うきよウェーブの概要

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レビュー

投稿日2018.07.10

江戸時代後期の浮世絵師であり化政文化を代表するひとりとして数々の名画を描いてきた葛飾北斎。その中でも全46図から成る名所浮世絵揃物『富嶽三十六景』はゴッホを始めとする世界の芸術家にも多大な影響を与えた代表作である。

その1図、力強く描かれた荒波が印象的な“神奈川沖浪裏”をモチーフに、サーファーがダイナミックに上下左右のフリック操作で波乗りに挑むのが本記事で紹介する『うきよウェーブ』だ。

ゲームの見どころ
●ステージごとに変化する華麗なトリックアクション
●個性が強すぎるネコやカエルなど4つのアバター

本作には神奈川沖浪裏をモチーフにしたステージのほか、有料コンテンツを購入すると月夜や赤富士、壇ノ浦といった北斎の名画を連想させる背景をバックにサーフィンを楽しむことができる。

左右のフリックを基本に1段でも高く波を乗り越え、画面下に落ちてしまわないよう状態をキープ。時間の経過に合わせて速度が上昇する波をジャンプした数でスコアを競うのだ。

基本無料のアプリで冒頭から有料コンテンツ（360円）に触れているのは、そこに収録されている3つのステージが抜群におもしろいからだ。

その最大の理由は各ステージごとの特性を活かしたハイスコアの算出システムとアクションの変化にある。

たとえば、月夜ステージ以降は上下のフリックで波を移動するショートジャンプが登場。飛んでいる鶴から舞い落ちる羽を取るたびにスコアが上昇するほか、遊泳するクジラから吹き出る塩に乗ると急上昇する大胆なアクションも可能だ。

また、赤富士ステージでは魚や鳥に接触するとコンボがカウントされ、その数に応じてスコアが上昇。月夜ステージ同様、ショートジャンプを駆使して浮世の波を自在に行き来することができる。

壇ノ浦ステージにはなんと怨霊たちが波に乗って登場。それに接触すると魂がストックされ、船に固定された扇を取ることで魂がボーナスとして加点される。

もちろんここでもショートジャンプが可能で、赤富士ステージ以上にテクニカルなアクションを楽しむことができるのだ。

無料の神奈川沖浪裏ステージはあくまでも入門編であり、有料コンテンツ（3ステージ）からが本番。浮世世界の独特な味わいはもちろんゲーム性も格段に増していく。

1ステージ120円と考えれば十分お手ごろ、北斎の作品で波乗りというイカしたこのビックウェーブに乗らなきゃ損だぞ!!

3つのステージをパックにした有料コンテンツの中には、浮世絵風のタッチで描かれた4つのアバターも含まれている。

少し帯のはだけた女性や寝そべった力士などいずれも個性的だが性能差はなく、自分好みのアバターで思う存分サーフィンを満喫できるのだ。

ゲーム性に影響を与えないアバターはあくまでもおまけ。

神奈川沖浪裏ステージ以外の開放条件を有料コンテンツ一択にせず、何らかの条件を満たすことでアンロックされる要素にすれば、それがゲーム攻略の意欲にもつながっただろう。極端な設計が少々気になりはするが、それを差し引いても北斎の浮世絵をモチーフにしたサーフィンは最高のひと言。

各ステージには隠し要素が多いので、どんな変化が起こるのかはぜひ波乗りを制してその目で確認してほしい!!

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