レビュー
投稿日2018.05.22
爽快感と絶望が入り交じる終末パズル
人々が集まるスポットで、突如ひとりの男がゾンビと化して周囲の人間を襲撃。その感染速度は抵抗するのも虚しくなるほどの速度だった……。
本記事で紹介する『Infection – 感染』は、ゾンビ化した男をスワイプで操り手当たり次第に襲いかかり、感染者を増やしながら人類滅亡を目指していく壮絶なアクションパズルゲームだ。
●接触と感染をくり返しひとり残らずゾンビ化
●人間としての自我が崩壊していく描写
接触と感染をくり返しひとり残らずゾンビ化
どうしてゾンビになってしまったのか、それを知るものは誰もいない。
ひとりの男は突如として転化、明確な殺意を持って周辺の人々へと襲いかかっていく。
プレイヤーはバーチャルパッドでゾンビ化した男を操り、生存者に接触させることで襲撃と感染を同時に行ってゾンビを増殖。ねずみ算式に数を増やしながら人間を滅亡させていくのだ。
難しい操作は一切なく、ただ人間と接触するだけでいいのが大きな特徴。感染者が身近な人間に襲いかかり、驚きの速度で被害が広がっていく様子は見ているだけで圧巻だ。
また、本作のBGMにはモーツアルトの名曲“レクイエム”を使用。すでにプレイしている人の中には、『新世紀エヴァンゲリオン』や『バトルロワイヤル』が脳裏をよぎった筆者のような方も少なくはないだろう。
さらに、本作には特定のポイント間を行き来するワープ装置や、ゾンビを排除する巡回ロボなどさまざまな仕掛けが登場。
ゾンビに気付いた人間は出口を目指して逃げるのだが、その逃走ルートは道に描かれているので、それを参考に先回りする方法を考えるといった楽しみもある。
全員感染という明確な目的と、状況に応じてすばやく対応するアクション要素。パズルゲームとしての難度は高くはないが、そのぶん混沌とした感染の恐怖と拡散していく爽快感をしっかり体験することができたぞ!!
人間としての自我が崩壊していく描写
本作は特定のパターンから成るシンプルなアクションパズルだが、各ステージの冒頭で感染した男が徐々に自我を失い、明確な殺意へと目覚めていく様子を丁寧に描いている。
短文で簡単なひと言でしかないが、その自問自答から男がどんな心理状態で人々に襲いかかっているのかを知るとてもいい要素だ。
また、ゲームのスコアに応じて得られるポイントを使ってキューブ(フィールド)や背景を自由にカスタマイズすることができる。
ゲーム難易度やプレイスタイルになんら影響はないが、やり込み要素としてはもちろん、気分転換をするのにも丁度いい。
ちなみに、筆者は本作をプレイした当初、浅草などを舞台にゾンビから逃げつつ、救世主であるプレイヤーが生存者たちを救い出す約10年前のPlayStation3ゲーム『The Last Guy』の逆をゆくノリだと感じた。
もちろん、正確にはまったく異なるものではあるが、今回の記事で興味が湧いた人、『The Last Guy』が好きだった人はぜひ本作をプレイしてもらいたい!!
P.N.深津庵
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角満&中目黒のこれ、知ってる?
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編集長!これ、どうでしょう!?