アリスと闇の女王の概要

不思議の国どころではない恐怖体験

放課後に友だちとカラオケを楽しんだ女子高生の夢野ありすは、その帰り道で交通事故に遭ってしまう。

そして目覚めた彼女が目にしたのは、チェシャ猫やマッドハッターなど“ふしぎの国のアリス”でおなじみのキャラクターたちがいる世界だったのだが……。

本記事で紹介する『アリスと闇の女王』は、これまでに『心霊学校からの脱出』や『ひとりかくれんぼ』など多くのホラー系脱出ゲームを手がけてきたSEECの最新作。

ファンタジーだと思ったら大間違い、精神的な恐怖が待ち受ける、期待を裏切らない至極ホラーを全身で感じてほしい!!

対立する2大勢力の謎を解くアドベンチャー

交通事故に遭い、現世とは異なる場所で目覚めた夢野ありす（以下、アリス）は、突如目の前に現れた異型の生物に襲われる。

その現場に居合わせたのが、首にヘッドフォンをかけたケモ耳の少年“チェシャ猫だった。

本作は“ふしぎの国のアリス”をベースに独自の世界観を描くホラーテイストの脱出ゲーム。現世への生還を望むアリスを操り、この世界を創ったものを探すための冒険を開始するのだ。

赤の女王に心臓を捧げる闇の狩猟者だと語るチェシャ猫や、狂った帽子屋ことマッドハッター、水タバコをふかしている芋虫のマクミランといった“ふしぎの国のアリス”でおなじみのキャラクターのほか、その続編“鏡の国のアリス”に登場するハンプティ・ダンプティもレストランの経営者として物語に深く関わっていく。

ハートの城や市街地、レストランや公爵夫人邸などさまざまなスポットにスタミナを消費して移動。タップで気になるポイントを調べながら、赤の女王が治めるハートの国や心を持たない闇の住人の集まる暗黒街を探索していく。

基本的な操作は従来の脱出ゲームと共通で、謎解き要素に関しても全体的に難度が低く、最後までスムーズにプレイすることができるだろう。

序盤はファンタジー色が強く、子どもにも安心してオススメできる展開なのだが、暗黒街に忍びこんだ瞬間から目をそらしたくなるような猟奇的な世界へと変貌。直視できないほどおぞましい光景がそこら中に広がっていく。

1秒でも早くこんな世界から逃げ出したいと想わせる、恐怖の連続に覚悟して挑んでもらいたい!!

多彩な衣装でアリスを着飾るカスタム要素

ハートの国に貢献することを命じられるアリスは、ハンプティ・ダンプティから譲り受けたレストランで働くことになる。

そこで、新たな料理を開発したり内装に手を加えるなど、さまざまな改革を試みながらお金を稼ぐミニゲーム的な要素が展開していく。

ここでの収入はとあるイベントで使用するほか、アリスの髪型や衣装を変更するための資金になる。

着せ換えは必須要素ではないのだが、ゲーム中にも反映されるため、かわいいアリスに貢ぎたくなるのがプレイヤーの心理。

理想のコーディネートを考えて自分だけのアリスを完成させよう!!

マンガで描かれるストーリーパート

当たり前の日常を奪われて異世界で目覚めるアリスのストーリーを、本作では各章の前後でマンガを使ってテンポよく描いていく。

各コマを段階的に見せ、ときには効果音を挿入するなど、電子コミックのような感覚で読み進めることができる。

また、新たな登場人物と出会ったパートの最後で挿絵がつけられたり、プロフィール付きのカードをコレクションするギャラリーがあったりと、キャラクターをしっかり印象づける効果が盛りこまれている。

アリスは生きて現世に戻ることができるのか。

その結末はもちろん、彼女を支えるキャラクターたちの活躍をマンガを交えて最後まで追いかけていこう!!

P.N.深津庵
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