エージェントエスケープの概要

ローカライズはともかく謎解きは本格的!!

ドイツ連邦諜報局第9小隊長のバゼルは、最近ベルリン周辺で奇妙な人物が出入りする施設を特定。部下を連れて現場を訪れるも返り討ちに会い、あっさりと拉致られてしまう。

本記事で紹介する『エージェントエスケープ』は、巷で怪しい宗教だとかテロ集団だと噂される彼らの正体を暴くため、複雑な仕掛けを解読しながら施設の実態に迫っていく脱出ゲーム。

曖昧なローカライズはご愛嬌、全6ステージで描かれる手応え十分の謎解きはプレイする価値ありだぞ!!

幅広い層が楽しめる全6ステージの謎解き

謎の集団に拉致されてしまったバゼルが挑むのは全6ステージ構成の謎解き。それぞれ独立した作りなのでアイテムの持ち越しがなく、ひとつの画面に詰め込まれた情報を頼りに解読していく遊びやすい設計だ。

難度も段階的にあがっていく点は脱出ゲームの入門編としてはもちろん、玄人も満足できる難度の高い謎解きが徐々に増えていくいいバランスにまとまっている。

全6ステージを通じて本当に難しいと感じたのはわずかで、その大半は解読につながるものが乏しいものに限られている。

基本的に散りばめられた情報から謎解きのヒントを導き出しやすく、スムーズにゲームが展開していく気持ちのいいアプローチは、まさにエージェントであるような体験だ。

なお、誤った操作をしてもゲームオーバーになることはなく、初期状態に戻したくなる仕掛けに対してはリセットボタンが備わっている。

まずは片っ端からタップしてアイテムを回収し、変化の起こる場所を確認しながら対応するポイントを考察。エージェントらしくスタイリッシュに謎と解き明かしていこう!!

禁断の儀式!?　先が気になる短編アドベンチャー

ドイツ連邦諜報局の第9小隊長という肩書を持つバゼルと部下たちに襲いかかり、いともたやすく拉致してしまった謎の集団。本作は冒頭から舞台背景がしっかり描かれているので密室から始まる経緯も理解しやすい。

ゲームを起動した瞬間から謎の空間に閉じこめられている謎解き特化型の脱出ゲームではなく、短編ながらストーリーを楽しめるのは攻略意欲につながる重要なポイントだ。

冒頭でも触れた通りローカライズが曖昧で、クールに描きたかったであろうセリフがギャグのようになっていたり、1部のオブジェクトに関する説明がプレイヤーを惑わしたりと戸惑う点も覆い。

しかし、謎の集団たちが暗躍していた施設内の探索から見えてくる光景は、そうした曖昧なローカライズなんて気にしていられないほどおぞましく、危険な場所に連れ込まれてしまったのだとプレイヤーの恐怖心を高めていくのだ。

なお、本作にはコインを使ってヒントを得る機能がある。

行き詰まるとすればラストのステージ5or6程度だと思うのだが、もっとも安い120円（12枚）で余るほどなので、どうしても先に進めないときは潔く購入してもいいだろう。

各ステージの前後で描かれるバゼルの状況説明や特定のオブジェクトに残されたメッセージから、謎の集団が行っていた驚きの真相が少しずつ明かされていく。

バゼルは生きて帰ることができるかはプレイヤーのひらめき次第。

姿すら見せない部下たちや謎の集団はどこに行ってしまったのか。

不可解なことが多すぎる短編ストーリーから最後まで目が離せないぞ!!

P.N.深津庵
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