人が語り終わったあと出現する5つ目の怪談と、6本目のろうそくが消えた瞬間生まれる新たな怪談。

たたみかけるように展開するクライマックスは必見だぞ!!

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全編終了後に考察したくなる世界観

本作は30分もあれば最後までプレイできる短編ノベルであり、前作『ワタシノモノ』と比べても圧倒的にボリュームが小さい。

選択肢も各物語に1度だけと寂しいものでゲーム性をあまり感じないのだが、プレイ中はもちろんクリアー後にもいくつか“不可解な点”が描かれていることに興味が湧いた。

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ネタバレになるので伏せておくが物語の最後でひとつ、部員たちのあいだで意味深な言い回しの会話が行われる。

『Living』のLが反転していたり、6人目を連想させる座席といった記号的なものでいえば、別荘に飾られている1枚の奇妙な絵画にも何らかのメッセージ性を感じてしまう。

まだいくつか不可解な点があって、それらがどこまで仕掛けられたもので偶然なのかはわからない。

怖い画像を使った物理的な恐怖がないぶん、限られた情報からあれこれ考察してしまっただけかも知れないが、いろいろなことを考えさせるおもしろがさ本作には詰まっていると感じたぞ。

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P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら

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ゲーム情報

タイトルLiving
対応OSiOS/Android
配信日iOS:2018年9月11日
Android:2018年9月11日
価格無料
ジャンルアドベンチャー
メーカーPORTABLE SHELL
コピーライト© 2018 TakayukiKato