レビュー
投稿日2018.08.06

幻想的な世界に鳴り響く魅惑のBGM
はるか昔、鹿の精霊がひとりの少女を中国北方の少数民族に託した。
“尼山(ニシャン)”と名付けられたその少女は生まれ付き霊力に満ち、太鼓を叩くだけで万物と心を通わせ、邪霊を祓う力を身に着けていく。
本記事で紹介する『尼山シャーマン』は、成人になったことをきっかけに師から託された試練に挑む物語。魅惑的なBGMにのせて太鼓の波動で群がる邪霊を打ち祓い、幻想的なステージを旅する伝説をモチーフにしたリズムアクションゲームだ。
ゲームの見どころ
●神秘的な世界を全身で感じるリズムアクション
●図鑑を通じて世界に宿る魂を学ぼう
●短編ながら引きこまれる壮大な物語
神秘的な世界を全身で感じるリズムアクション
副神の使徒であり師である男から試練を受けたニシャン。彼女の前に子を抱き悲しむひと組の夫婦が現れる。
村のトーテムを傷つけ解き放ってしまった悪霊に魂を奪われた子を救うには彼女のチカラが必要だ。
助けてほしいと願う夫婦に感銘を受けたニシャンは師の教えに従い、悪霊たちの巣窟である死地への旅を決断する。
両サイドから迫り来る邪霊と太鼓を叩く左右のボタンがリンク。ニシャンを包むサークル状の防壁に接触する直前に太鼓の波動で対応する邪霊を排除することができる。
邪霊の個体によって対応が異なるがタップかホールドの2択で見分けやすいので、リズムゲームがが苦手という人もニシャンの旅を最後まで見届けることができるだろう。
また、民族音楽を連想させる神秘的なBGMとシンクロした邪霊の進行にも注目。
ラッシュ攻撃が始まってもBGMのリズムをしっかり聴いていれば、直感的に対処することができる。
さらに、切り絵アートのように描かれているバックステージの演出も見逃せない。
地底を流れる冥河では足もとから巨大な怪魚が飛び出し、死者が集まる鬼城では関門を守る小鬼“セレトゥ”たちが襲いかかる。
それら邪霊を含めそのすべての存在が伝説に基づいている点はとても興味深いポイント。全5幕と短い内容だが見どころ満載なので1周目はクリアーを最優先に、2周目でその世界観を隅々までじっくり確認してほしい!!
図鑑を通じて世界に宿る魂を学ぼう
全5幕で構成された本作にはさまざまなキャラクターが登場。そのすべてを図鑑に登録できるのはもちろん、伝説ではどんな存在だったのか個々の詳細を学ぶことができる。
中国北方の少数民族とシャーマン伝説を知らずにプレイし始めた筆者だが、この図鑑を通じて襲ってきた邪霊やステージの意味を知り、大元となる伝記に興味が湧き、気づけがネットで何時間も調べまくってしまった。
どれが正しいものなのかいまだ分からず、正直戸惑っている段階ではあるが、新たな知識を吸収するとてもいいきっかけになったことは素直にうれしいポイントだ!!
短編ながら引きこまれる壮大な物語
幕をつなぐ演出のひとつとして、ニシャンの旅を描く重要なムービーが挿入。短編である本作はプレイ時間を含めても30分程度、1本のアニメを観ているよう感覚で楽しめる手軽さもオススメポイントにひとつだ。
物語の最後には強大な邪霊との一騎打ちもあり、その戦いはそれまでの道中で経験したことのない激しいものとなる。
攻略法は物語の結末は伏せるが、無料でこんな体験ができるのかと十分な満足感を味わえる内容だったことは伝えておく。
ちなみに、本作を手がけたのは『PUBG MOBILE』でおなじみテンセントの新卒チーム。今後どんな作品を生み出していくのか、当デベロッパーの動きにも注目していきたい!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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