レビュー
投稿日2018.05.25

バーから始まる恐怖の連鎖
真実か、それとも虚偽か、賛否あれどいつの時代も一定の需要があり、夏の定番とされた怪談話が季節を問わず取りあげられるようになった昨今。
本記事で紹介する『プレイする怖い話』もまた、そうした流れの中でリリースされた数多くある“怖い話”と題したアプリのひとつだ。
昨年リリースされた本作ではあるが、まもなく訪れる梅雨の不快指数を吹き飛ばす、ちょっと背筋がゾクッとしちゃう体験を紹介するぞ。
●バーのマスターが語り部となり描かれる恐怖の物語
●誰もが全部の結末を楽しめる分岐機能
バーのマスターが語り部となり描かれる恐怖の物語
突然降り出した雨に、主人公は行きつけのバーへと足を運ぶ。自分以外誰もいない店内、暇つぶしにとマスターは怖い話を持ちかける。
本作で楽しめるエピソードは全部で8つ、最初から好きなものを自由に選ぶことができるぞ。
両親に連れられて遊びに行った祖父の家でちょっとした好奇心から川に転落、迷い込んでしまった森での体験を描く“暗い森”。
ネットの画像でしか見たことがない廃屋や廃工場といった朽ちた人工物に興味を抱いた青年が、一家心中のあった現場を訪れて最悪の事態に巻き込まれる“廃屋の女”。
不慮の事故で意識不明にまでなった同級生が退院、自宅に招かれた学生の身に起こった恐怖に迫る“出席番号29”など、いずれのエピソードも身近なシチュエーションが多く、実写を取り入れた背景もうまくマッチしていて没入しやすい。
ゲーム自体も簡単な選択肢を通じてエピソードが変化するシンプルなもので、いつでもセーブやロード、スキップやオートモードを選ぶことができる。
全体的にスーパーファミコン時代を彷彿とさせるレトロな雰囲気があり、少々荒く感じるグラフィックが想像力を掻き立て恐怖心を高める抜群の効果を発揮。マスターが語る怖い話に自然とハマっていくはずだぞ!!
誰もが全部の結末を楽しめる分岐機能
本作は選択肢によって最大9つの結末に向かって派生していくマルチストーリー。
全ルートをコンプリートするのはたいへんなように感じるが、各エピソードごとに広告動画を再生するだけで、その分岐点をすべて閲覧できるようになる。
もっとも結末が多い“変わったバイト”では当然選択肢の数も豊富。納得のできるストーリー展開を探したいが周回プレイするのは面倒だという人は選択肢の手前でセーブを行い、ひとつずつルートを潰していくのもいいだろう。
特別斬新な演出はなく古きよきホラーノベルゲームといったノリで、たくさんの怖い話を経験してきたプレイヤーには多少もの足りなさもあるだろう。
しかし、そうした耐性がない若い世代には十分な恐怖を感じてもらえるはずだ。
怪談話の需要が高まっていく夏に向けて本作をプレイし、親戚や従兄弟など子どもたちが集まる場で、マスターに変わってあなたが語り部となって眠れない夜を演出してみよう!!
P.N.深津庵
※深津庵のTwitterはこちら
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角満&中目黒のこれ、知ってる?
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編集長!これ、どうでしょう!?